◆撮影:2012年10月14日、八雲ヶ原湿原(比良山系)にて
(ウメバチソウ)
2012年11月1日(木)
『山野走』
<ほしだ園地>
[私市駅]6:20:00→[星の里いわふね]→(かわぞいの路)→6:41:44[ピトンの小屋]6:45:00→(さえずりの路)→6:59:53[やまびこ広場]7:04:00→(まつかぜの路) →7:24:48[飯盛霊園・境界]7:28:00→(せせらぎの路) →(管理道)→[やまびこ広場]→(さえずりの路) →(管理道)→[ピトンの小屋]→(かわぞいの路)→8:14:52[私市駅]
<トウカエデ>
駅へと向かうとき、アスファルト路面が濡れていた。雨具をとりに家に戻るべきかと躊躇しつつ何故か僕の足は駅へと向かっていた。まだ白む気配さえない天空を見上げると、その西方一部分の雲が鈍い淡黄色に染まっている。それ以外の雲は見えないのだが、そのとき、何故その部分の雲のみがそのような色彩を呈するのかが解らなかった。立ち止まり暫く眺めていると、まあるい月が雲端より現れた。「なーんやお月さんが居てるんや」という結果であったのだが、月が見えたのはほんの瞬時のことであった。
今にも雨粒が落ちて来そうな天候ゆえ、また、平日でもあり早朝ゆえ、“ほしだ園地”の森中には人は居ないものと思っていた。ところが、僕よりも先に早朝の森を楽しむ三人の人の姿があった。男性二人が“ピトンの小屋”付近で、女性一人が“やまびこ広場”におられた。“さえずりの路”をやっとこのことで上り切って前方を見たとき、その奥に見える東屋は僅かに煙っていた。その所為か、それとも僕が眼鏡をかけていなかった所為なのかは分からないのだが、東屋前に立つ女性の存在に直ぐには気づかなかった。その女性は両掌に余るほどの栗の実が入ったビニール袋を提げておられた。「早いですね」と僕は声をかけた。
飯盛霊園との境界鞍部に黄花のアキノキリンソウが5株咲いていた。“せせらぎの路”を下る路傍に暫く以前より咲いていた青紫色唇形の花の名称が、先日、ほしだ園地の職員さんのお蔭で判明したのだが、そのときよりも更に背丈が伸びたアキノタムラソウが2株、僕の眼前に期待通り出現した。
“ピトンの小屋”の僅かばかり上手にあるトウカエデとヤマモミジの紅葉が始まろうとしていた。もう何年も前のことだが、トウカエデという名称を初めて我が脳裏に刻んだころ、そのころ僕は、トウカエデが楓の類の中でもっとも早く紅葉し散ってしまうことを知らなかった或る秋、「今年は紅葉することなく散ってしまった」と思いきや、足下に敷き積もる特徴ある形の紅や黄、茶褐色の葉っぱに気づいたことがあったのを思い出した。