博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『李小龍伝奇』その7(完)

2008年12月17日 | 武侠ドラマ
『李小龍伝奇』第44~最終50話まで鑑賞。

『唐山大兄』(『ドラゴン危機一発』)、『精武門』(『ドラゴン怒りの鉄拳』)と大ヒットを飛ばす小龍。ついで『猛龍過江』(『ドラゴンへの道』)では監督兼脚本兼主演としてイタリアロケを敢行。『龍争虎闘』(『燃えよドラゴン』)では念願のハリウッド進出を果たしますが、この頃から謎の頭痛や昏倒に悩まされるようになり、更に因縁の黄皮小子から再度決闘を求められ……

ということで長かった『李小龍伝奇』もいよいよ最終ラウンド。しかし『唐山大兄』・『精武門』の監督に対してあからさまに「俺の方がアクションを分かっている」と偉そうな態度を取ってブチ切られたり、緊急入院した病院から「もう治ったから」と脱走したりと、やってることは高校時代と変わりません(^^;)
 
これに対してライバルの黄皮小子は決闘に応じるまで小龍の自宅に夜中にイタ電をかけまくるなど、輪をかけてDQNな行動を取る始末。彼に関しては「粘着厨」という言葉がピッタリ来ますね。

このほか気になったポイントとしては、『唐山大兄』が大ヒットした直後にマスコミからカンフー映画スター「王宇」の作品についてどう思うかとインタビューされるシーンです。この「王宇」は明らかに王羽(ジミーウォング)をもじった名前で、当時王羽の映画を見た小龍が「これなら俺の方が凄い作品を撮れる」という感想をもらした逸話が残ってますが、ドラマの方では王羽が現在も存命なのに配慮してか、「王宇の作品は見たことがないからよくわからない」とインタビュアーに答えています。

最終話では小龍の口から『死亡遊戯』の次回作『細鳳』の構想が明かされますが、小龍が皇帝に刃向かう師兄と皇帝に仕える師弟、この対立する兄弟弟子を一人二役で演じるという、何とも面白そうな話なんであります。これがドラマのオリジナル設定なのか、当時本当にこういう構想が練られていたのかが気になるところなんですが……

【総括】

全50話を見終わって、ブルース・リーは今やすっかり中国の民族英雄になってしまっているんだなあと痛感。本作ではブルース・リーをアメリカでの華人の地位向上を志し、世界に中国武術「功夫」の存在を知らしめた人物として描き、更に「俺は中国人だっ!」「中国人は東亜病夫ではない!」というメッセージが要所要所で強調されていましたし。ただ、その割には小龍のDQN臭い態度や行動が目立っていましたが(^^;)
コメント (2)
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