yabanjin-soulのTシャツ魂

ロック魂を手描きで表現するyabanjin-soulのたわごと・ひとりごと

映画「潜水服は蝶の夢を見る」

2020年03月17日 | 映画

「永遠の門 ゴッホの見た未来」という映画を見たくてジュリアン・シュナーベル監督のインタビューを読んだところ、

この『「潜水服は蝶の夢を見る」の答えを具現化したものだ』という一節が出てきたので、

まずは観てみる事にした。

 

いや、ホント実話をもとにしたということも相まってメチャクチャずっしりと重たい映画だった。

でもなんだかすごく「希望」を感じる映画だった。

「生きることとは何か?」

「死ぬとはどういうことか?」を目の前に突きつけられた感じ。

そして、

体が全く動かなくても「精一杯生きることはできるんだ」というメッセージ。

人生では何が起こるかなんて一寸先は闇。

でもどんな状況でもその状況の中で精いっぱい生きることこそが大切なんだよ、ということを強く思わせてくれる映画。

それがこの「潜水服は蝶の夢を見る」だった。

最後まで全く目が離せなかった。

気持ちが落ち込んでる人や先行きが全く見えなくなってる人にお勧めします。

 

 

日本版予告編

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『パラサイト 半地下の家族』ネタバレあり

2020年03月01日 | 映画

今回はどうしても言いたいことがあるのでネタバレあります。
ネタバレがイヤな人はご退出ください。


貧しい一家の“計画”とは…!?『パラサイト 半地下の家族』90秒予告

 

 

 

今回は大学生の息子に誘われ映画館で鑑賞した。

アカデミー賞主要4部門を獲得したし、

面白いのは確実だと思ってたのでちょうどいい機会だし一緒に観た。

以降はネタバレがあるのでこれ以上読むのはお気をつけを。

まあ、ホントにね、

一部の隙も無い感じでお話が進んでいくし、

ちょっと中だるみはあるにせよ、

まあ許せる範囲でもあった。

ラストは涙もこぼれそうな展開だったから絶賛の嵐も当然だろうとは思う。

 

まずは息子との感想を交わした時の話で息子がまず切り出したのは、

「死人を出さなくても良かったんじゃないか?」というもの。

最初はピンと来なかったけど

「嵐の中、豪邸から脱出した後、半地下の家が水浸しになって住めなくなって体育館にゴロ寝しているところがエンディングでも良かったんじゃないか」という話を聞いて「なるほどな~」と。

たしかにあそこは見つかるんじゃないかとひやひやしながらの脱出劇だったし、

その後、トイレの汚水が逆流してくる中、

唯一の「居場所」である半地下の家が住めなくなるという異常事態になった反面、

豪邸のお金持ちは「雨のおかげでPM2.5がすっかり洗い流されて清々しいわ~」なんて言ってる対比が「格差社会」を皮肉ってるので、

ここで「映画としてのメッセージ」は十分伝わってるしね。

それでも「半地下」の家族たちからは

「計画なんて無い方がいいんだ、人生には」という前向きでタフなセリフが出てきて、

ホント、こういうセリフはなかなか金持ちからは出てこないだろうと思うし、

確かにクライマックスでも良かった。

 

 

 

本編では、

結局、どの家族も不幸になって終わるという、

ま~言ってみれば、

「胸糞悪いエンディング」を迎えるわけなんだけど、

そういうエンディングじゃなく、

どの家族もまあまあそれなりのところに落ち着いて、

それぞれがまたそれぞれらしく生きていくという方が良かった気がしたな。

個人的な好みで言うと、

ハッキリ言って前半の「コメディータッチであり社会的メッセージもある」描き方の方がスッキリとして後味もよく、

何度でも見ようかという気になる。

本編の映画の展開だと、

ラストは大きなため息が出るくらい深~い感動はあるけれど、

余りにも救いが無くて何度も見ようという気がしなくなるんだよね。

ホントに惜しい映画。

こういう社会的メッセージでエンタメも含むような映画なら

この前ご紹介したタランティーノ作品の「ヘイトフルエイト」の方が断然すぐれた作品だと思う。

こっちの方が後味は悪くないし、

何度でも見ようと思うからね。

 

 

 

ちょっと辛口だけど、

個人的な感想ですので、

こういう私の意見に関係なく実際に見てみる事をお薦めします。

やっぱりカンヌと米国アカデミーを二つ取った作品というのは相当完成されてるし、

飽きずに最後まで魅せてくれるし、

エンタメとしてもレベルは相当高いとはホントに思うから。

是非劇場でご覧になってくださいな。

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映画「ヘイトフル・エイト」

2020年02月24日 | 映画

ヘイトフル・エイト 本予告

今週末、子どもが筑波から帰ってきて「この映画が面白かったからお薦めだよ」というのでレンタルして一緒に観た。

彼は今、大学1年生で提出課題をこなすのに忙しくしてる合間を縫っていろいろと映画を見たりしてるらしい。

まずは配給会社のレビューをどうぞ


本年度アカデミー賞3部門ノミネート!
タランティーノ最高傑作は【密室】ミステリー!
クセもの8人、全員ウソつき。生き残るのは誰だ!

*  *  *

うん、まずはこの売り文句がくせ者でさ。

この売り文句のせいで見る気がしなかったんだよね。

メチャクチャつまんなそうなんだもん。

タランティーノの作品すべて網羅したいと思ってる人なら「新しいジャンルに挑戦した作品を観てみたい」と思うかもしれないけど、

「密室殺人ミステリー」だの「全員悪者」なんていう今や使い古されてるようなジャンルはさ、

結局観客を騙しにかかるようなトリックを使うだけになってしまってるし、

「全員悪者」で山小屋で誰が生き残るのか?なんていうのも「レザボアドッグス」でもう手をつけちゃってるじゃんとも思ったし、

まあ、とにかく、

タランティーノの映画は余裕で3時間を超える映画だから、

つまらないとホントにぐったり来ちゃうんだよね。

そういうのを「キルビル」で食らってからは相当用心するようになってしまった(笑)

 

*  *  *

んで、この映画。

最初に正直な感想を言うと、

「ホントにめっちゃ面白かった!もしかしたらタランティーノ作品の中で一番好きかも」というもの。

ハッキリ言って、この映画は「密室ミステリー」でも「全員悪者、誰が生き残るか」でもなかった。

タイトルに「ヘイトフル」がついてるけど、

これは「偏見」や「差別」を意味していて、

そういうクソみたいな「偏見や差別」に対して「こんなクソみたいなことはもういい加減やめて新しく一歩踏み出そうよ」というタランティーノのメッセージが込められた映画だった。

少なくともそう感じた。

だからエンディングで思わず涙がこぼれそうになったよ。(実際には踏みとどまったけど(笑)

久々に「タランティーノはやっぱり才能があるわ~」と思わせられた映画だったね。

 

*  *  *

 

グロいシーンや血しぶきが飛び散るシーンなんかは、まあいつものタランティーノ作品のお約束でもあるし、

そうじゃなきゃ彼も映画を撮らないだろうからあれはあれでアリだと思うし、

汚い言葉のオンパレードもこれはこれでありだと思った。

なんでそう思うのかも今回の映画でよくわかったんだけど、

出てくるキャラがホントにそれぞれ欠点だらけでどうしようもない連中なんだけど、

なんか心の底からは憎めないキャラなんだよね。

どちらかというと魅力的に感じてしまう。

なんかどこかにいるような気がするバカもの達という感じなんだよね。

だから長い映画でも結構すんなりと飽きずに見てられる。

今回も3時間なんてあっという間だったな。

*  *  *

密室ミステリーを期待しちゃうとたぶん「なにこれ?」となると思うし、

「全員悪者」を期待すると「んなことないじゃん」と思うと思う。

こういう中身とちょっとずれてる売り文句はやめた方がいいと思うんだけどね。

映画の中のセリフに印象的なものがあった。

「犯罪者に対して『正義』をふるっていいのは法で裁くことだけ。私的な復讐は本当の正義じゃない。それは偏見に満ちた単なる復習に過ぎない。吊るすか撃ち殺すかして殺すのは変わりがないが、『正義の行使』と言えるのは「法に則って裁くことだけ」なんだ」

つまり、誰かの偏見による裁きじゃなく「法律に則った客観的な裁き」こそが正義なんだという「法治国家」がいいと言ってるんだよね。

そういうところにも共感を覚えたね。

危うい社会情勢も見据えてそういうメッセージが込められた映画なんだけど、

そこがタランティーノの凄いところなんだけど全く説教臭くない(笑)。

タランティーノの映画はそういうところが魅力だったりするからね。

タランティーノがちょっとでも気になる人は是非とも一度は見てほしい映画。

彼自身も「自分の映画の中で最高傑作だ」と言ってるしね。

是非、お勧めします。

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映画『ボヘミアン・ラプソディ』

2019年11月02日 | 映画

映画『ボヘミアン・ラプソディ』

 

遅まきながら、ようやく映画「ボヘミアンラプソディ」を観た。

いや、ホントにね、

この映画は、ラストの「ライブエイド」の演奏を見て感動するために作られた映画と言っても過言ではないよ。

皆さんはもう知ってるだろうけど、

一応配給会社の宣伝文句を添付しときます。

常識を打ち破るフレディ・マーキュリーの生き様と 伝説のバンド<クイーン>の32曲 で贈るミュージック・エンタテインメント!
彼らの音楽を唯一超える、
<彼>の物語が今、明かされるー。

*  *  *


人間誰しも一度は「生まれてこなければ良かった」と思う時があると思う。

それがどんな理由からでもね。

だから、「ボヘミアンラプソディ」の歌はそれだけでも感動するんだけど、

フレディ・マーキュリーのストーリーを知った後にこの歌を聞くと

それだけで胸が締め付けられる。

だから、ラストの「ライブエイド」ではボロボロ涙があふれてくる。

ライブエイドでは「ボヘミアンラプソディ」「レディオガガ」「ハンマートゥフォール」「ウイアーザチャンピオン」の4曲が演奏されるんだけど、

その4曲の歌詞が全てフレディの思いにつながってホントに涙なくしては観れない。

最初は「この役者さんはフレディに全く似てないな~」と思ったんだけど

最後は全く気にならなくなってた。

それくらい上出来な映画だった。

本当のクイーン好きな人からは「イマイチだった」という感想を聞いてたけど

それはきっとクイーンへの思い入れが深かったからだろうと思う。

普通に「知ってるよ~ヒットした曲なら」ぐらいな人だったら

きっとものすごく感動すると思う。

続けざまに2回見ちゃったもんね。

良い映画は何度見ても面白い。

ほとんどの人が見てると思うけど

また観ることをおススメします。

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映画『イヴ・サンローラン』

2019年09月24日 | 映画

映画『イヴ・サンローラン』予告編

 

今週はこれをレンタル。

彼を愛し、彼が死ぬまで支え続け、

「キミは生涯のボクの男だ」とイヴ・サンローランに言わしめたピエール・ベルジュの目線からイヴ・サンローランを描いた映画。

まずは配給会社のレビューをどうぞ。

ココ・シャネルやクリスチャン・ディオールと並び称されるフランスのファッションデザイナー、イヴ・サンローランの伝記ドラマ。若くしてファッション界の寵児(ちょうじ)として活躍する裏で、孤独と重圧に押しつぶされそうになっていた彼の素顔に迫っていく。メガホンを取るのは、『パリ、ただよう花』などに出演した俳優のジャリル・レスペール。『キリマンジャロの雪』などのピエール・ニネが、繊細で複雑なイヴの内面を見事に体現する。次々と現れては画面を彩る、ピエール・ベルジュ-イヴ・サンローラン財団所有の貴重な衣装も大きな見どころ。

 

*  *  *

こういう有名人の伝記物を見るたびに思うんだけど、

その成功が決して幸福を招くわけじゃないんだよね。

元にあるコンプレックスを原動力に成功まで昇り詰めるんだけど、

結局、そのトラウマは癒されず、

成功することで様々なトラブルも抱え込むことになってしまう。

イヴ・サンローランも例外じゃないってこと。

彼のトラウマは「同性愛者であること」と「それを母親から受け入れてもらえなかった」という傷つきによるもの。

これって、

クイーンのフレディ・マーキュリーに通じるものがあるよね。

もしかしたら、

成功なんてせずにひっそりと愛する人と暮らせればそれが一番幸せだったんじゃないか、とも思う。

若くして成功したばかりに、彼の周囲にはいろんな人が集まってくるから

そういう人たちが信頼に足る人なのかどうかどうしても疑心暗鬼になってしまう。

それが「お試し行動」につながり、無謀な生きざまになっていくんじゃないだろうか?

ホント、「人生万事塞翁が馬」ということ。

こういうお話はいろいろ考えさせてくれるから

ヘタな作り話なんかよりも断然面白い。

実話物が好きな人には是非お勧めします。

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