阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

未来のエネルギー政策における原発の在り方を問う「国民投票」を

2012年05月31日 19時11分09秒 | 政治


最近、様々な会議の場で、日本の未来のエネルギー政策を問う手段として、原発の在り方を問う国民に問う投票の実施を提案している。議員立法で法律を作れば「国民投票」は技術的には可能だ。

今日は、「脱原発ロードマップを考える会」の中で前回に続いて発言した。会の顧問でもある菅直人前首相も、民主党の方針にし、内閣の方針にもする意味で、与党の国会議員であるからこそ起こし得るムーブメントと受け止めてくれた。具体的には9月にも予定される民主党代表選挙(=総理大臣指名選挙)において、候補者の公約に入れてもらい、その候補者を応援することで実現が可能性になるはずだ。

また、市民社会との連携、既存の枠組みを超えた政治家との連携も大きな力になるだろう。

国民的関心の高いテーマについて選択肢を提示した上で、その決定を国民に委ねる。そんな意思決定の方法が日本にあっても良いと思う。

ドイツでは、原発を止めて、産業構造自体の変革を経済成長につなげた。脱原発だけでなく、脱原発社会、脱原発経済を実現しようとしている。その精神は、技術や経済の前に、「安全に責任を負えない技術を未来の世代に押し付けるわけにはいかない」という倫理観であったと思う。

私はなるべく早い時期に脱原発を実現し、再生可能エネルギーの割合を高め、それを地方のコミュニティー再生、産業の活性化につなげるべきというのが基本的な考え方だ。

比較的安価に電力の安定的な供給をしてきたことについては原発の貢献を否定はしない。また、地球温暖化を防止するCO2削減に貢献することも確かだ。カンボジアやモザンビークの山岳少数民族の村で、2年間近く、全く電気のない状況で生活し、平和構築活動を行った経験がある。電気のない生活が時に人間の尊厳を奪うこと、電気が通った地域では、人間の可能性を高まり得ることを実感してきた。与党の国会議員として、経済の血液であり、人道上の様々な恩恵をももたらす電気の存在はできる限り守るべきだと思う。しかし、全ての要求を完璧に満たすエネルギー政策は不可能であることを自覚せざるを得ない。

原発が巨大なリスクを抱え込んだ技術であり、私たちの命と健康に大きな悪影響を与える可能性を持った技術である以上、太陽光や風力、地熱発電などの再生可能エネルギーで原発による電力供給分を代替するために全力を注ぐべきだ。しかし、現状では多くのコストと時間が必要で、電力の安定供給という、我々が当たり前のように享受してきた恩恵も奪われてしまう可能性がある。それでも良いのか? どこまでは許容できるのか?リスクを明確に提示し、選択肢を複数示した上で、国民の意思を問う。そんな民主主義の在り方、民主主義の逆襲の機会を追求したいと思う。それは政治への信頼を取り戻すことにもつながるはずだ。