ここ数日、名のある大手ディラー様を巡回してきました。
九州から、北陸、関東、大手といわれる企業でもSS部門についてはかなり苦戦していると感じました。
不振の石油リテール部門にあって、
多くの企業で今シーズンの「灯油外販部門」だけはシーズン終盤まで好調だったようです。
そんなわけで、早くも灯油部門のシステム見直しが開始されています。
全国各地において、SSの閉鎖やセルフ化により配送過疎地帯が発生しており、灯油ビジネスに関しては個々の企業で商圏拡大の可能性が発生しています。
灯油のオフシーズンに向けて、新たな「宅配アイテム」やホームライフサービスの模索も開始されており今後の動きが注目されます。
地域性や企業の特性を生かした新たな模索については「独創性」のあるものが多いわけですが、
ほとんどの企業が創意工夫と試行錯誤を重ねていると感じました。
うまくいけば、すぐに真似をされて類似する競合企業が派生することになるという懸念を持つ企業も多いわけで、
かなり慎重に進めているところも多いようですから、当ブログなどでその内容をお知らせすることは当面控えさせていただきます。
「灯油配送」を通年宅配ビジネスの「切り口」としてとらえる事で、新たな可能性を見出すという動きが盛んになってきたようです。
最大のポイントは、「顧客管理データベース構築」となるわけですが、こればかりは地道な努力と時間が必要です。
高齢化が進み、車を持たない老人世帯や現金客なども多いわけですから「現金客のマスタリスト」保持と整備なども必要です。
このことで、リフォームビジネスなどの可能性も拡大しているようです。
「不在時給油」などに対応するべく、一般クレジットカードなどへの対応も増えており、
SSを起点とする宅配ビジネスとホームライフビジネスはさらに拡大することになりそうです。
中堅以上の有力企業では、ガス部門や独自部門を統合するためのERP基幹業務統合系システムの構築も進んでいます。
リアルタイムな収益状況の把握と業務省力化を目指す基幹系システムの見直しですが、
これについては、かなり時間と予算もかかりますし、人的な要因により大きな格差が出ているようです。
何より、「石油流通ビジネス」の直売部門などの特殊性もありますから企業としての考え方やパターンも多様です。
我々は、すでに石油業界の直売部門を中心とするERP構築を何社も手掛けた経験がありますが、
最近の新仕切り体系への対応や「軽油税納税管理」などの特殊性がポイントとなります。
今年は、石油業界のビジネスとシステムも大きく変化する年になりそうです。
セルフ化が進み、「ガソリンスタンド」はすでに自販機施設のような感じになっており、
SS店頭ビジネスだけで利益を上げられる時代ではないという見解をもつ経営者の方が増えています。
石油流通ビジネスで利益を上げるためのビジネスモデル構築には、
IT環境の知識だけではなく、さらに業務に特化した知識とキャリア、そして創意工夫が求められているように感じます。
先進的な企業と古い体質の企業では雲泥の格差が発生しています。
問題は、やはり人的な資質と改善意欲ですね、
石油業界の特殊性な商習慣や複雑な流通体系などを考えると、「直売部門」などは単に表面的なITの知識のみでは対応ができないとも感じます。
一歩間違えると、時間と労力の無駄だけでなく、実務とかけ離れた混乱を招くことにもなりかねません。
難しい時代が到来しています。
今年は、石油流通業界にとって予想以上の変化と試練が待ち受けているようにも感じられました。
ここ数日、大変勉強をしてきたような気がします。