「今晩はおなすの炊いたのが食べたい」と言って、今日、娘が出ていきました。
先週で部活を引退、めでたく?受験生となった高3の娘は翌日から受験生モード。毎日夏期講習に通っている。
帰ってきたら晩ごはんの時間はとうにすぎて遅くなるのだけれど、しっかり食べたい、私も食べてほしい。
勉強は大変だけど、ごはんが一日の楽しみのひとつになるのなら、こんなうれしいことはない。
それに、うんうん、私も食べたかったんよ。とろりとしたおなす。絶対おいしく炊ける自信あり♪
京都の実家のまわりはおなす畑がいっぱいで、昔は私が帰省するたびに近所のおばちゃんたちが「うちで採れたおなすえ」と言って持ってきてくれました。
母はそれをいろいろに料理してくれたけど、なかでもおいしいのが「おなすの炊いたん」。
いかと炊いたり、お肉と炊いたり、にしんも。小さい頃はにしんのおいしさがわからなくて、おなすにしみた味は好きでも、ちと苦手だったっけ。
いつの間にか近所のおばちゃんたちは年老いて、帰っても届けられるおなすは減り、近くの無人の直売所に買いに行ったりしました。そして、両親は亡くなり、実家を手離し、懐かしい採れたてのおなす(今さっきチョッキンしましたという、ほんとの採れたて)は過去の思い出になってしまいました。
でも、あのおいしかったおなすの味は過去にはならない。今でも私や子どもの中に息づいています。。
だから、きっと私もおいしく作れるのです(^^)
なんて思い出話はおいといて、おりょうりおりょうり。
なすはヘタを落とし(ぎりぎりで。ここが一番おいしいとおなす農家のおばちゃんに教えてもらった)、縦半分に切って、隠し包丁を入れます。そして、塩水につけておきます。
厚手の鍋(私は中華鍋で作りました)に菜種油をたっぷり入れ火にかけ、水気を取ったなすを並べ、両面を揚げるように焼きます。油がなじんでしんなりした感じがしたらそれでよし。お鍋の中の油はほぼなすに吸い取られた感じになっていれば、適量だった証拠。
いったんバットに上げて、大きめのひと口大に切った豚バラ薄切り肉を重ならないように中華鍋に入れ、弱火でじんわりと加熱、だんだん油が出てきます。
豚バラ肉を小松菜とかキャベツとかと炒めるときは、先にお肉を入れてお鍋の熱で油を出させ、ノンオイル調理をするけど、おなすに関してはたっぷり吸わせるほうがおいしいから(といっても揚げるよりははるかに少ないの)、この順番がいいと思うの。
豚肉に火が通ったら、今度はまた豚肉をバットに上げ、おなすを並べます。その上に豚肉を戻します。そうすると、豚肉の風味とコクが加わります。
そこにお酒、みりん(味の母)、濃口醤油を加え、少し煮てから味をみて、水と粗製糖を足します。落としぶたをして10分ほど煮て、モロッコいんげんを加えて火を止めて保温調理。これでできあがり。
モロッコいんげんがおいしいのよね。うんうん、大好き。これはまたの機会に。
さあできた。冷めてくときに味がしみていきます。だから、帰ってくる頃にはおいしくなるはず。
そのうち、ひとり帰ってきました。中3の息子。塾が終わって食べに帰ってきて、また自習しにいくらしい。家は暑いしと。たしかに。友だちと遊んでいないことを祈りつつ、母は子を信じるしかないのです・・・(^^;)。
息子、ひと口食べて「ウマッ!!」
そうやろ、そうやろ、おいしいやろ。ふふん。今日も大成功。ごはんが進むよねえ。
今日はこれと、厚揚げ焼いたのと、おくらと、昔きゅうりのおつゆ。雑穀ごはん。冷たい三年番茶。少々軽目だけど夏野菜をたっぷり味わいましょ。
さて、辛口評論家の娘も帰ってきました。よしよし、合格だったようです。
弟食べてなんて言ったと思うって聞いたら「ウマッ!!・・・でしょ」。さすが、姉弟、よくわかってます。
器は、京都嘉祥窯の森岡なつさんのです。
数年前、菓子器にしようと思って買ったのだけど、最近使っていなかったので、お料理をのせてみました。
おー、とってもおいしいごちそうに見えます。なつさん、ありがとうございます。
でも、こうして盛りつけると、どんな器かわかりませんね、せめて全体を。
上から撮ってみましたが、、織部だけどやさしい、その色合いがこの写真ではわかりません。残念。また、使って撮ってみます。
さあ、残りは冷蔵庫へ。冷たく冷やすとまたおいしい。豚肉の油が固まっちゃうかな、そしたらあっためればいい。どっちにしろおいしいはず。
と、思いながら、オリンピックの体操を見て夜更かししている今夜です。