棟方志功のおなじみの作品を市内で見た 博物館の特別展
二菩薩釈迦十大弟子 女人観世音板画 初期の作品大和し美しなど
この日は日本民藝館運営委員で学芸員の石井頼子さんのお話しも聞けた
棟方はオモダカの花から美を発見し 常に「自分は世界一になる」と口にしていた
四季の花が1枚の画の中に入っている作品もある 見たいものしか見えない目だった
花の絵を描くのではなく 胸中花といって絵の花を描いているのだという
柳宗悦に会う前 会ってから宗悦が亡くなってからの3段階に分けて絵の違いを話された
スルガ銀行の依頼で東海道を描く仕事では大井川や 大井神社も取材に訪れている
その東海道の板画では広重を意識し またスポンサーも意識した画も描いている
それらの画は パワーポイントを使い広重の画と比べて見せてもらった
新しいものが好きでテトラポットや 高速道路 ビニールハウスなども描く
日本の真実を油絵で成し遂げた無類の人と認め萬鉄五郎を敬愛していた
入口に展示してあるケースの中の書籍を見ていたら ちょうど石井さんが見えられた
版画の文字と画は別に摺っていないかと伺った 1枚の版木だと思いますとのことだった
板に直に画を描き掘っていたのなら文字は裏字を書いたのかとも伺った
裏字の時もあるが紙に書き貼っていたといわれた
画に色を塗ったり裏から沁みこませたり 何でもありの版画家だったようだ
棟方独自の言葉もある 版画は板画 作は柵 仕事は仕業 芸術は芸業 など
棟方志功は 無心の繰り返しの中で生まれるものに宿る美を慈しむ
一瞬なりとも留まることのない無常の世界を歩み続け 着けた足跡はすぐに消える
「花深処無行跡」(はなふかきところぎょうせきなし)この言葉をわが想いとした
お酒は飲まず チーズケーキを好んだ 孫にもパパと呼ばせていた
など棟方志功の意外な一面を垣間見ることができた
ちなみに写真の石井さんは棟方志功の孫にあたる(長女の子)