ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
連載中!

「灯油宅配」は古くて、新しい、最先端のIT宅配ビジネスなのです。

2012年02月14日 09時01分10秒 | Weblog

私は、システム屋としての仕事や灯油ビジネスのアドバイザーとして石油業界のいろいろな立場の方と面談しています。

ここ数年、「オール電化」などの普及もあり、
SS店頭販売オペレーションを中心としている経営者の中には、
「灯油の時代は終わった。」というような見解が増えていたように思います。

理由は、ほかにもあったと思います。
季節商品であることから、オフシーズンの配送車両設備や人件費コストの問題。
特に、セルフ化などで社員を大幅にリストラしたため「配達業務」ができなくなり中止した企業もあります。
どうも、これまでSS業者は「配達」という業態そのものを「古い業態である。」と考えている節もあったように感じます。

その結果
ガソリンの価格を他店よりも安く設定してまずは集客し、店頭で「油外収益」を稼ぎ出すという考え方が蔓延し過激な価格競争がさらに激化した結果、現在があります。
これまで、経営の視点を「SS店頭中心」においてきた企業が多かったことは事実であり、このことは現在に至るまで変わっていません。
灯油に関する、「脇の甘さ」が異業種参入を招き、ホームセンターなどの「店頭現金売り価格」により店頭販売のシェアを奪われ、
さらに、SS店頭の灯油販売は壊滅的なダメージを受けたという経緯があります。
その隙間を狙った「灯油巡回販売」という専業者的なビジネスモデルが派生したことで、SS業界の灯油店頭ビジネスは、さらに弱体化しました。

一部、PBのSSなどで、「灯油に強い」企業は、かなり業績を上げていますが、
SS店頭だけでは場当たり的な「仕切り情報」に振り回されて、中長期的なピジョンを見いだせない企業が多いようです。
原油価格や大手外資系の仕切り情報に振り回されているのが現状です。
みずから、「独立系」を選ぶなら、もっと消費者ニーズに目を向けた、独自性をもったビジネススタンスが必要だと感じます。
これは、私自身が体験してきた現実ですから、よくわかります。

私がこれまで感じてきたことは、石油ビジネスの中で「灯油」は最も消費者に近いところにあるということです。
灯油に強いSSは経営力が強く、淘汰されたり、倒産するケースは非常に少ないということ。

灯油ビジネスの優位性と特性はいくつも挙げられます。
・キャッシュフローが大きいため手元資金に余裕が出ます。
・灯油は非課税商品ですから、ガソリン(53.8円/㍑)、軽油(32.1円/㍑)と比較して運転資金も少なくて済みます。
・「灯油配送」を利用している消費者は、安定率が高く固定化される傾向が強い。
・石油機器類などの関連商品(修理も含む)の「ホームライフ事業」としての「油外収益」がSS部門より大きい。
・最近では、消費者に配送コストに関する認識が浸透し「配送灯油」の価格が安定してきたこと。
・システムを駆使することで、「受注体制」、「配送業務の合理化」、「エリア戦略による顧客囲い込み」が容易であること。
・他の店頭油外販売オペレーションと異なり、競合他社が気づかない「ステルス型」ビジネスで「先手必勝」の展開が可能なこと。

・さらに、最近では高齢化社会を迎え、地方だけでなく、大都市部でも灯油を起点とする「宅配ビジネス」のニーズの急速な高まりを感じます。


これまで、SS業界では「油外収益」と称する、多くのビジネスモデルが泡のごとく派生しては消えていったものです。
特に、「カーライフ事業」では、その成果がまばらのようです。
キャリアの少ない、未体験分野の新規ビジネスを軌道に乗せるには、時間と労力を要することを痛感している企業が多いと思います。

「灯油配送ビジネス」はSS業界にとっては、「勝手知ったる」基本的なとなるコアビジネスです。
配送車両やスタッフなども有効活用できますから、投資リスクも少なくて済みます。

そして、今後は灯油ビジネスの季節な弱点を補うべく、SSの灯油を起点とする「宅配ビジネス」の可能性が拡大しています。
これまで、系列から与えられてきた販売手法などの既成概念を取り払い、「創造性」を発揮できる分野です。
これまでの「ガソリンスタンド」を新たな「宅配」というビジネスモデルで蘇生させるため、
「雪ん子」はさらなる、バージョンアップを進めてまいります。
ご期待ください。


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