我々のようにシステム開発や販売を行う業者のことを「ソリューションベンダー」といいます。
用語だけ聞けば、IT最前線で仕事をする格好の良い職種のようにも聞こえますが・・・
現実はそんなわけにはいきません。
「開発作業」とはいっても、先ず何を開発するのか・・・・、そこからスタートするわけです。
世に出して価値のあるモノ、まず市場性がなくてはビジネスとして成立しないわけですから大変です。
ですから、二番煎じのように真似をする業者も多いわけです。
我々のように、独自性のあるものを自ら開発して世に問う仕事は苦労の繰り返しなのです。
「灯油配送管理システム」は、25年以上も前に自社で使用するために開発していたものです。
当時、私は田舎のガソリンスタンド経営者でした。
ウィンドウズも無い時代になんとパソコンで自社で使用するための「直売システム」や「配送システム」を開発して動かしていたのです。
当時、すでにシャープから自社用の石油流通システムをのオフコンを導入して運用を開始していたのですが、
機能自体に不満があって、自ら開発してみようということからスタートしたわけです。
何も知らない人間が、コンピューターのシステム開発に着手したわけですから大変でした。
シャープシステムプロダクトのプログラマーを自宅に宿泊させて作業させたり、
自社でプログラマーを養成したり大変な時間と資金を投入したものです。
システムにデータを入力しては、検証の繰り返しで専門スタッフを置いたり、
今考えれば、気が遠くなるほどの時間とお金を投入したことになります。
当時、シャープの市ヶ谷で開催された「SSパワーアップフェア」でシステムセミナー講師を2年ほど務めたこともありました。
あの頃は石油ソリューションの黎明期で参加者も多かったですね。
しかし、そのまま順調に推移したわけではありません。
バブルが崩壊して、自らのビジネスが挫折して、ゼロからというよりも「マイナス」からの再スタート。
その頃には、「灯油配送システム」にも競合するシステムが派生してハンディキャップレースのような苦しい販売競争を強いられてきたという経緯もあります。
しかし、
「軽油税納税管理システム」、「直売システム」が、多くの特約店企業様に認められて企業としての命を永らえてきたという事実もあります。
少ない人数で、「開発」と「販売」の両輪を成立させるには大変な労力を要するものです。
昔のように、余裕を持って本業の利益をつぎ込むようなわけにはいきませんから、
みずから「食いつなぐ」ための必死の仕事となりました。
そんな時の「強み」はまさに、業務キャリアです。
石油ビジネスにおける過去の現場キャリアを、これだけもった開発業者は少なかったと思います。
現在でも、開発と販売の両輪を上手く成立させるために苦労しています。
開発に専念しては、赤字を出してまた営業でリカバリーするという作業の繰り返しです。
それでも、最近では少しだけ自信と結果が生まれています。
どんな仕事でも時代の変化が生み出す試練があるものです。
我々のビジネスは石油業界の変化と試練と一心同体にあると思います。
共有する課題をともに解決するための戦いはまだまだ続きそうですが、
最近では「この先」にある「何か・」が少しだけ見えてきたような気がしています。
「少数精鋭」の本物のビジネスコマンドを要請し、ランボーのような闘うビジネスを展開してまいります。