2018/09/10
昨日はウクレレ演奏の後、午後はサントリーホールで反田恭平さんの全国ツアーのリサイタルを聴きました。とても楽しみにしていたもの。
私は今回、ステージの背後に階段状になっている席から見下ろす形で鑑賞。この席はピアニストの手がよく見えて、とてもいい席なんです。
でもピアノの蓋が客席に向かって開かれているので、背後の席は思っていたより音が小さかった。もちろん、最弱音でも聴こえない音はなかったけれど。
今回はべートーヴェンのプログラム。
「創作主題による32の変奏曲」、「悲愴」、「月光」、「熱情」。
これはあくまで私個人の感覚ですが、実はあまりベートーヴェンはぴんとこない。
もちろん美しいメロディもあるけれど、男っぽい、硬い感じがするのです。
私はショパン、ラヴェル、ドビュッシー、チャイコフスキー、ラフマニノフあたりが好き。
そんなことで最初はあまり入り込めない。感覚的に引き込まれるかどうかは、自分の体調やら集中力やら、まわりの状況も関係してくるので、演奏の良し悪しとは関係ないと思います。
そして最後のプログラム「熱情」になってから引き込まれた。
反田さん自身がゾーンに入っているような集中力の演奏を聴いて、本当に胸のすくような心地がした。
3回のアンコールも終わって、その美しさと出し尽くした感じの反田さんに会場中がスタオベ。
日本のクラシックコンサートではなかなか立てない。誰かが立ってくれたので、私も勢いで立てた。そうしたら、会場中が総立ちになって、スタオベやブラボーの声を聴いて、「あなたの努力は報われたね」と、なんだかそんな言葉が思い浮かんで、こちらもあたたかいものに満たされました。
やはり、個人的にはアンコールのショパンがいいなあと思った、シューマンの「リスト/献呈」も極上の感じ。
ひとりで2時間を超えるプログラム、耳の肥えたサントリーホールの聴衆を前に弾くのはどんなプレッシャーだったのか。「渾身」とか、「聴衆に対する献身」という言葉が思い浮かんだ。
終演後、ロビーでCD販売のサイン会があったようですが、残念ながら早めに戻らなければならなかったので覗いていませんが、長い列があったようですね。