2022/10/17
Eテレで「ヒューマニエンスQクエスト」
という30分番組をやっています。
この「ヒューマニエンス」は前には
BSプレミアムで1時間番組として
放送されていましたね。
人間を科学的に探究する番組で
とてもおもしろくてためになるので
私はこの番組が好きでした。
録画して見ていました。
興味深かったのは10月12日に放送した
「皮膚 0番目の脳」
(見逃し配信期間は残念ながら
もう終わっています)
番組紹介によると・・・
「皮膚」には、目でなくても“光”を捉え、耳でなくても“音”を聞き、舌でなくても“味”を知るという感覚が備わっていることがわかってきた。
その皮膚の能力は生命進化において、脳が生まれる前から存在していたため「0番目の脳」とも呼ばれる。
皮膚の存在は自分の内と外を区別するために不可欠。そのため、もし皮膚感覚を失うと「私」を認知できなくなり、自己を喪失してしまうという。」
「皮膚は世界を知る窓」であると。
胎児はお母さんのおなかの中で
子宮内部を手で触って
自分と自分以外のものを
確かめているのだとか。
京都大学の明和政子先生によると
「胎児は触覚を通して世界を知ることで
生存の可能性を高めている」
生まれて数日の赤ちゃんに
視覚、聴覚、触覚の刺激を与えて
脳波を調べてみた実験。
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すると、触覚刺激に対して
脳が大きく活動していることがわかった。
(赤い部分)
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明和政子先生によると
皮膚接触によって
心地よさが体の中に湧き上がっている。
私たちは触覚を中心にして
見たもの、聴いたものを結びつけて
脳が発達していくのだ、とのこと。
昔から育児書でも
スキンシップが大事と書かれてましたね。
心の安定という意味で大事だと
私は受けとめてきましたが
皮膚接触が脳を発達させていくのですね。
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私はベビーリトミックのなかでも
毎回必ず、ママにゆったりと赤ちゃんの体を
撫でてもらう内容をやっています。
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また、歌遊びをしながら
赤ちゃんを軽くトントンしたり
ツンツンしたり
ギュギュしたりと
いろいろな触れ方で
体に触ってもらっています。
赤ちゃんたちは気持ちよさそうに
じっとしていたり
くすぐったがってキャッキャッと
笑う子もいます。
フォトグラファーのヨシダ ナギさんの
お話も興味深い。
アフリカなどで裸で暮らす民族の赤ちゃんは
無駄泣きをしないといいます。
「なぜか」と現地の人に訊くと
「肌と肌が触れ合っているから」と
答えるそうです。
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それには理由があって
愛情ホルモンのオキシトシンが
分泌されるからだと言います。
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ギャン泣きしない赤ちゃん…
乳児子育て中のママには理想ですが。
へえ、そうなんだ!と思いながらも
なんとなくわかる気がします。
でも、コロナ禍ではいろんな物を
触っていけません、とか
ソーシャルディスタンスを保って
とか、いわれるようになりました。
今は生きづらい時代です。
でも、肌の触れ合いは人間の生存にとって
根源的なものがあるのだと
改めて思ったことでした。
(使用写真はテレビ画面撮りです)
皮膚について書いた以前のブログ記事