「灯油販売」はSSビジネスの原点ともいえるわけですが、
地域性や「灯油ビジネス」に対するそれぞれの企業の位置付けなどによりかなり多様な業態となっています。
最近では、SSの閉鎖や高齢化などによるビジネス環境の変化により、
消費者ニーズの多様化への対応も求められているわけですが、
同時に、それぞれの地域における「ガソリンスタンド」の存在意義が問われているともいえます。
「灯油」は依然としてコストメリットのあるホームエネルギーではありますが、
販売業者としてはデリバリー(配送)作業を伴って初めて消費者が便利に消費できるということをあらためて認識しておく必要があります。
仮に、安い店頭現金価格があったとしても、消費者は自らの労力で「運ぶ」という作業を強いられるわけですから。
その手間と労力が「配送料金」のコストに転嫁されることになります。
仮に、10円/㍑の価格差があったとしても、ポリ缶で180円の格差です。
その価格差のメリットを求める消費者は自分で車の燃料コストを負担して店頭現金で購入するはずです。
販売業者の皆様が消費者の立場なら、どちらを選択するかということです。
地方には過疎で高齢化が進み、SS過疎地帯とも呼ばれる地域が多発していますから、
消費者にとっては深刻な課題ともなっています。
そのような地域では、「灯油」に限らずいろいろな生活物資の購入に支障をきたしている多くの消費者がいるということ。
しかし、厳しい経営環境にあるSSビジネスは、ボランティアではありません。
経営的な採算性を維持しながら消費者ニーズにも対応しなければならないという現実があります。
どのようにしたら、「灯油の安定供給」を図ることができるのか・・・・、確かに難しい課題となっています。
これは、石油業界に課せられた「社会的な試練」でもあります。
最近、私は、灯油配送システムというものに大きな社会性を感じています。
一概に販売業界側で「灯油復権」を謳ってみても、消費者ニーズに沿った「受け皿」としての体制構築がなければ意味のないことなのです。
消費者にとって、「灯油購入」に関して、地域性もありますからいろいろな選択肢があり、ニーズに沿った購入ができることは好ましいことです。
ですから、販売業者も地域性にあった消費者ニーズを模索する必要があります。
現在のSS業界は「金太郎飴」のようにどこへ行っても、人真似のビジネスモデルばかりで地域にあったビジネス創造性に欠けていると感じます。
今年こそ、灯油ビジネスのセオリーを確立しようと頑張っています。
最近の灯油ビジネスは、ITを駆使した最先端ビジネスともいえる様相を呈してきました。
以下に、今後のヒントとなるポイントを挙げてみました。
①.昔ながらの、注文を受けての配達作業 ・・・ 淘汰
②.スピーカーを鳴らしながらの「巡回販売」 ・・・ 騒音対策などの社会性が問われています
③.セルフSS店頭などでの「店頭現金販売」 ・・・ 豊作貧乏
④.「配送システム」を利用した定期配送を中心とする配送業務省力化 ・・・ 配送業務の効率化でコストダウン
⑤.データベースを駆使した「顧客囲い込み」戦略 ・・・ 売り勝つための拡販手法
⑥.SS閉鎖エリアなどを対象とする「新規顧客取り込み」のための拡販マーケティング戦略 ・・・ 販売ボリュームの拡大
⑦.WAN(広域ネットワーク)構築による、配送販売エリアの拡大 ・・・ ネットワーク構築によるスピーディーな情報取得、機動的販売戦略展開
⑧.受注コールセンターの開設、特にCTIシステム(顧客管理データベースと受注専用の電話回線を連動させるシステム)の稼働 ・・・ 消費者との親密な距離感 CRM対策
⑨.携帯電話のWEB環境を活用する、「24時間、無人受注」体制の確立 ・・・ 携帯ホームページへの価格提示、「灯油」以外の消費者サービス、
⑩.元売りカード、一般提携クレジットカードなどへの対応 ・・・ 不在時対応、決済条件の利便性、地方高齢者などには「自動引き落とし」
⑪.大手ショッピングセンターやホームセンター系企業とコラボレートした灯油代行配送業務 ・・・ 異業種とのコラボレート、配送収益の拡大
⑫.新たに「灯油以外」の通年「宅配ビジネス」展開のための商品アイテム開発。 ・・・・ 将来に向けて、地域性を加味した新たな業態開発
今年の「灯油ビジネス」がうまくいきますように・・・・・