はるまのとりとめのない日記 (ほぼおやつ日記)

【とりとめのない】「特に重要ではない単なるおしゃべり」といった意味合い

*第4回 いわて銀河100km チャレンジマラソン ⑥

2008-06-13 | 道楽・ランニング

■リタイア 収容バスに乗る

話をしながら歩いていた男性二人と日陰で収容車を待つ。
体力、気力を使い果たしたと思っていたが、不思議なもので
おしゃべりは出来る。「人恋しさ」 もあったに違いない。

男性二人のうちの一人は、サロマに行くんだって。(えっ、2週間後!?)
他にもウルトラマラソンを走ってるそうで、ここ、いわて銀河のコースは
「山岳コースに入ると思う。きついコースだよ。」 と言っていた。


さすがに山。
日陰は、爽やかで気持ちよい。

そうこうしてるうちに、収容バスを従え、「100km 最後尾車」 
と付けた乗用車がやって来た。
手を挙げてバスを止める。
(そんなことをしなくたって止まってくれるのにね)

3人でバスに乗り込む。

“先客” は、先ほどマメをかばって脚を傷めたと言っていた女性ひとり。
「お疲れ様。」 と私たち3人を迎えてくれた。

1番前の座席の陸協の女性が、ゼッケンナンバーをチェックして
「リタイアカード」 (?) にリタイアした距離と時間を書き込んで
それぞれに渡してくれる。


 あ~っ


 リタイア してしまった 。。。。。


73.3km の関門を出たときから、「走れない状態」 だったし、
「関門に間に合わない」  という事実も受け入れていた。


 リ タ イ ア

この4文字は、ウルトラマラソンにエントリーしたときから頭の中にあった。
それは去年も同じ。
100km といったら、フルマラソンの2.3倍の距離だ。
走り切れなくても恥じることはない、なーんて思ってた。

それでも、「完走」 を目指し、頑張れる自分を信じて、スタートした。
走ってる最中、きびしい坂道を走ってる(歩いてる) 時だって
73.3km の関門に間に合わないかもしれない時だって
「ここで、やめるって決めたらラクチンだよなあ。」 と考えつつ
なんとか、続けてきた。

そんな、これまでの踏ん張りも、ここで全ておしまい。

考えようによっては、リタイアは、リタイア でしかないのだ。
つらい上り坂の途中でやめても、「リタイア」。
73.3kmの関門にひっかかっても、「リタイア」。

「完走」 か 「リタイア」 

そのどっちかなんだよね。


でも、気落ちはしない。負け惜しみではない。
サバサバしてるとでも言おうか。
去年、完走した時と同じくらいの達成感はある。
… あ、達成感というのとは、ちょっと違うかも。
力を出し切ってしまったので、その爽快感かな。

普段、「オールアウト」 することを嫌う私。
燃え尽きることは、美しくないと思い込んでいる。
しかし、年に1回、「オールアウト」 を体験するのも悪くないかもしれない。


バスは、最後尾ランナー (ウォーカー?) に、ぴったり付く最後尾車の
後ろをゆっくり進む。
最後尾車は、時折、ランナーに声を掛ける。
たぶん 「大丈夫か?」 とか、「まだ続けるか?」 と聞いてるんだろう。
ランナーは、右手を上げ、大丈夫と言ってるようだ。

 

この時、80kmあたり。時計の針は、3時を指している。
86.6kmの関門は、3時10分。
6kmあまりの距離を10分で。これは不可能。
でも、100m でも先へという気持ちで、頑張ってるのだろう。
「あと10分、頑張れ!」


そして、3時10分

バスに、何人も乗ってくる。
私たちは、「お疲れさま~」 と拍手で迎える。

収容バスの中は、なかなか楽しい空間だった。
後半になると、近く (といっても離れているけど) を走ってるメンバーが
固定されてるから、顔なじみが多い。
あとからバスに乗って来た人に、「追い越されたとき好調そうだったのにぃ。」 
なんて声を掛けたりね。これもまた、いい経験ができたと思う。


そして、86.6km の関門到着。

去年と全く変わらないエイドの様子。
今年は、ここまで来れなかった… 
関門時間、10分繰り下げてもらったというのに…
ちょっとおセンチに。

関門突破ならなかった人、たくさんいる。
すぐにバスは満席に。
バスの運転手さんは、「圏外の地域を抜けたら次の車手配しますから
もう少しお待ちください。」 と謝っている。無線があるといいかもね。
今年はリタイアする人が多かったとも言っていた。


前夜祭で、イノさんの知り合いの方(50km出走の女性)に、
私設エイドを出すお友達がいることを聞いていた。
この、86.6km の関門を過ぎたあたりだ。
手を上げ、バスを止める女性。

「全員で何人乗ってらっしゃいますか?運転手さんも入れて。」

「41人かな。」

そんなやり取りの後、女性が、「足りる。これ皆さんで食べてください。」
と、ビニール袋を陸協の女性に手渡す。
あ、もしかして、前夜祭で聞いていた私設エイドのお菓子?
なんて名前のお菓子だったか…

わーい! うれしい。

収容バスは、遠足か社員旅行の観光バスに化す。
順繰りにお菓子の入ったパックを 「ひとつずつ取ってー」 と
後ろに回して行く。

 これこれ。このお菓子。
 
バスが揺れて、ピンボケ~

隣に座った女性に、「このお菓子、なんて言うの?昨日聞いたけど
忘れちゃった。」 と質問。
彼女、名前だけでなく、このお菓子には2種類あって
中にとろーり蜜(?)が入ってるものは、気取って食べてると
たらしてしまうので、一口でガバッと食べる。それで、なんとかって呼ぶ
など、丁寧に教えてくれた。地元のかたなのね。
(それでもお菓子の名前、覚えられなくて、翌日、イノさんに聞いちゃった)

 ・・・・で、メモしたつもりだったけど、なかった。
 なんて名前~??


ここからは、バスは快調にゴール地点の雫石総合運動公園へと向かう。
携帯も圏外地域を抜けたので、イノさんにメール送信。
バスの揺れが心地よい。すこしウトウト…


そして、バスにて、ゴール。