2021/09/02
ショパンは好きな曲も多いのですが、ノクターン13番Op.48-1は特に、感情を揺さぶられる曲で大好きです。
重々しい静かな出だしを聴いていると、さめざめと泣きたくなります。ショパンはどんな悲しみがあって、この曲を書いたんだろうか、と思ってしまうのです。
中間部は厳かな感じのする部分で、祈りを表しているのだとか。そして、オクターブの下降があって、とても力強くて、このあたりがショパンらしいと感じます。
終盤はやっぱり切ない、何か胸をかきむしられるような、慟哭しているような感じ、それが徐々に静まって終わります。
激しい部分もあるけれど、やはり、心が静まっていくような、研ぎ澄まされていくような気持ちになります。
この曲は1841年、ショパン31歳の頃の作曲で、ジョルジュ・サンドと知りあい、充実した創作生活をおこなっていたようです。亡くなるのが39歳ですから、ショパンは創作活動中も、ずっと健康状態はよくなかったようです。
私はニキータ・マガロフのCDを持っていたので、それをよく聴いていましたが、ここは角野隼斗さんの演奏で。
ノクターン 第13番 ハ短調 作品48-1
この曲はフィギュアスケートのステファン・ランビエールさんも「ノクターン」として、使っています。デニス・ヴァシリエフス君と2人で踊っています。このスケートを見ると、いっそう情感があって美しい曲だなあと感じられるのです。
町田樹さんの解説付きです。
CaOI2018 町田樹解説11 ステファン・ランビエール&デニス・ヴァシリエフス