阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

衝撃のGDP速報値-党利党略で解散をしている場合ではない

2014年11月17日 22時26分34秒 | 政治

 今朝、7-9月GDPの速報値がマイナス1.6%と発表されました。市場予測を大幅に下回り、アベノミクスの失敗を明らかにする衝撃の数字。消費税引き上げの反動減となった4-6月期をさらに0.4%下回る惨状でした。名目の数値はさらに悪くマイナス3.0%です。

 「アベノミクスは金融緩和で株価を吊り上げ、バブルを作りだしただけ。和歌山にええことは何もないで!」悲鳴のような声を、地元を歩くたびに聞いていたので、実体経済がいいはずはないと思っていましたが、今日は「選挙なんかやってる場合ちゃうで!」と、怒りの声が渦巻きました。アベノミクスを誇る安倍総理の芝居がかった演説や説明も怒りに拍車をかけているようです。

 速報値では住宅投資はマイナス6.7%、設備投資はマイナス0.2%。GDPの6割を占める個人消費も0.4%増と伸び悩みました。公共事業だけは何と年率8.9%増ですが、膨大な税金を投入して下駄を履かせているというだけのことです。これがなければさらに深刻な落ち込みになっていました。

 それにしても、アベノミクスが成功しているように見せかけてきたメディア戦略は大したものですが、この数字は民主党政権時代よりもかなり悪い数字です。民主党政権時の成長率は、2010年度が3.4%、東日本大震災のあった2011年は0.3%。12月に政権交代を許した2012年は0.7%の成長でした。安倍政権は2013年度は2.2%でスタートしましたが、この調子だと、今年度はマイナス成長になることが確実です。

 最大の問題は、アベノミクスの第三の矢であったはずの規制改革をはじめとした成長戦略が、骨抜きにされてしまったことです。電力会社や建設業界、医療業界から票と献金を得ている自民党には本当の改革を断行する気概も覚悟もありませんから、私たちが警鐘を鳴らしていた通りになりました。

 さて、安倍総理は「消費税増税を延期することを問う」ことを大義に明日18日にも衆議院解散を表明しようとしています。この発想は有権者への軽蔑心が明らかです。「あめ玉をしゃぶらせれば喜ぶだろう」という発想と同じ。安倍総理は国民を舐め切っているとしか思えません。一方で、集団的自衛権や原発再稼働などの不人気政策は争点から隠そうとしていることも姑息です。

 一年で一番忙しい時期に700億円もの血税を使って解散総選挙をすることに対しては、すさまじい不信感が国民の中に芽生えているのを感じます。そんな声に応えるため、私たち野党がすべきは、まずは自公政権への批判票の受け皿になれるような連携です。

 「野党の準備が整う前に、今のうちに解散」という思惑にカウンターパンチを浴びせることが大切! 少なくとも、野党同士が潰し合う愚は絶対に繰り返してはなりません。この週末、民主党、維新の党の立候補候補者を対象にして世論調査の結果などをもとに選挙区調整が行われていますが、候補者一本化の努力をするのは当然です。これをスタート点として、この瞬間にもさらなる連携に向けた協議と調整が行われています。『保守・リベラルを超えた改革勢力の結集』は、維新の党のミッション・ステートメントであり、私自身が言い続けたことでもあります。和歌山においては、共産党を除く野党候補を一本化する連携を確かなものにすることができました。

 14日の本会議終了後、民主党、維新の党、みんなの党を中心に若手議員が約50人集結し、大同団結の実現を目指し徹底した努力を行うことを確認しましたが、この動きは各党の執行部ともつながっています。アベノミクスの失政をごまかすための解散戦略に疑問、怒りを感じる方々の受け皿になれるように、最大限の努力を続けます。


週末は報道各社から「横顔取材」を受けました。完全に解散総選挙の流れになっています。


アベノミクスの失敗で民主党政権より悪化した経済。前衆議院議員・村井宗明氏作成


解散総選挙の大義!? ぼうごなつこ氏のブログより