自然を尋ねる人

自然の素晴らしさ、豊かさ、人と自然の係わり合いを求めて!自然から私たちにくれる贈り物を見つけるために今日も歩く。

また旅

2011-08-20 21:22:49 | Weblog
旧暦7月20日頃、普通の年なら夏の中でも一番暑い時期だが
今年は少し違い、秋雨前線が本州の上を行ったり来たりしている。
そのためくもり時々晴れであったが雨は降らなかった。
が昨日は雨が降った。
鳴く声がめっきり減ったクマゼミの羽が雨に濡れる。



侘び寂びの世界にいる人は風流を楽しむだろう。
「我と来て遊べや濡れたクマゼミよ」駄作
文句の一つもつけたいが季語が入っているから我慢する。

昨日、北海道のまたたび友がまたたびを送ってくれた。



郵パックと言う、うまく使えば最高に便利な通信がある。
北海道から広島県福山市の片田舎に1日で着く、つまり速達便。
又この袋に詰めれるだけ詰めても料金は変わらない500円。
送っていただいたまたたびを使ってまたたび酒をつくるのがここ数年の8月の行事だ。
またたび酒のつくる工程をのせる。
またたびの蔕(へた)の部分をとる。
蔕をとるのに上手下手は無い。簡単に手でとれる。



開花前に子房にまたたびアブラムシが産卵すると異常発育をして虫こぶ状の実がなる。
今年はこの異物の虫こぶが1%ほどしかない。
この実を漢方では木天寥と言い重宝する。
ちなみに薬効は疲労回復、強壮、強心、冷え性、神経痛、腰痛に効くと言う。
特にまたたび酒は江戸時代から疲労回復の薬として使われている。
旅に疲れて宿までたどり着いた旅人が濁酒またたび酒を飲んで寝ると翌朝昨日がうそのように
最高に健康状態になり旅だった。つまりまたたびが出来た。
ここからまたたびと名前がついたと言う人が多い。
私が主宰する薬草教室でもう何年もこのテーマを実践しているが
毎年またたびの量を増やしてお酒を作る人は増えている。多分効能を感じているからだと思う。

またたびは虫がいると困るから熱湯をくぐらせて虫を殺す。
熱湯をくぐらせずこの工程をムシする人もいる。
虫はどうせ死ぬから無視してもよいと言うことらしい。


熱湯をくぐらせる

冷水を通す


冷ました実は天日で干し



35度のホワイトリカーにつける。
その際砂糖を1.8㍑あたり300gから500g入れてまたたびエキスをお酒に溶けださす。
砂糖の量は出来るだけ少な目が良い。
甘すぎをなおすより後から砂糖を追加して甘みを足す方が楽だから。



またたび、砂糖、ホワイトリカーを瓶に入れる。





今回は原価を下げるためにホワイトリカーは2流メーカー1.8㍑1000円以下、
砂糖は1kg180円程度の物を使用した。
ホワイトリカーの代わりにブランデー35度、砂糖は氷砂糖等を使えば味が良いと本には書いてあるが!
今回は安さで旅を買うことにする。


昨年浸けこんだもの
十分飲める


ネコ好きな方はご存じだと思うがまたたびはネコの万能薬でもある。
ちなみにまたたびをネコに与えるとよだれを垂らして、でれーっとなるほど陶酔する。
人間にとってはまたたびに出れるうれしい薬である。