ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
連載中!

業務転換に関する課題

2009年05月18日 05時57分52秒 | Weblog
不景気の影響で、多くの業種の企業が業種転換を模索、検討中のようです。
内需型で不況の影響を受けなくて、投下資本が少なく、収益率が高いビジネス。

そんな美味しいビジネスがそう簡単に見つかるはずもないわけですが、皆さん真剣です。
私の友人のT君は車のミラー関係を製造している会社をメーカーと共同出資で社長として経営していますが、
昨年末頃から仕事量が減って厳しい状況だと嘆いています。

ところで彼は、若い頃は豆腐製造会社を盛大に経営しており、多くの大手ショッピングセンターなどに納入販売していました。
それが、二十年ほど前に突然、自動車関連産業に業務転換をしたという大胆な経営者です。
内需型の食品製造から一気に先端ビジネスである自動車関連の製造業に進出したわけですから驚きました。

しかし、時代は変わりますね、日本の、しかも、最先端の自動車ビジネスに陰りが見えてきてこの状態です。

一方、最近では豆腐は高級特選品に注目が集まっており、値段も高いですね。
私の地元でも三之助豆腐、男の豆腐、とか固有の名称を持った、一丁300円からする高級豆腐が売れまくっています。
彼は、豆腐市場の現状をみて、再び内需型の食品業界に興味をそそられているようです。

もともと、当時はスーパーマーケットに豆腐を納入する際に豆腐自体が安売り商品の位置づけでしたから常にバイヤーとの納入価格折衝で苦労していたということです。
当時は、小規模の製造業者が多くて過当競争も大きな要因になっていたようです。

ところで、最近はバイオブームと世界的な食糧問題で原料の大豆が高騰していますから、豆腐業界も必然的に経営転換を迫られているらしい。

そんな豆腐業界をみて、事業欲が旺盛でしかも豆腐製造に関する深い造詣のあるT君がビジネスチャンスを見逃すはずがありません。

実は、彼の父上は「こんにゃく業界」では著名な相場師でしたが、彼が高校生の時に相場に失敗。
彼は、高校を卒業後自分で小さな豆腐屋を開業したわけですが、何もわからずに大変苦労したわけです。
加えて、開業時には朝が早いため、配達中に自動車で居眠り事故を起こし、
免許停止処分を受けて配達もままならないという大危機を迎えてしまい、
私や、社員や弟が豆腐の配達を手伝いながらスタートを切ったという経緯があります。
その後は、彼の経営手腕で企業は順調に成長して地域一番の豆腐製造業に成長したわけですが、
朝が早くて労働条件が厳しい仕事から自動車関連産業に転業したというわけです。
自動車関連ビジネスに転業するきっかけとなったのもやはり、友人関係のアドバイスと紹介があってのことでした。

最近、彼からゴルフに誘われて、転業の相談を受けたわけですが、
自動車関連業界も所詮は下請けで価格折衝が厳しくて、取引先の接待も大変らしい。

再び、昔取った杵柄で食品関連にというわけです。
豆腐も良い品質の高級品になると、スーパーやデパートの地下売り場などで販売させてくれと言われるらしいですね。
自分で工夫して、独自性や値付けができる環境が整っているらしい。

彼のことですから、すでに何か企画があるようです。

SSビジネスでも副業や業種開発や転業を模索している企業が増えています。
経営者自身のキャリアや得意なこと、なかには趣味がきっかけとなることもあるようです。
最近はこの不況下ですから、ほとんどの業界で構造的な変化や新たなビジネスフォームの企画が盛んです。

そんな時には、視野が広くて情報取得力が豊かな友人や情報チャンネルも大きな力となりますね。