博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『はじめての漢籍』

2011年11月18日 | 中国学書籍
東京大学東洋文化研究所図書室編『はじめての漢籍』(汲古書院、2011年5月)

東大所属の研究者や漢籍に関わるスタッフの講演をまとめたものですが、やはり現場のスタッフの苦労話が読んでて一番面白いなと。『上海博物館蔵戦国楚竹書』や発掘報告の類を四部分類でどう分類したかとか(結論だけを言ってしまうと、それ専用の新しい項目を作ったとのことw)、OPACへのデータ入力にどのように対応したかという話とか。

あと当然のことかもしれませんが、東大所蔵の漢籍って、関東大震災でほとんど失われてしまって、今所蔵してる分はその後になって再び収拾したり、国内外から寄贈してもらったやつなんですね。現在の東大総合図書館の建物自体、震災直後にアメリカのロックフェラー財団の寄付によって建てられたものであるとのとこと。

しかしまあ本書の中で言われているように、書庫の中から目的の漢籍を捜し出すという行為自体がいい勉強というのは、ホントにその通りですよね。

コメント (5)
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