2018/03/29
フィギュアスケートの記事をたくさん書いてくださっていた朝日新聞スポーツ部記者の後藤大輔さんが、4月にスポーツ部を離れるという。
twitterで試合の現地情報を発信してくださったりしていたので、フィギュアスケートファンなら、後藤記者の名前を知っている人は多いのではないだろうか。
その後藤さんが4月に『フィギュアスケートとジェンダー』(現代書館)という本を上梓されるそうだ。
今から読むのが楽しみ。
というのも、私はジェンダー(社会的性役割)学に興味があるのだ。
静岡に住んでいたときから市や県の女性会館に関係しており、こちらに引っ越してからも男女平等推進センターの編集委員やら運営委員を4年間お引き受けしていたのである。
その間、女性学やLGBTの専門家のお話をいろいろと伺ったり、自分なりに勉強した。
後藤さんがどのような内容を書かれているのかわからないけれど、
ジェンダーという言葉にインスピレーションを受けて、ここでは羽生さんのことを書いてみたいと思う。
私は常々、羽生さんはジェンダーの壁を軽々と超えてしまったと思っていた。
もちろん、色白で肌がきれいな細身のルックスだけではない。
だいたいがフィギュアスケートのファンは女性が多いし、女性向きのスポーツでもある。
きれいな衣装、相手と闘わない競技、身体で感情表現をする舞踊的要素というのは女性が好むものだ。
羽生さんは考え方は男性的としても、所作は女性的、女子力が高いと思う。
お母様やお姉様からかなり影響を受けているだろうし、アイスリンクでもほぼ女子の間で練習してきたそうだから、学習能力の高い年代の少年にとっては、ちょっとしたしぐさを模倣するのは当然かもしれない。
北米男子スケーターが今でも男らしさを前面に出し、黒っぽい目立たない衣装を身につけることが多いのに対して、羽生さんは以前から赤い色や、フリル、ギャザー、カラーストーンをちりばめた衣装を身につけてきた。
それが、ご本人のイメージによく似合っていた。
男らしさ女らしさにこだわらず、見て美しい衣装ということを前面に出していたのだと思う。
(白鳥さんの衣装は特にデコルテ、背中のVカットが女性的)
それが誰にもまねできない革新的なことだと思う。
羽生さんはイナバウアー、ピールマンスピンをする。
イナバウアーは荒川さんへのリスペクトでしょうが、これはもともと女性のしなやかさをあらわす動きに他ならない。
羽生さんは写真を撮られるときに首をかしげてにっこりするが、男性でそのようにする人はスポーツ選手では知らない。(俳優、アイドルでは職業上いるかもね)
これも、もともと女性らしいしぐさなのだ。
坂東玉三郎さんの鷺娘
(小さかったボーヤン君 こんな写真見つけたので貼っておきます)
以前、「マスメディアのジェンダー表現」という講座で、新聞に載っている男女の写真を調べてみたことがあった。
新聞に載っていた男性は政治家、スポーツ選手、文化人が多かったが、笑っている顔はほとんどなかった。勝ったスポーツ選手だけは笑っていたけどね。
男は笑わないものという通念があり、作り手も笑っている写真を選ばないのだ。
一方、歯を見せてにっこりするのは女性だった。新聞に載っている女性の多くは広告のモデル、芸能面の女優がほとんどで、みんな歯を見せてにっこりしていた。
女は見られる側(見るのは男性)で、愛されるためにほほえんでいた。
男は見る側、女は見られる側というのが、ジェンダー的に今までの社会通念とすれば、羽生さんほど見られる側にまわった男性はいない。
羽生さんは常に自分らしさを前面に出し、ことさら男らしく見せることを意識せず、自分の笑顔を皆が喜ぶことを知っていて、そのように振る舞う。
黄色いクマを持って、リンクに現れるのも・・・・・。
うちの息子たちが、23歳にして黄色いプーさんを持って現れたら、私は「どうしたの!?」と腰を抜かしたであろう(笑)。もう23歳だから、成人男子だからぬいぐるみは持たない、と考えないところがすごくいいなと思う。
固定概念にとらわれず自分らしいイメージを肯定していること、みんなが喜んでくれることが最優先だからね。
これらが羽生さんはジェンダー的にも、一歩先を進んでいると感じるところです。
フィギュアスケートの記事をたくさん書いてくださっていた朝日新聞スポーツ部記者の後藤大輔さんが、4月にスポーツ部を離れるという。
twitterで試合の現地情報を発信してくださったりしていたので、フィギュアスケートファンなら、後藤記者の名前を知っている人は多いのではないだろうか。
その後藤さんが4月に『フィギュアスケートとジェンダー』(現代書館)という本を上梓されるそうだ。
今から読むのが楽しみ。
というのも、私はジェンダー(社会的性役割)学に興味があるのだ。
静岡に住んでいたときから市や県の女性会館に関係しており、こちらに引っ越してからも男女平等推進センターの編集委員やら運営委員を4年間お引き受けしていたのである。
その間、女性学やLGBTの専門家のお話をいろいろと伺ったり、自分なりに勉強した。
後藤さんがどのような内容を書かれているのかわからないけれど、
ジェンダーという言葉にインスピレーションを受けて、ここでは羽生さんのことを書いてみたいと思う。
私は常々、羽生さんはジェンダーの壁を軽々と超えてしまったと思っていた。
もちろん、色白で肌がきれいな細身のルックスだけではない。
だいたいがフィギュアスケートのファンは女性が多いし、女性向きのスポーツでもある。
きれいな衣装、相手と闘わない競技、身体で感情表現をする舞踊的要素というのは女性が好むものだ。
羽生さんは考え方は男性的としても、所作は女性的、女子力が高いと思う。
お母様やお姉様からかなり影響を受けているだろうし、アイスリンクでもほぼ女子の間で練習してきたそうだから、学習能力の高い年代の少年にとっては、ちょっとしたしぐさを模倣するのは当然かもしれない。
北米男子スケーターが今でも男らしさを前面に出し、黒っぽい目立たない衣装を身につけることが多いのに対して、羽生さんは以前から赤い色や、フリル、ギャザー、カラーストーンをちりばめた衣装を身につけてきた。
それが、ご本人のイメージによく似合っていた。
男らしさ女らしさにこだわらず、見て美しい衣装ということを前面に出していたのだと思う。
(白鳥さんの衣装は特にデコルテ、背中のVカットが女性的)
それが誰にもまねできない革新的なことだと思う。
羽生さんはイナバウアー、ピールマンスピンをする。
イナバウアーは荒川さんへのリスペクトでしょうが、これはもともと女性のしなやかさをあらわす動きに他ならない。
羽生さんは写真を撮られるときに首をかしげてにっこりするが、男性でそのようにする人はスポーツ選手では知らない。(俳優、アイドルでは職業上いるかもね)
これも、もともと女性らしいしぐさなのだ。
坂東玉三郎さんの鷺娘
(小さかったボーヤン君 こんな写真見つけたので貼っておきます)
以前、「マスメディアのジェンダー表現」という講座で、新聞に載っている男女の写真を調べてみたことがあった。
新聞に載っていた男性は政治家、スポーツ選手、文化人が多かったが、笑っている顔はほとんどなかった。勝ったスポーツ選手だけは笑っていたけどね。
男は笑わないものという通念があり、作り手も笑っている写真を選ばないのだ。
一方、歯を見せてにっこりするのは女性だった。新聞に載っている女性の多くは広告のモデル、芸能面の女優がほとんどで、みんな歯を見せてにっこりしていた。
女は見られる側(見るのは男性)で、愛されるためにほほえんでいた。
男は見る側、女は見られる側というのが、ジェンダー的に今までの社会通念とすれば、羽生さんほど見られる側にまわった男性はいない。
羽生さんは常に自分らしさを前面に出し、ことさら男らしく見せることを意識せず、自分の笑顔を皆が喜ぶことを知っていて、そのように振る舞う。
黄色いクマを持って、リンクに現れるのも・・・・・。
うちの息子たちが、23歳にして黄色いプーさんを持って現れたら、私は「どうしたの!?」と腰を抜かしたであろう(笑)。もう23歳だから、成人男子だからぬいぐるみは持たない、と考えないところがすごくいいなと思う。
固定概念にとらわれず自分らしいイメージを肯定していること、みんなが喜んでくれることが最優先だからね。
これらが羽生さんはジェンダー的にも、一歩先を進んでいると感じるところです。