博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『楊貴妃秘史』その1

2011年01月13日 | 中国歴史ドラマ
ほぼ黄秋生(アンソニー・ウォン)が玄宗皇帝をやっているというだけで興味を持って見始めてしまいました(^^;)



今回はこの『楊貴妃秘史』を第1~6話まで鑑賞。

後の楊貴妃こと玥児は元宮廷樂師の楊玄珪と、現役の梨園宮伎である楽奴との間に生まれますが、梨園の雑役李静忠が母の楽奴に横恋慕したことからこれまでの生活が急転。李静忠に手籠めにされた母は自尽し、同じく李静忠の密告により楊玄珪は官憲に追われる身となり、玥児とともに放浪生活へ。しかし楊玄珪は旅の途中で力尽きてしまい、たまたま出会った李白と楊(後の楊国忠)に玥児を託して息を引き取ります。一方の李静忠は、事情を知って激怒した李白に股間を刺され、宦官として生きるほかない状態に……

暮らしをともにするうちに李白を兄と慕うようになる玥児ですが、自分が旅にしか生きられない李白の足手まといとなることを恐れ、泣く泣く伯父の楊玄璬のもとに引き取られることを選択。楊玄璬の妻や3人の従姉妹たちは彼女を召し使いのように扱いますが、黙ってそれに耐える玥児。……何だかシンデレラみたいな展開になってきましたね(^^;) 玥児はこの伯父の家で玉環という名前を与えられます。

そして6年後。玉環は歌舞に秀でた美少女に育ちます。時に長安では玄宗の誕生日を記念して玄宗の十四男寿王の屋敷で祝宴が催されることになり、楊玄璬の一家も祝宴に招待されますが、玉環はお留守番。しかし街中で幼馴染みの謝阿蛮と駄弁っていたところ、身分を隠して街中をうろついていた玄宗に見初められ、綺麗な衣装をプレゼントされて寿王府の祝宴に出席できることに。うーん、ますますシンデレラな展開です。

喜び勇んで寿王府の舞台で踊りを披露する玉環と阿蛮。しかし踊りの衝撃で舞台が崩壊し、2人は行方不明に。実はこれ、玄宗が寿王ばかりをかわいがるのに嫉妬した皇太子が嫌がらせのために仕組んだことでありました。で、実際に寿王府に潜り込んで舞台に細工したのは、いつの間にか皇太子の配下となっていた李静忠です。

玄宗は事の次第を知ると真相の究明を命じ、舞台工事の責任者であった楊玄璬が逮捕されることに。崩壊した舞台の跡から李白に救い出された玉環は何とか養父の楊玄璬を助けようとしますが…… 一方、寿王はと言えば、祝宴で踊りを披露した玉環に一目惚れしてしまい、彼女が残した腕輪を手掛かりに彼女の捜索させます。すなわちこの腕輪がぴったり合う女性こそ捜し求める女性ということですが、どこまでシンデレラな展開にすれば気が済むのかと…… シンデレラ・ストーリーって、シンデレラの筋書きをそのまんまなぞることじゃないと思うのですが。

ということで今回のツッコミ所。

○玥児と楊が屋台で肉夹馍(中華風バーガー)を食べている場面が出て来ますが、肉夹馍は唐代に既に存在したのでしょうか。第二次大戦後にハンバーガーチェーンが中華圏に進出して来てから発明されたものなんじゃないかと思うのですが……

【追記】肉夹馍ですが、取り敢えず唐代はともかく戦前には存在していた模様。詳しくはコメント欄を参照のこと。

○李白の馴染みの妓女の名前が楚留香。……普通、有名作品の登場人物とかぶるようなネーミングは避けるもんじゃないかと(^^;)
コメント (2)
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