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ヌルデ[白膠木](ウルシ科)
林縁に生えるヌルデに、虫こぶが付いていました。虫瘤(チュウエイ)、gall(ゴール)とも呼ばれます。この虫こぶはヌルデノミミフシといい、ヌルデシロアブラムシが寄生し出来たものです。
生薬名を「五倍子(ゴバイシ)」といいます。秋に虫がまだ中にいるうちに採取して、熱湯で煮てから乾燥して用います。
タンニンを多く含み、タンニン資源としてインクや皮革のなめし等に用いられてきました。明治時代以前までは、お歯黒の原料としても用いられてきました。
ヌルデの果実は核果で、小さく丸い形をしていて、たくさんぶら下がって付きます。果実の表面は、リンゴ酸カルシウムを主成分とした白い粉状のものが付きます。この白い粉を塩の代用として使用していた地域もあるそうです。
今では用いられることも無いと思いますが、身近にある有用な植物なのですね。
10月中旬 横浜市内にて