
各地の平地や山地に生える、雌雄異株の落葉高木。葉は互生し、奇数羽状複葉。小葉は4~7対あり、縁には鈍い鋸歯があります。
5~6月、葉のわきから花柄を出し、小さな花をたくさんつけますが、あまり目立つものではありません。秋も深まるときれいに黄葉するので、少しは存在感があるでしょうか。
名前の通り、全体に苦味成分がありますが、特に樹皮や材は苦味が強いです。
試しに私も樹皮を少し削って舐めてみましたが、とても苦かったです。
材が加工しやすいため細工物の材料に使用されるそうですが、汁椀などの食器には、苦味が出るので使用できず、その使用範囲は狭いそうです。
この苦味成分を「クアッシン(カッシン)」といい、苦味健胃薬として用いますが、昔は煎じた汁で衣服を洗い、コロモジラミを防いだり、ケジラミの除去にも用いられたそうです。
なんともストレートなネーミングですが、身近な薬用植物ですね。
11月中旬 横浜市内にて

