顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

梅の色いろいろ…水戸の梅まつり

2020年03月04日 | 水戸の観光

満開になった偕楽園と弘道館公園、新型コロナウイルスの影響でいろんなイベントは中止になってしまいましたが、梅たちは冬を耐えてきた、春の喜びを精いっぱい開かせています。
この梅に先人たちが付けた、咲き色を表すことばには優雅なものがたくさんありますので、あてはまる花を探してみました。(写真は薄紅色の「八重旭」です)

●裏紅
八重咲きで花弁が三重くらいあり、外側の花弁のより濃い紅が、うっすらと透けて見える…「内裏」「八重西王母」「無類絞り」「都錦」「連久」など、写真は「内裏」です。

●爪紅
花の周り、先のほうに紅色が入り、中央部は薄紅色になる…「古金蘭」「紅筆」など、写真は「古金蘭」です。

●底紅
花弁の底のほうが紅くなる…「鈴鹿の関」や赤い筋が入る「関守」「東雲」などがあります。写真は「鈴鹿の関」です。

●本紅
深い紅色で、「鹿児島紅」「佐橋紅」「緋の司」「紅千鳥」「大盃」など、写真は「佐橋紅」、雄蕊の花糸までも真っ赤です。

●紅色
いわゆる紅色として分類されるものは、「道知辺」「筑紫紅」「春日紅」「江南所無」「未開紅」など、写真は「筑紫紅」です。

●薄紅(淡紅)
白に近い薄い紅色で「入日の海」「梓弓」「一流」「八重旭」「紅加賀」など、写真は「入日の海」です。

●青白
青白い花には咢や枝が緑色のものもあり、また月が付く名前も多く、「月影」「月の桂」「緑咢」「茶青梅」など…写真は「月の桂」です。

●移り白
蕾のうちは薄紅で、開花するとだんだん白色になる、「滄溟の月」「朝鮮梅」「蓬莱」など…写真は「蓬莱」です。

●紅白咲き分け
紅と白、絞りなどが一本の木に現れます。「輪違い(思いのまま)」「春日野」「日月」「巻立山」など…写真は「春日野」です。

●覆輪
花弁の輪郭が白くなる…「八重唐梅」「品字梅」「里見紅」など、写真は「品字梅」です。

花の色には濃淡などの個体差もありますし、もっといろんな咲き方もあると思いますが、その一部をご紹介させていただきました。(写真は裏紅の「八重西王母」です)
一生懸命咲いている一輪一輪の色のかすかな違いを、ぜひ味わっていただきたいと思います。

散るたびに老ゆく梅の木末かな  与謝蕪村
白梅の黄色に咲くや年の内  正岡子規
紅梅の五六本みな色ちがふ  細見綾子