ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
連載中!

石油ビジネス、変化と試練

2012年03月15日 04時53分30秒 | Weblog

ここ数日、名のある大手ディラー様を巡回してきました。
九州から、北陸、関東、大手といわれる企業でもSS部門についてはかなり苦戦していると感じました。

不振の石油リテール部門にあって、
多くの企業で今シーズンの「灯油外販部門」だけはシーズン終盤まで好調だったようです。
そんなわけで、早くも灯油部門のシステム見直しが開始されています。

全国各地において、SSの閉鎖やセルフ化により配送過疎地帯が発生しており、灯油ビジネスに関しては個々の企業で商圏拡大の可能性が発生しています。
灯油のオフシーズンに向けて、新たな「宅配アイテム」やホームライフサービスの模索も開始されており今後の動きが注目されます。

地域性や企業の特性を生かした新たな模索については「独創性」のあるものが多いわけですが、
ほとんどの企業が創意工夫と試行錯誤を重ねていると感じました。
うまくいけば、すぐに真似をされて類似する競合企業が派生することになるという懸念を持つ企業も多いわけで、
かなり慎重に進めているところも多いようですから、当ブログなどでその内容をお知らせすることは当面控えさせていただきます。

「灯油配送」を通年宅配ビジネスの「切り口」としてとらえる事で、新たな可能性を見出すという動きが盛んになってきたようです。
最大のポイントは、「顧客管理データベース構築」となるわけですが、こればかりは地道な努力と時間が必要です。
高齢化が進み、車を持たない老人世帯や現金客なども多いわけですから「現金客のマスタリスト」保持と整備なども必要です。
このことで、リフォームビジネスなどの可能性も拡大しているようです。

「不在時給油」などに対応するべく、一般クレジットカードなどへの対応も増えており、
SSを起点とする宅配ビジネスとホームライフビジネスはさらに拡大することになりそうです。

中堅以上の有力企業では、ガス部門や独自部門を統合するためのERP基幹業務統合系システムの構築も進んでいます。
リアルタイムな収益状況の把握と業務省力化を目指す基幹系システムの見直しですが、
これについては、かなり時間と予算もかかりますし、人的な要因により大きな格差が出ているようです。
何より、「石油流通ビジネス」の直売部門などの特殊性もありますから企業としての考え方やパターンも多様です。

我々は、すでに石油業界の直売部門を中心とするERP構築を何社も手掛けた経験がありますが、
最近の新仕切り体系への対応や「軽油税納税管理」などの特殊性がポイントとなります。

今年は、石油業界のビジネスとシステムも大きく変化する年になりそうです。

セルフ化が進み、「ガソリンスタンド」はすでに自販機施設のような感じになっており、
SS店頭ビジネスだけで利益を上げられる時代ではないという見解をもつ経営者の方が増えています。

石油流通ビジネスで利益を上げるためのビジネスモデル構築には、
IT環境の知識だけではなく、さらに業務に特化した知識とキャリア、そして創意工夫が求められているように感じます。

先進的な企業と古い体質の企業では雲泥の格差が発生しています。
問題は、やはり人的な資質と改善意欲ですね、
石油業界の特殊性な商習慣や複雑な流通体系などを考えると、「直売部門」などは単に表面的なITの知識のみでは対応ができないとも感じます。
一歩間違えると、時間と労力の無駄だけでなく、実務とかけ離れた混乱を招くことにもなりかねません。
難しい時代が到来しています。

今年は、石油流通業界にとって予想以上の変化と試練が待ち受けているようにも感じられました。
ここ数日、大変勉強をしてきたような気がします。


少数精鋭のコマンド部隊。

2012年03月12日 05時27分05秒 | Weblog

我々のようにシステム開発や販売を行う業者のことを「ソリューションベンダー」といいます。
用語だけ聞けば、IT最前線で仕事をする格好の良い職種のようにも聞こえますが・・・
現実はそんなわけにはいきません。

「開発作業」とはいっても、先ず何を開発するのか・・・・、そこからスタートするわけです。
世に出して価値のあるモノ、まず市場性がなくてはビジネスとして成立しないわけですから大変です。
ですから、二番煎じのように真似をする業者も多いわけです。

我々のように、独自性のあるものを自ら開発して世に問う仕事は苦労の繰り返しなのです。
「灯油配送管理システム」は、25年以上も前に自社で使用するために開発していたものです。
当時、私は田舎のガソリンスタンド経営者でした。
ウィンドウズも無い時代になんとパソコンで自社で使用するための「直売システム」や「配送システム」を開発して動かしていたのです。

当時、すでにシャープから自社用の石油流通システムをのオフコンを導入して運用を開始していたのですが、
機能自体に不満があって、自ら開発してみようということからスタートしたわけです。

何も知らない人間が、コンピューターのシステム開発に着手したわけですから大変でした。
シャープシステムプロダクトのプログラマーを自宅に宿泊させて作業させたり、
自社でプログラマーを養成したり大変な時間と資金を投入したものです。

システムにデータを入力しては、検証の繰り返しで専門スタッフを置いたり、
今考えれば、気が遠くなるほどの時間とお金を投入したことになります。
当時、シャープの市ヶ谷で開催された「SSパワーアップフェア」でシステムセミナー講師を2年ほど務めたこともありました。
あの頃は石油ソリューションの黎明期で参加者も多かったですね。

しかし、そのまま順調に推移したわけではありません。
バブルが崩壊して、自らのビジネスが挫折して、ゼロからというよりも「マイナス」からの再スタート。
その頃には、「灯油配送システム」にも競合するシステムが派生してハンディキャップレースのような苦しい販売競争を強いられてきたという経緯もあります。

しかし、
「軽油税納税管理システム」、「直売システム」が、多くの特約店企業様に認められて企業としての命を永らえてきたという事実もあります。
少ない人数で、「開発」と「販売」の両輪を成立させるには大変な労力を要するものです。
昔のように、余裕を持って本業の利益をつぎ込むようなわけにはいきませんから、
みずから「食いつなぐ」ための必死の仕事となりました。

そんな時の「強み」はまさに、業務キャリアです。
石油ビジネスにおける過去の現場キャリアを、これだけもった開発業者は少なかったと思います。

現在でも、開発と販売の両輪を上手く成立させるために苦労しています。
開発に専念しては、赤字を出してまた営業でリカバリーするという作業の繰り返しです。

それでも、最近では少しだけ自信と結果が生まれています。
どんな仕事でも時代の変化が生み出す試練があるものです。

我々のビジネスは石油業界の変化と試練と一心同体にあると思います。
共有する課題をともに解決するための戦いはまだまだ続きそうですが、
最近では「この先」にある「何か・」が少しだけ見えてきたような気がしています。

「少数精鋭」の本物のビジネスコマンドを要請し、ランボーのような闘うビジネスを展開してまいります。


石油流通は、まさに最先端のITビジネス

2012年03月09日 11時40分10秒 | Weblog

イランを中心とする中東情勢に緊張感が高まっています。
石油業界でもホルムズ海峡閉鎖時の影響の話題などが懸念事項として浮上しているよです。

石油流通ビジネスのすそ野は広いですから、それぞれの立場で懸念事項を想定した取り組みが開始されています。
昨日伺った大手ディラーでもそんな話題がでていて、すでに社内対応に関する打ち合わせが開始されているようです。
危機管理やBCP対策が問われていいる現在の経営環境です。

そんななかでも
リテールの零細業者はまだまだ平和で、当面の高騰する単価変動ばかりに眼が行っているようですが、・・・
最近、大手ディラーなどではすでに、緊急時対応の「枠組み出荷」などを想定した取り組みも開始されています。

最近の大手有力ディーラーにおける『石油直売流通管理システム』は
与信限度額管理(金額ベース。仕入・売り)、油種別数量枠設定管理(仕入・売り)、
複数仕入先を前提とする「新・仕切り」対応の「リアルタイム単価把握」、などなど
石油ビジネスの時代の潮流に沿った機能まで求められており、クラウド化によりすでに元売システム以上の凄いシステムが動いています。

多くの販売店や大口直需ユーザーを抱える有力特約店企業にとって
SS店頭POSと勘定系処理による請求書作成などの基本機能だけではこれからの時代を勝ち抜くことはできません。

仕入調達に関するリアルタイムな原価把握ができなければ、「売りも立てられない」という現実があります。
特に最近の中間流通では少ないマージンで、大量のボリュームを取り扱わなければ収益確保もままならないわけですから、
業務のスピードアップと省力化が至上命令ともなっています。

以前は元売から提示されてきた『枠組み出荷』などを、今後はサブ店や大口直需ユーザーなどに自ら組んで流通管理しなければならないわけです。
今までの業務内容を見直しながら改善を進める努力を求められています。
単純なSS運営オベーションとは異なる、本格的な石油流通管理体制を構築しなければ、サブ店まで一網打尽に淘汰されてしまいます。
特約店にとっては難しい時代なのですが、やり方によっては確実に利益が出せるビジネスだともいえます。

ここにきて、必要な専門的な情報取得環境も問われており、この部分が明暗を分ける生命線ともなってきました。

もはや、石油ビジネスは最先端のITビジネスに生まれ変わる時代なのだと痛感しています。


なにか儲かる商売はないものか・・・

2012年03月07日 10時39分13秒 | Weblog

SS業界では最近
ガソリン販売に依存しない。
または、依存率を低くするという経営努力がなされていますので、色々なビジネスモデルの模索が開始されていますが、

確かに、昨今のように市況変動が激しいと、仕入れ情報に振り回されたり目が行ってしまい。
将来的な経営展望を見いだせないという現実から、石油業界の経営者の方の不安も増幅しているようです。

商品格差がない商品を売るには、どうしても「価格」が大きなファクターとなるのは当然ですから
いつまでたっても、価格競争で「堂々巡り」だと嘆く経営者の方も多いわけです。

新規参入するとなれば、
まったく関係ない業種よりも「車」をキーとする「カーライフビジネス」が有利というわけで、
「車検」、「板金」、「中古車販売」、「格安レンタカー」などが盛んですが、
ここでも、諸般の条件で成否はまだら状態のようです。

最近SS業者が新規参入するのは「外食産業」なども多いようです。
「味が勝負」の商売でしたら、商品格差もつけやすいということのようですが、
これもまた、難しい商売です。私も経験があるのでよくわかります。

業種転換や異業種参入に関しては、別にSS業界だけの話ではないわけで、
多くの業種が構造的な変化を迎えている現在ですから、すでにいろいろな業界でいろいろな模索がなされていますね。

日本中の経営者が何か儲かるいい仕事はないものだろうかと一生懸命なのですから大変です。
少しばかり景気がよさそうな仕事があれば、すぐに真似して追従し過当競争となるわけです。

なかなか、楽して儲かる仕事なんてあるはずがありません。






「灯油ビジネス」の最新情報を配信します。

2012年03月06日 11時11分41秒 | Weblog

毎年作成している、「灯油ビジネスの小冊子」を作成しました。

今年のテーマは灯油ビジネスにおける「季節感の克服」
最近全国で模索されている、新たな宅配ビジネスモデルの入門編。

「雪ん子」によるクレジット対応。
「油外商品」販売に関する内容。
などの入門編となっています。

ご要望の方にはメールにて配布を開始しています。

お申し込みは、
suga@yukinkonet.com
にて無料で承ります。

今年からPDFにてメール送信をさせていただきます。
ご希望の方はお申し付けください。

さらに、クラウドなどのシステム内容について興味のある方には、
現在当社とアイネット社で進めているデータセンターを活用した内容事例などもご紹介します。
http://www.inet-datacenter.jp/

お気軽に、お申し付けください。


「人生の楽園」

2012年03月05日 06時15分36秒 | Weblog

風邪のせいなのか、下痢気味で一晩中トイレに行ったり来たり・

今朝起きたら、一面の雪世界。まったくよく雪が降る年ですね。

週末には、異業種の方とあって世相の談義を交わしていました。

今話題の半導体メーカーの方、自動車関連業界の方、輸送関係、お寺のご住職、薬品関係、金融関係など多種多様な方がいて面白かったです。
皆さんちょうど還暦を迎えた程度の世代なので年金の話題やら、それぞれの人生設計などをお聞きして勉強してきました。
ほとんどの方が60才で年金を貰っているようですね。
年金を受給すると給与所得に制限があるようで、受給する年金が減額されることがあるらしい。
かくいう私も、年金を受給するに際して税理士から給与制限を受けています。
まだまだ労働意欲もキャリアも能力もあるのにもったいない話です。

「人生の楽園」というテレビ番組がありますが、
充分な退職金と年金を貰って、生活コストの安い南の国で奥さんと優雅に暮らしてみたい。
1ヶ月10万円もあれば、メイドさんを雇って、ゴルフをして暮らせるなんて夢のようなことを考えている方もいるわけですが、現実はなかなか思うようにはいかないようです。

どうも我々の世代の日本人は、土着型の考え方から脱却できなくて、夢はあっても行動が伴わないようです。
年金受給を65才に引き上げるなら、老後の仕事も生きがいを持ってできるような政治の工夫が必要ですね。
経済の活性化は、熟年層の「ヤル気」をもっと利用すべきだとも思います。

私のように、ライフワークとしての仕事を持っている人間は、
お金がなくても「生き甲斐」があるわけですからありがたいと思いましょう。

生活に不安のない程度のお金があっても、生き甲斐がなければ面白くないようです。
仮に、使いきれないほどのお金があって、豪華客船で世界一周の旅をしてみても時間をつぶしているだけかもしれません。

昔の人は、お金について、
『足りなければ分け合い、余れば奪い合う』
だから、ちょうど良いくらいで満足すべきだといいました。

「立って半畳、寝て一畳、天下とっても二合半」。
うまいことを言ったものです。


籠城生活

2012年03月02日 09時33分28秒 | Weblog

毎年この時期になると霧が深くなる軽井沢です。
先日の雪もほとんど溶けていますからだいぶ暖かくなったようです。

仕事の遅れを取り戻すべく全力疾走を開始しています。
今年の灯油ビジネスが順調であったことからだいぶオファーも増えており忙しくなりそうです。

最近は、SS企業が「宅配」をキーとして異業種に参入するケースも増えています。

冬場の冬眠から覚めてこれから全国を飛び回るためにドキュメント類整備に頑張っています。

今日も一日会社に閉じ籠って作業中。
週末から日曜日にかけて最終段階の作業です。


あれから一年、また春が来る

2012年03月01日 05時32分39秒 | Weblog

浅間根のけぶるそばまで畑かな  (一茶)

 雪を覆った雄大な浅間山。
しかし、もうすぐ春がやってきます。

東日本大震災からはやくも一年。
昨年の今頃は三陸方面で仕事をしていました。

あれから一年、
時の流れは本当に早いですね。
最近では、全国各地で予測されている地震対策の報道が気になります。

災害と企業におけるBCP対策。
油断せずに、準備しておきましょう。