野球少年は夢を見る…MLB篇

Major League Series 2022

野茂、最初の3点(14日・カンザスシティー)

2005-05-16 19:35:40 | Tampa-Bay Rays
 キャッチャーのトビー・ホールが「野茂は2回以外は凄かった」と言わしめた、その【2回裏】カンザスシティーの攻撃。先頭の4番「元・中日ドラゴンズ」の肩書きが(もはや)古くなった「苦手」マット・ステアーズにライト前ヒットを浴びる。5番(右の)エミル・ブラウンもストレートの四球で歩かせ、6番テレンス・ロングにレフト前に流し打たれ、ノーアウト満塁! 7番(右の)ジョン・バックにも「3-2」にして、地元スタンドは大歓声。結局、フォークに手を出してもらえず、押し出しの四球で1点。

 8番「若い」マーク・ティーエンはファーストゴロに打ち取るが、その間にブラウンが還って、2点目。9番ルーベン・ゴータイには「2-2」からフォークで空振り三振。1番「松井秀喜から新人王(ルーキー・オブ・ザ・イヤー)を奪った男」(右の)エンジェル・ベロアにもフォークで攻めるが、センター前にグラウンダー(ゴロ)でヒットを浴び、3点目を献上。この3点。初回に味方が1点を先制していたから、「1対3」。この最初(立ち上がり)の「3失点」が悔やまれる。

【3回裏】は(右の)トニー・グラファニーノをショートゴロ。4番「苦手」ステアーズを歩かせるが、5番ブラウンをフォークでサードゴロ併殺。【4回裏】は先頭のロングをセカンドゴロ。7番バックを平凡なセンターフライ。8番「ルーキー」ティーエンをレフトフライ。2イニング連続で3者凡退に打ち取る。

【5回裏】9番ゴータイをセンターフライの後、1番「憎っくき敵」ベロアに右中間を破られ、スタンダップ・ダブル。2番デヴィット・デヘーススには「0-2」から見事な、この日一番のフォークで空振り三振! 3番グラファニーノもイン・ハイの速球で詰まらせて、ファーストフライ。ピンチを感じさせない安定したピッチング。

【6回表】に味方が1点を返し、尚2アウト、1,2塁で、7番「今日も打ってくれた!」クリス・シングルトンの左中間を破るダブル(2塁打)で2者が還って、「4対3」逆転! 「ベテラン」シングルトンは、野茂にとって、「第1次」ロサンジェルス・ドジャース時代のラウル・モンデシー、ボストン・レッドソックス時代のブライアン・ドーバック、か?

【6回裏】4番「苦手」ステアーズにやはり「0-3」からストレートの四球。3塁側ダッグアウトでは、ピッチング・コーチがすかさず、ブルペンにコールしている。そろそろ交代の時機を探っているか? 5番ブラウンにも「3-1」にして、17,151人のスタンドが盛り上がる。結局、フォークを見送られ、四球(ウォーク)。ノーアウト1,2塁。6番ロングはポップ(ショート)フライに討ち取り、その瞬間、思わずキャッチャー・ホールがミットを叩く。

 7番バックにもフォーク攻め。レフトへ大飛球を飛ばされるが、事なきを得る。2アウトになって、ここでルー・ピネラ監督、登場。よもやの「交代」を覚悟したが、何故か一言だけアドヴァイスして、野茂に任せてくれた。その期待に応え、8番のルーキーを「1-2」に追い込むが、勝負球のフォークを捉えられ、ライトにライナー! その瞬間、野茂も「あっ」と振り返るが、ライトがほぼ正面でキャッチして、3アウトチェンジ。

 ダッグアウトに戻った野茂に、ピネラ監督が声をかけ、「交代」の握手。野茂は了承しながらも、悔しそうに目の前のウォーターBOXを軽く叩く。【6回裏】のピッチングに納得が行かなかったのだろう。「苦手」ステアーズに四球(ウォーク)。「天敵」は、野茂のピッチングのスムースさを阻害する最大要因となった。

「4対3」で降板。当然「勝ち投手」の権利を持っていたのだが、【8回裏】の土壇場にリリーフ陣が打たれ、「4対6」。【9回表】に1点を返したものの、「5対6」でゲーム・エンデイング。野茂の「通算199勝」(今シーズン3勝)目が逃げていった。
 次回は古巣デトロイト・タイガース戦(19日)か(?)。この日のようなピッチングをしていれば、勝ち星が付くのは時間の問題。ただ心配なのは、勝ち星が付かない間に調子を崩してしまうことだけ。勝ち星はピッチャーにとって、最良のビタミン剤だろうから……。