こちらで講義を受けていると意外な研究者が高い評価を受けていることに驚くことがありますが、李家浩先生もその1人。
『著名中年語言学家自選集 李家浩巻』(安徽教育出版社、2002年)
この本は1999年までに発表された同氏の主要論文「先秦文字中的『県』」などを収録。「李家浩の論文は内容も良いが文章も良い。中文で論文を書くのに参考にしなさい。」と薦められて読んでみましたが、確かに文章は他の研究者と比べて読みやすいような気がします。反対に大物の某先生は「内容は良いが文章は下手くそ」ということですが(^^;)
それと今年の初めに上海で李学勤の『走出疑古時代』の新訂版を発見したという話をしましたが、これ以外にもここ2年ほどでいくつか同氏の旧著が復刊していた模様。
『李学勤早期文集』(河北教育出版社、2008年)
「帝乙時代的非王卜辞」、「戦国題銘概述」など1950~60年代に発表された主要論文のほか、単行本として刊行された『殷代地理簡論』も収録されているのが嬉しいところ。ただ、陳夢家を政治的に追い詰める原因のひとつとなったとされる「評陳夢家『殷虚卜辞綜述』」まで収録されているのはどうかと思いますが……
『東周与秦代文明』(上海人民出版社、2007年)
元は英文版として企画されたものが1984年に中文版が出版され、日本でも『春秋戦国時代の歴史と文物』の題で五井直弘氏による訳本が出版されました。そして1991年になって末尾にその後の発見と研究の成果をまとめた章を付け加えて増訂版を刊行。今回出版されたのは更にその増訂版で、1990~2000年代にかけての新成果を補足してあります。
『著名中年語言学家自選集 李家浩巻』(安徽教育出版社、2002年)
この本は1999年までに発表された同氏の主要論文「先秦文字中的『県』」などを収録。「李家浩の論文は内容も良いが文章も良い。中文で論文を書くのに参考にしなさい。」と薦められて読んでみましたが、確かに文章は他の研究者と比べて読みやすいような気がします。反対に大物の某先生は「内容は良いが文章は下手くそ」ということですが(^^;)
それと今年の初めに上海で李学勤の『走出疑古時代』の新訂版を発見したという話をしましたが、これ以外にもここ2年ほどでいくつか同氏の旧著が復刊していた模様。
『李学勤早期文集』(河北教育出版社、2008年)
「帝乙時代的非王卜辞」、「戦国題銘概述」など1950~60年代に発表された主要論文のほか、単行本として刊行された『殷代地理簡論』も収録されているのが嬉しいところ。ただ、陳夢家を政治的に追い詰める原因のひとつとなったとされる「評陳夢家『殷虚卜辞綜述』」まで収録されているのはどうかと思いますが……
『東周与秦代文明』(上海人民出版社、2007年)
元は英文版として企画されたものが1984年に中文版が出版され、日本でも『春秋戦国時代の歴史と文物』の題で五井直弘氏による訳本が出版されました。そして1991年になって末尾にその後の発見と研究の成果をまとめた章を付け加えて増訂版を刊行。今回出版されたのは更にその増訂版で、1990~2000年代にかけての新成果を補足してあります。
「還」=「縣」の人ですね。
最近、『春秋時代の領域支配―邑の支配をめぐって―』(土口史記、『史学雑誌』第六十五巻 第四号)という論文を読んだので、ピンときました^^;
「縣」の研究はこの時代でもかなり盛んですねー。そろそろH先生に新説を披露していただきたいところです(笑)
コメント欄汚し、申し訳ありませんでした。
1984版はとてもコンパクトで読みやすい本だったので表紙がとれるまで愛読し、今は表紙を付け替えて修理した本を書架においてます。
松井先生も昔このテーマで論文を書いてましたね。
ところでH先生、『史学雑誌』と言えば、そろそろ『回顧と展望』が出る頃合いですね。殷・周・春秋史の部は毎年2chで祭りのネタにされてますが、今年はどんな具合になってるのやら(^^;)
>山科さま
新版の後書きによると、そもそも『商代文明』が売れたことに気をよくした張光直が「中国早期文明叢書」というシリーズを立ち上げ、許倬雲に『西周文明』、王仲殊に『漢代文明』、そして李学勤に本書『東周与秦代文明』の著作を依頼。李学勤が中文版を書き上げた後、張光直が英文に翻訳して1985年にイェール大学出版社から英文版が刊行されたとのことです。翻訳の時間の関係で英文版の出版の方が後になっちゃったようですが。