阪口直人の「心にかける橋」

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草の根民主主義のグローバルな連携を-香港200万人デモの衝撃

2019年06月20日 22時27分38秒 | 政治

『逃亡犯条例』改正案に対して200万人(主催者発表)の香港市民が反対の声をあげている。刑事事件の容疑者を中国本土に引き渡すことを可能にするこの条例は、香港返還時に中国が約束した高度な自治と一国二制度をないがしろにするものだ。

中国は国中に張り巡らせた監視カメラで、顔認証技術を使って国民を監視している。デモに参加するのは命懸けの行為でもあるが、その中で工夫を凝らし勇気ある行動を続ける香港市民には連帯の気持ちを伝えたいと思う。

香港のデモについては、台湾のひまわり学生運動、5年前の雨傘運動からの流れとして注目してきた。この条例は中国本土のみならず、台湾、香港におよぶ支配体制を作ろうとする試みだからだ。2014年3月、台湾と中国の経済自由化を促進するための『両岸サービス貿易協定』に反対する台湾のひまわり学生運動に参加した時は、市民と一体になってのモラルの高い運動に感銘を受けた。何より驚いたのは学生たちのモラルの高さ。人々に埋め尽くされた路上にはゴミ一つなく、あちこちで分別を呼び掛ける学生たちによって、路上はデモの前以上にきれいに清掃されていた。座り込みをしながらも一生懸命本を読む学生も多く、私がインタビューした学生の中には医学書を読む医大生のグループもいた。「台湾を救うためにここにいるのだ」との高揚感が伝わってきた。

https://blog.goo.ne.jp/xday0321/e/7036e99fc01e223c5793a2a34c8716ed(『若いハートが変える社会ー台湾のひまわり学生運動から改めて学ぶ』)

市民による草の根運動は国際的に相互に連携し、様々な学びを得てきた。人口約750万人の香港の人口のうち200万人が参加している事実は重い。アメリカやEUなどが懸念を表明する一方で、日本は沈黙を守ったままなのも情けない限りだ。

林鄭月娥行政長官は市民の理解が得られない限り改正作業を再開しないと表明したが撤回しない限り市民は納得しないだろう。しかし、行政長官自身には撤回も辞任もする権限もないのが現実だ。市民が実質的に中国の政治を動かす様子を見られるとすれば画期的なことだし、まさに草の根民主主義の勝利である。私たちも市民の力を信じ、草の根民主主義を掲げる世界各国の勢力とも連携し合って理想の社会を目指していきたい。

写真はJorge Silva/Reuters(最初の1枚)、South China Morning Post(2枚目、3枚目)から引用










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