顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

水戸城大手橋の胡桃の木

2015年07月11日 | 水戸の観光



ボランティアの日、大手橋周辺はうっそうとした夏木立です。弘道館方面からの大手橋西北側擬宝珠のところに胡桃の木があるのを発見、実がなっていました。
城の土塁や石垣の上には城郭の機能上、樹木は植えないので、もちろん後世のものでしょうが、空堀の法面にしっかと根を下ろしています。多分野生のオニグルミ?それとも園芸種のテウチクルミ、シナノクルミか?オニグルミの種は、河原でよく拾います。硬い殻でちょっとやそっとでは割れない、しかしやっと取り出した小さな実の濃厚な味は売っている胡桃よりおいしいとよく聞きます。
このオニグルミの殻は、粉砕して昔から研磨剤として使われているそうですが、なんとスタッドレスタイヤにも使われるというので驚きました。



二の丸、三の丸間の大手橋がかかるこの空堀の深さには驚かされます。水戸城のある洪積台地と低地の沖積地の比高は24~25mと資料に出ているので、20m近くはあることになります。たとえ石垣はなくとも、これでは攻めるのが難しかったと思います。
山形紘著の水戸藩の戊辰戦争によると、弘道館の戦いの時に、諸生側の清水陸一郎が20名ほどを引き連れて、北西側(多分水府橋あたり?)の土塁をよじ登り城塀を乗り越えて突撃し、奮戦のうえ全員討ち死にしたと載っています。登り切った勇猛な武士も、この藩内抗争であたら若き命のやり取りをしてしまいました。
この大手橋に二階建ての大手門を復元することが決まり、水戸市ではいま一枚瓦城主としての寄付を募っています。まだ設計プランはできていないようですが、どのようなものになるのか、車はそこを通れないのかなどと気になるところです。