細川重男『頼朝の武士団 将軍・御家人たちと本拠地・鎌倉』(洋泉社歴史新書y、2012年8月)
『北条氏と鎌倉幕府』・『鎌倉幕府の滅亡』の細川重男氏の新著。今回は両作で触れられていなかった鎌倉幕府の草創期について論じています。そして『北条氏と鎌倉幕府』ではネタを重視、『鎌倉幕府の滅亡』では論考を重視していましたが、今回は『北条氏と鎌倉幕府』と同じくネタに走っています。つまり鎌倉武士=DQNということで全体を突き通しているわけですね。
本書では鎌倉の頼朝邸すなわち幕府が事実上御家人たちの溜まり場となっており、日夜宴会や双六で盛り上がっていたとありますが、要するに私が学生の時分に入り浸った××君ちみたいな空間ということですね。わかりますw このあたりの話を読んでると、鎌倉武士の生活がとても楽しそうに見えてきて困ります(^^;)
とは言っても殺しが日常生活の延長線上にあり、北条一門の重鎮北条重時が息子の長時に家訓として「時トシテ何ニ腹立事アリトモ、人ヲ殺害スベカラズ」(腹が立ったぐらいで人を殺しちゃダメよ(はあと))と言い残すような時代ですから、その溜まり場で御家人の粛清劇が繰り広げられたり、酒の場でのちょっとしたいさかいが凄惨な殺し合いに発展したりするわけですけどね…… このあたり、著者の言う「残虐とほのぼのが共存する時代」という表現がとてもしっくりきます。
以前元木泰雄の『河内源氏』を読んだ時に、「嫡流だから偉いのではなく、偉いから嫡流なのだ」という感想を抱いたものですが、本書によると、そもそも当時源氏の嫡流なんて存在しなかったとのこと。まあ、頼朝が偉かったから後の時代にその系統が嫡流と見なされるようになったと考えれば、同じことなのかもしれませんけど。
『北条氏と鎌倉幕府』・『鎌倉幕府の滅亡』の細川重男氏の新著。今回は両作で触れられていなかった鎌倉幕府の草創期について論じています。そして『北条氏と鎌倉幕府』ではネタを重視、『鎌倉幕府の滅亡』では論考を重視していましたが、今回は『北条氏と鎌倉幕府』と同じくネタに走っています。つまり鎌倉武士=DQNということで全体を突き通しているわけですね。
本書では鎌倉の頼朝邸すなわち幕府が事実上御家人たちの溜まり場となっており、日夜宴会や双六で盛り上がっていたとありますが、要するに私が学生の時分に入り浸った××君ちみたいな空間ということですね。わかりますw このあたりの話を読んでると、鎌倉武士の生活がとても楽しそうに見えてきて困ります(^^;)
とは言っても殺しが日常生活の延長線上にあり、北条一門の重鎮北条重時が息子の長時に家訓として「時トシテ何ニ腹立事アリトモ、人ヲ殺害スベカラズ」(腹が立ったぐらいで人を殺しちゃダメよ(はあと))と言い残すような時代ですから、その溜まり場で御家人の粛清劇が繰り広げられたり、酒の場でのちょっとしたいさかいが凄惨な殺し合いに発展したりするわけですけどね…… このあたり、著者の言う「残虐とほのぼのが共存する時代」という表現がとてもしっくりきます。
以前元木泰雄の『河内源氏』を読んだ時に、「嫡流だから偉いのではなく、偉いから嫡流なのだ」という感想を抱いたものですが、本書によると、そもそも当時源氏の嫡流なんて存在しなかったとのこと。まあ、頼朝が偉かったから後の時代にその系統が嫡流と見なされるようになったと考えれば、同じことなのかもしれませんけど。
司馬遼太郎が、鎌倉幕府を解説します。
日本史が、中国や朝鮮の歴史と 全く異なった歴史をたどりはじめるのは、鎌倉幕府の時代だと申します。
素朴なリアリズムをよりどころにする「百姓の政権」が誕生してからです。彫刻などにも影響を与えました。