季節にあわせた過ごし方
ぜひ、
覚えて実感してほしいな
と思います。
二十四節気に
一緒に気功をして
養生を確認するのも
そういう思いがあるからです。
以前もご紹介した
二十四節気導引術について
津村さんの記事をご紹介します。
古典導引研究として載せてくれたものです。
ーーー
古典導引研究2
二十四節気坐功
陳希夷
1 立春正月節坐功
23-3時、あぐらに坐って両手を重ね、左大腿を押さえ、腕を突っ張りながら体をそらし、右後方を仰ぎ見る。この時に息を吸い閉気する。左右を換えて3から5回繰り返す。
次に歯をかみ合わせて、口中にたまった唾液を三回に分けて呑み、濁気を吐き精気を吸う。〔この部分は全部の動作に繰り返される〕
肩背痛、腕肘痛を治す。〔宋「風寒の邪が引き起こす頭頂痛、耳後痛、肩痛、背痛、肘腕痛」〕
2 雨水正月中坐功
23-3時、あぐらに坐って両手を重ね左ひざを押さえ、腕を突っ張りながら上体も首も右後方にまわす。〔宋乃光『伝統運動療法』では、立春の功法は「大腿に手を置く」雨水のは「小腿(すね)に手を置く」と区別がある。広瀬本では二つの動作はまったく同じである〕この時に息を吸い閉気する。左右を入れ替えて3から5回繰り返す。
喉の痺れ、頬の痛みを治す。〔宋「三焦を宣導し、郁結を開通する。三焦経絡に毒がたまって喉が痺れるとき、耳がつんぼで頬が痛い、目が痛いなど」〕
3 啓蟄二月節坐功
1時から5時。胡坐に坐って、両手の親指を中に入れて拳を握る。左に首をまわすと同時に両肘を後ろに強く引く。目は後方を見る。この時に息を吸い閉気する。左右交互に5、6回繰り返す。
腰、腕痛を治す。〔宋「疎通経脈、肺胃経の病変、目が黄色く口が乾く、喉が痺れて顔にできものができている、鼻がふさがる、など」〕
4 春分二月中坐功
あぐらに坐って両手を前方水平にうんと伸ばし頭を強く左にまわす。この時に息を吸い閉気する。左右交互に6、7回繰り返す。
胸、肩、背の虚労を治す。〔宋「陽明経を通す、気の通りをよくする、邪熱をとる、陽気清明。熱が陽明に入るのを治療する、さまざまな炎症、歯痛、首の晴れ、耳が聞こえない、耳鳴り、肩背疼痛、皮膚が厚くなって痒いなど」〕
5 清明三月節坐功
あぐらに坐って腰を伸ばし、両手を水平に上げ、硬弓を引くように左右に引く。息を吸い閉気する。左右交互に7、8回繰り返す。
腰、背の滞りを防ぐ。〔宋「腰腎と腸胃の積滞、耳前の発熱、耳が聞こえない、悪寒、喉の痛み、首肩腕腰の疼痛〕
6 穀雨三月中坐功
あぐらに坐って腰を伸ばし、両手を上げ掌を上に向ける。それから片手を下ろしてわきの下を引いて下ろす。この時に息を吸い閉気する。左右交互に5、7回繰り返す。
脾、胃の滞りを除く。
〔宋「脾胃の失調、経絡のつかえ。症としては目が黄色い、鼻がつまる、頬のできもの、うなじのできもの、肘腕の外側後ろ側が腫れて痛い、尻が痛い、掌に熱がある」〕
7 立夏四月節坐功
足を伸ばして坐り、息を整え、目を閉じる。両手指を組み、片ひざを抱いて胸にひきつける。この時に息を吸い閉気する。左右交互に5から7回繰り返す。
肩、ひじのひきつりを除く。
〔宋「開通心絡、疎風泄熱。腕肘の痛み、腋の腫れ物、手心の熱、笑って止まらないなど」〕
8 小満四月中坐功
あぐらに坐って域を整える。一手を高く上に挙げ天を押す。一手は下にたらして床〔または膝〕を押す。この時に息を吸い閉気する。左右交互に3から5回繰り返す。
肺、胸、脇のとどこおりを除く。
〔宋「調暢気血、邪毒を出す。肺の邪毒の治療、胸肋が苦しい、心悸心煩、顔や鼻が赤い、眼が黄色く掌に熱が有る、など」〕
9 芒種五月節坐功
立って、体をそらせて天を仰ぐ。両手は上に高く挙げ、掌を天に向ける。左手、右手を交互に押し上げる。この時に息を吸って閉気する。5から7回繰り返す。
腰、背、虚労を治す。
〔宋「腰背に気がたまっている。虚労で喉が渇いている、心痛で飲みたがる、目が黄色く腋に痛みがある、驚きやすく、忘れやすい、上はせきをしたり吐いたりし、下は気がもれる、からだが熱っぼい、心が悲しむ、顔が赤い」〕
10 夏至五月中坐功
両手を組み片足をその中に入れて押し合う。この時に息を吸い閉気する。左右交互に5から7回繰り返す。
腕・膝痛を治す。
〔宋「風湿病、手首や膝が痛い、腕の痛み、腰背痛い、掌中熱、体重が重い。〕
11 小暑六月節坐功
一方の足をまっすぐ伸ばし、他方は尻の下に敷く。両手をうしろにつけ、足をまっすぐにして尻を浮かす。左右交互に3から5回繰り返す。
肺疾、腿・膝・腰の風湿を治す。
〔宋「脚膝腰の風湿、肺が腫れる、喘息、喉の渇き、欠盆の中が痛い、臍右小腹が張って痛む、痙攣、からだが重い、半身不随、健忘、脱肛、手首が無力,喜怒不常〕
12 大暑六月中坐功
あぐらに坐って両手の拳を前の床について、首を後ろにまわして顧みる。目は肩越しにしっかりにらむ。この時に息を吸い閉気する。左右交互に3から5回繰り返す。
頭、うなじ、胸、背の風毒を除く。
〔宋「頭うなじ胸背の風毒、せき、喘息、胸が満ちて煩悶する、肩背痛い、掌に熱があり汗が出る、悪寒発熱、皮膚が痛い、小便がたびたび出る,健忘、悲しんで泣く、など」〕
13 立秋七月節坐功
あぐらに坐り、両手を床につけ、体を縮め頭を下げ、上体をそびやかす。息を吸い閉気する。7、8回繰り返す。
腰腎の積気、心脇痛を除く。
〔宋「補虚益損、腰腎の積気を除く。口が苦いのを治療する、心肋痛、頭痛、瞼が痛い、欠盆がいたい、わきの下の腫れ物、など」〕
14 処暑七月中坐功
あぐらに坐り、両手を掌のまま頭の両側に挙げ、首を左右に大きくまわす。両手を後ろに返して拳で背中を叩く。このときに息を吸い閉気する。7、8回繰り返す。
肩背痛、胸背痛を除く。
〔宋「風湿留滞、肩背中が痛い、胸の痛み、脊椎の痛み関節が痛い、咳など」〕
15 白露八月節坐功
あぐらに坐り、両手を膝におき、頭を大きく回転させる。左右交互に3から5回繰り返す。腰、背の滞りを除く。
〔宋「風気留滞を除く。腰背の悪寒を治療する。喉の麻痺、首の腫れ、唇のできもの、高いところにぼったり歌ったりという狂態、期の声を聞いて驚く」〕
16 秋分八月中坐功
あぐらに坐って、両手で両耳をおおい、左右に体を大きく傾ける。この時に息を吸い閉気する。3から5回繰り返す。
脇、肋骨、腰の滞りを除く。
〔宋「風湿積滞、腋肋腰股脚か痛い、腹張、胃が冷えている」〕
17 寒露九月節坐功
胡坐に坐り両腕を高く挙げ、上体を躍らせるようにする。この時に息を吸い閉気する。3から5回繰り返す。
脇の寒湿邪気を除く。
〔宋「風寒湿邪を除く。頭頂脊椎腰腋の疼痛、目が黄色い、精神病」〕
18 霜降九月中坐功
両足を伸ばして両手で足先をつかむ。両足に力を入れて伸ばしたりゆるめたり5から7回繰り返す。力を入れたときに吸って閉気する。
腰、脚、腿の風湿痺を除く。
〔宋「風湿痺症を除く。うなじ、背、腰、尻、股などり疼痛、腹痛、小便が出ない、脚気」など〕
19 立冬十月節坐功
あぐらに坐って両手を水平に左右に上げ、押し広げるようにする。頭と首を左右にまわし後ろを見る。この時に息を吸い閉気する。3から5回繰り返す。
胸、脇の滞りを除く。
〔宋「胸腋の積滞を除く。虚労邪毒、胸満、脇腹疼痛、食滞、耳が聞こえない、目が赤くなり腫れる、など」〕
20 小雪十月中坐功
あぐらに坐って左手で膝を押し、右手で肘を後ろに引く。左右の手に力を入れる。この時に息を吸い閉気する。3から5回繰り返す。
肘の風湿を除く。
〔宋「風湿熱毒を除く。筋肉の萎縮痙攣、胸が苦しい、喘息、女性のおなかの腫れなど」〕
21 大雪十一月節坐功
脚をそろえて立ち、両手は水平に横に開いて、力を入れて外側に押す。片方の膝を引き上げる。この時に息を吸い閉気する。5から7回繰り返す。
脚・膝の風湿毒を除く。
〔宋「足膝の風湿を除く。口熱舌乾、喉が腫れて心煩、黄疸、植えているのに食べられない、喀血」〕
22 冬至十一月中坐功
両足を伸ばして坐って両手の拳で両膝を押す。この時に息を吸い閉気する。3から5回繰り返す。
背、肩、腋、胸中の滞りを除く。
〔宋「手足の経絡の寒湿を除く。脊椎や骨盤の痛み、腰が冷え足が萎えている、胸満腹痛、咳で気逆、下痢、首の腫れなど」〕
23 小寒十二月坐功
胡坐に坐って片手は足裏に当てて押さえ、片手は上に高く挙げる。この時に息を吸い閉気する。左右交代して3から5回繰り返す。
胃痛、腹脹を治す。
〔宋「栄衛の気がつまっているとき。腹が張って中が満ちている。便が詰まる、顔が黄色く口が乾く、怠惰で起きれないなど」〕
24 大寒十二月中坐功
両手を後ろにまわして地を支える。左足を伸ばして力を入れ、右足は折って浮かせる。この時に息を吸い閉気する。3から5回繰り返す。
足背痛、腹張を治す。
〔宋「治療舌根強痛、体が硬くなって動かせない、寝れない、股や足尻が痛い、腹張腸鳴、九竅不通」〕
この内容は
広瀬澄男『中夏古典気功集成』の和訳を基礎とした。
広瀬が底本としているのは高廉『遵生八牋』であるが、これ自体を訳しているわけでないので、省略をした。
陳希夷を現代中国語になおしたのは李遠国である。『仙家秘伝却病功』に収められたものを使った。
宋乃光『伝統運動療法』を適宜参照した。
ーーー
参考までに
二十四節気の気功法
啓蟄の場合をご紹介
(動画が見られます)
(動画が見られます)
上海気功研究所さまより
ーーー
北
ーーー
以前のブログも参考までに
「雨水の気功法」