野球少年は夢を見る…MLB篇

Major League Series 2022

イチローの怒り!(11日・ニューヨーク)

2005-05-13 14:02:24 | Seattle Mairners
 イチロー(シアトル・マリナーズ)の怒り……初回に自らの内野安打を足掛かりに、リッチー・セクソンの3ランとブレッド・ブーンの2ランで5点を先制しながら、先発の左腕ジェイミー・モイヤーがその裏に5失点。【4回表】の第3打席では、同点に追いつくホームランを放ち、味方打線に火を点け、4点をもぎ取り、「9対6」にしながら、その裏に2番手の左腕マット・ソーントンが打ち込まれ、「9対9」。そして信じられないことに【5回裏】もそのソーントンが続投して、さらに3点を奪われて、「9対12」。

「9対9」同点の【5回裏】からは、この日3番手で好投した長谷川滋利を登板させるべき、だった。安定したブルペンを誇るマリナーズ。左腕のソーントンに拘る必然性は何もなかった。マイク・ハーグローヴ監督、≪名将≫の誉れ高いが、そろそろ、その資質を疑ってかかるべきか? 第1戦(9日)も「3対3」同点の【8回裏】にベテラン、ジェフ・ネルソンを起用して、むざむざ決勝点を与えている。

 イチローの怒りは二度。【6回裏】デレック・ジーター(ニューヨーク・ヤンキース)のライトポール際の「明らかな」ファウルフライを「ホームラン」に判定されて激怒。血相を変えて、抗議していた。一番近くで見ていただけに、必死の形相だった。(オリックス・ブルーウェーヴ時代からの同僚)長谷川が投げていただけに、余計に血が昇っただろう。長谷川の抗議も凄かった。
 そして、試合後に「流れもクソもない!!」と報道陣相手に怒りの表出。悔しい試合だっただろう。自身のライト頭上にホームランが3発飛んで行き、そのたびにフェンスによじ登り、“スパイダーマン・キャッチ”を試みたイチロー。必死の抵抗、勝利への執念を見せた。そんな「個」の思いに組織としてチームが応えられない、これは深刻、だ。

野茂の199勝、井口が阻む?(9日・フロリダ)

2005-05-12 21:07:26 | Tampa-Bay Rays
 シカゴ・ホワイトソックスの1番スコット・ポドセドニックをいきなり四球で歩かせて、この日、ライトに入ったクリス・シングルトンが思わず帽子を取って、額の汗を拭い、ライト線寄りに守備位置を変えながら、顔を掻く。「打たせろヨ」とでも言いたげ、だ。2番・井口資仁を迎える。初球(85MPH)がアウトサイドに際どく外れて、2球目。「スピード・スター」ポドセドニックが走って、盗塁成功。3球目(87MPH)が外れて、「2-1」からの4球目。「86MPH」を巧く流し打たれて、シングルトンの予測通り、打球はライト線へ。ポドセドニックが還って、早くも「1対0」。

 3番カール・エヴェレットにも「3-1」にして、4球目(88MPH)5球目(89MPH)ファウル。力の勝負を挑んで、最後はフォーク(81MPH)で完全に詰まらせたが、これがショート前の内野安打になって、1,3塁。4番ポール・コナーコには初球フォーク(81MPH)でストライク。2球目、汗を滴らせながら、キャッチャーのサインに首を振り、投じた球はフォーク(80MPH)。これで空振りを取って、「0-2」と追い込んだが、3球目に力勝負「89MPH」で行って、これをセンターに弾き返され、犠牲フライになって、「2対0」。

【3回表】9番ホアン・ウリベに「1-2」と追い込みながら、フォーク(81MPH)をフルスイングされ、痛烈に三遊間を抜かれる。1番「スピード・スター」ポドセドニックには、初球にセーフティーバントを決められ、ノーアウト1,2塁。ここで2番・井口にサクリファイス(犠牲バント)を決められ、1アウト2,3塁のピンチ到来。それにしても、ダッグアウトに戻ってからの井口を迎えるナインのハイタッチの数が凄い。まるでホームランを打ったバッターを迎えているような光景、だ。これもメジャー流。

 3番エヴェレットに初球のフォーク(78MPH)で空振り。エヴェレットはヘルメットをコツンと叩き、自らを戒めて、2球目のフォーク(79MPH)は見送り成功。しかし、3球続けたフォーク(79MPH)には反応して、チェックスウィング。判定は「ストライク」。打席を外して、エヴェレットはうんざりした顔で、首を振っている。4球目もフォークの連投(80MPH)でファウル。何とかバットに当てたエヴェレット。打席を外し、やはり首を振り、今度はバットでヘルメットをコツンと叩いて、打席に戻る。5球目は「89MPH」のファストボール。真ん中低めに決まって、完全に意表を突かれた、エヴェレット、見逃し三振!

 その瞬間、思わず、1塁側の敵のダッグアウトに歩を進めようとした、エヴェレット。しかし、思い直して、その自らの(ちょっと)恥ずかしい行為を糊塗する為に、球審の判定に文句を言うポーズを取るエヴェレット。本当は野茂のピッチングに脱帽した、のだろう。兜を脱いで、直ぐダッグアウトに帰るつもりが、方向を間違えた。強面(こわもて)だが、なかなか御茶目な(?)エヴェレット。一流のバッターとピッチャーの見応えのある対決、だった。

 依然として、大粒の汗を滴らせながら、マウンド上の野茂。4番コナーコにも初球フォーク(80MPH)で入り、2球目(84MPH)も外れ、「0-2」。3球目は「新球」カットボール(84MPH)で「1-2」。4球目(80MPH)で「1-3」。5球目(85MPH)でファウルを打たせ、「2-3」。ラストボール=6球目は渾身のファストボール(90MPH)! しかし、これがアウトサイドに大きく外れて、野茂はその瞬間、大きな声を出して、悔しがる。2アウト満塁になるが、5番アーロン・ロワンドを3球勝負で空振り三振に仕留め、ピンチ脱出。

【4回裏】にシングルトンのタイムリーで1点を返したデヴィルレイズ。【5回表】を3者凡退に抑え、【6回表】のマウンドに上がった野茂。4番のコナーコに1球(84MPH)を投じて、2球目。振りかぶって、いつものように左足を振り上げたものの、そのまま着地。よくあるバランスを崩しただけ、かと思ったのだが、左の太腿の裏を押さえている。ピリッときたか? 痙攣? 野茂はマウンド上で寝っ転がって、トレーナーから治療を受けたが、状態は変わらず、そのまま降板。「1対2」のスプリット・スコアの場面だったのだが……

 この後、味方が【6回裏】に、デーモン・ホリンズのトリプル(3塁打)で同点に追いつき、さらにシングルトンのタイムリーで勝ち越し。【7回裏】にも加点して、「4対2」。デヴィルレイズの逆転勝利。「快進撃」ホワイトソックスの連勝を「8」で止めた。野茂の「199勝」を阻んだのは、左の太腿だった。せっかく、いいピッチングをしていて、降板した後に、味方が逆転してくれたのだが……「次」は14日(日本時間・15日)カンザスシティー・ロイヤルズ戦。症状は軽く、予定通りに先発する。

藪、1回7失点(9日・ボストン)

2005-05-11 13:57:07 | Oakland Atheletics
 藪恵壹(オークランド・アスレティックス)が、9日のボストン・レッドソックス戦で1イニング7失点。打たれ出すと止まらない阪神タイガース時代の悪い癖が顔を覗かせたか? これで(本人は必ずしも望んでいないが)先発(スターター)への道は遠のき、中継ぎ(セットアップ)でも、この日は3点差。これからは3点差以上の場面での起用になるかもしれない。しかし、場所はボストン・フェンウェイパーク。あの異様なムードに呑み込まれたのかもしれない。前回のニューヨーク・ヤンキースタジアムとはまた別の異様なムードだから……。

GMの首

2005-05-10 22:10:18 | New-York Yankees
 今、ニューヨーク・ヤンキースのGMブライアン・キャッシュマンの首(地位)は風前の灯である? 悉く戦力補強に失敗。2001年にアリゾナ・ダイヤモンドバックスに「世界一」を阻まれて以来、この5シーズン、失敗を繰り返している。今シーズンこそ、と待望のランディー・ジョンソン獲得に成功したが、カルロス・ベルトランは、ニューヨーク・メッツのオマー・ミナヤGMにしてやられ、結局、バーニー・ウィリアムス「問題」に直面することになった。

 セカンドに日本人・井口資仁(シカゴ・ホワイトソックス)の獲得を見送り、トニー・ウォーマックを据えたが、外野へコンヴァート。代わりに起用した若手ロビンソン・カノは実力不足。スターターのベテラン・ケヴィン・ブラウンは試合を壊しまくり、右肩痛持ちのジャレット・ライトは古傷を再発させ、DL入り。これだけ不始末が続いて、よくまだ地位が安泰しているな、という印象だ。「若き敏腕GM」という、過去の異名が、未だに<幻想>となって続いているのか? 

野茂の199勝、松井が阻む(4日・フロリダ)

2005-05-07 22:07:19 | Tampa-Bay Rays
 珍しく初回を3者凡退で切り抜けた、野茂英雄(タンパベイ・デヴィルレイズ)。【2回表】先頭の4番・松井秀喜(ニューヨーク・ヤンキース)に初球フォーク(77mph)で空振り。2球目(79mph)ボールの後、3球目のフォーク(79mph)を打たせて、サードフライ。ブーイングで迎えられた、5番「週間MVP」アレックス・ロドリゲスには、初球(78mph)を叩かれ、打球はレフトスタンドへ舞う! 先制のホームラン(第10号)を許す。その裏、味方が2点を返して、「2対1」。

【3回表】にも、先頭の8番ティノ・マルティネスを歩かせ、9番「若い」ロビンソン・カノにも、1,2塁間を破られる。カノはこれがメジャーリーグ初ヒット。野茂が献上した。野茂が初ヒットを献上したメジャーリーガーは「大物」になる、という説があるが(?)、カノはどうか? ノーアウト1,2塁。1番デレック・ジーターはショートゴロに打ち取るが、セカンドの1塁への送球が逸れて、1アウト1,3塁。ここで「野茂に強い」(対通算打率.345)の2番トニー・ウォーマックが、三遊間を抜いて、2点目が入る。「2対2」の同点。

【4回表】こそ3者凡退に封じたものの、問題の【5回表】。ここまで「8対2」味方打線の爆発で大量リード。このイニングさえ抑えられれば、勝利投手の権利を得られるのだが……8番マルティネスを抑えたものの、9番カノにまたしても、1,2塁間を抜かれ、1アウトから出塁を許す。ウォーマック・タイプのカノは、野茂の新たな「苦手」になるか? 1番ジーターを歩かせて、1,2塁。2番「苦手」ウォーマックは見逃し三振に斬るが、3番「天敵」ゲーリー・シェフィールドにレフト線を破られ、「8対3」。なお2,3塁で、バッターは4番・松井を迎える。

 初球はフォークでストライク。2球目は速球(83mph)で2ストライク。「0-2」と追い込み、地元観客の声援を受けるが、3球目は力んで、ワンバウンド(84mph)。4球目は制球しようと心掛けたフォーク(84mph)、その落ち際を松井に拾われ、センター前に落ちるヒット!! これが2点タイムリーになり、「8対5」。一気に2点差に詰められ、5番A-RODにもライト前ヒットを浴びて、ここで「御大」ルー・ピネラ監督、登場。野茂、無念の降板……。

 松井には巧く打たれた。A-RODにも、野茂なりの速球(81mph)で詰まらせたのだが、力で持って行かれた。野茂が苦手なタイプ=左の小兵タイプのウォーマックと「若い」カノにチャンスを広げられたのも痛かった。今日の野茂はコントロールは良かったのだが、その代わり球速が著しく欠けていた。そこを突かれた。遠い199勝目……野茂にとっては目の前の(今シーズン)3勝目だろうが……。

対決!藪vs.井口(26日・オークランド)

2005-05-06 23:51:46 | Oakland Atheletics
 4月26日、マカフィーコロシアム。井口資仁(シカゴ・ホワイトソックス)と藪恵壹(オークランド・アスレティックス)の巡り会いは、【6回表】1アウト、2,3塁で実現。藪の初球は「シュート」(87MPH)井口がフルスイングで応え、ファウル。2球目も「シュート」(89MPH)これを流し打った井口、ライト前ヒットがタイムリーになり、2者生還「7対4」。藪は先発(スターター)のリッチ・ハーデンと2番手の左腕リカルド・リンコンに恨まれる(?)ことになる。

 藪は続く3番カール・エヴェレットにも初球のフォーク(84MPH)を狙われ、ライト前ヒット。ライトのジャーメン・ダイがジャックル(バボ)している間に、井口は3塁へ。続く4番ポール・コナーコにも初球を狙われたが、ファウル。2球目(91MPH)は球がお辞儀して、3球目もファウル。4球目のスライダーを打たせて、センターフライ。センターのマーク・コッツエイがエラー男を制して、キャッチ。ホームにストライクの返球を送り、3塁走者・井口はキャッチャーのブロックに跳ね飛ばされ、一回転して、タッチアウト。これも、メジャーリーグの洗礼の一つか……!

【7回表】5番の「エラー男」ダイに初球(84MPH)、藪の真骨頂=インサイド高めで仰け反らせ、2球目、真ん中の速球(87MPH)で空振り!! 初球のイン・ハイが効いている。3球目(88MPH)も空振り!! 4球目(89MPH)ファウル。5球目のスライダー(81MPH)が外れて、6球目(79MPH)をセンターに弾き返されたが、好守のコッツエイがキャッチ。甘い球だったが、またしてもコッツエイに救われた。

 6番「撫で肩」のアーロン・ロワンドには、初球(74MPH)が外れ、2球目(89MPH)ストライク。3球目(88MPH)を打たせて、ショートへのグラウンダー(ゴロ)に打ち取ったが、ショートストップ、マルコ・スクタロウ(非・日本人)がバボして、1塁への送球も逸れて、1アウト1塁。本職はセカンドだけに、致し方ないか? ショートのレギュラー、ボビー・クロスビー(昨シーズンのアメリカン・リーグ、ルーキー・オブ・ザ・イヤー)のDL(故障者リスト)入りが痛い。

 7番ホアン・ウリベには3球シュートを続けて、「0-3」。併殺(ダブルプレー)を取りたい意思の表れか。ここで藪のエグい3球目のシュートを避けた際、左足の太腿を痛めたウリベ。結局、そのままダッグアウトに下がり、メジャーリーガーを壊した藪。代打にはサードのレギュラー、ジョー・クリーディーが送られた。このクリーディーが「0-3」を引き継いで、4球目(85MPH)もフォークがワンバウンド。ウォーク(四球)になって、1アウト1,2塁。

 8番クリス・ウィドガーに初球(86MPH)ボール。今日の藪はボール球が多い。調子は今ひとつのようだ。2球目はシュート(88MPH)でファウルを打たせ、3球目のカーヴ(72MPH)で翻弄、ファウル。カウント「1-2」にして、4球目のフォーク(84MPH)で空振り三振! これは藪の思う壺、術中に嵌ってくれた。

 9番パブロ・オスーナに初球(87MPH)でファウル。2球目の高速フォーク(89MPH)で空振り。3球目(89MPH)アウトサイドにズバッと決めるが、判定は「ボール」。3球勝負に意表を突かれたか、球審? 4球目、5球目のフォークは外れて、「3-2」。計算(目論み)が外れて、苦しんでいる。6球目(84MPH)ファウル。勝負の7球目はシュートがヒット・バイ・ピッチ(デッドボール)。今度は黒人の若者オスーナを壊したか? 藪。海を越えても、そのインサイド攻めの厳しさは変わらず。

 1番スコット・ポドセドニックにも3球続けて、ボール。2番・井口との再対決は間近か? スタンドの地元オークランド・ファンからブーイングが起きている。ヤバいゾ、藪!! 2アウト満塁で「0-3」。4球目(89MPH)ストライクの後、5球目(91MPH)を叩かれ、ピッチャー藪の差し出すグラブの横を抜ける速いグラウンダー(ゴロ)!! 藪は一瞬、観念しただろうが、セカンドのキース・ジンターが飛びこんで、キャッチして、2塁へトス。またしても味方の守備に救われた!

野茂、ボルティモアに沈む(29日・ボルティモア)

2005-05-02 21:48:22 | Tampa-Bay Rays
 オリオール・パーク独特のレンガのフェンス目がけて、初球(84MPH)ストライク。低めに決まる。バッターは「好調」1番ブライアン・ロバーツ。2球目も同じ球(84MPH)これをレフトに流し打たれて、ノーアウト、ランナー1塁。2番メルヴィン・モーラにも、バントで内野安打を決められ、ノーアウト1,2塁。3番ミゲル・テハダの初球にダブルスチールを決められ、ノーアウト2,3塁。ここで、テハダに一発を食らう。「3-1」から4球目のフォーク(78MPH)の落ち際を叩かれた。野茂英雄(タンパベイ・デヴィルレイズ)、初回に痛恨の3失点。

 続く4番サミー・ソーサには、初球(86MPH)ストライク。2球目のフォーク(77MPH)でファウル。これはテハダへの4球目とほぼ同じ球だ。これをホームランにするテハダと、ファウルにしか出来ないソーサと、新旧の主砲の現在の格差が透けて見える。3球目(88MPH)4球目(78MPH)ボール、5球目(87MPH)ファウル。そして最後、6球目(87MPH)で空振り奪取(三振)!! 今のソーサは野茂にとって、打ち取りやすいバッターに墜している。

 5番ラファエル・パルメイロにも、同じくファストボールと、フォークのコンヴィネーションで攻めるが、「3-2」から6球目のファストボール(86MPH)を流し打たれ、ダブル(2塁打)。野茂の「旧敵」の一人、6番ハヴィー・ロペスから「1-2」から意表を突く(?)ど真ん中高めのファストボール(89MPH)で見逃し三振に取り、7番の「若い」ジェイ・ギボンズも「2-2」からアウトサイド低めにこの日の最速「91MPH」をズバッと決め、見逃し三振。呆然と見送る若いギボンズ。野茂、貫禄のピッチングで、3失点を喫した初回のマウンドを降りた。

 しかし【4回裏】その「若い」ギボンズに「2-1」から真ん中に入ったフォーク(74MPH)を掬われ、打球はライトスタンドへ! 【2回裏】【3回裏】は打たせて取るピッチングで、好投を続けていただけに悔やまれるが、これはバッターに巧く打たれた。【6回裏】にも「旧敵」ロペスに今度はファストボール(83MPH)を狙われ、レフトスタンドに放り込まれた。

「旧敵」。ロペスが「王者」アトランタ・ブレーヴス時代に、野茂はロサンジェルス・ドジャースの青いユニフォームをまとって、「王者」の「正捕手」ロペスに立ち向かっていた。あの日、あのとき、ロペスの左中間への痛烈なライナーは、レフト(当時)ブレッド・バトラーのグラブに収まり、ゲームセット!! 野茂が完封した試合だった(1996年4月8日・ドジャースタジアム)。あの日、あのときの野茂の球威はロペスの打棒を上回り、レフトフライに封じたが、あれから10年の歳月が流れ、ロペスの打球はレフトスタンドに吸い込まれていった。

 この日、6イニングス3/1を投げて、被ホームラン3本で5失点。今シーズン3勝目はならなかった。(日米通算)199勝が逃げていった。時の流れに抗うように、マウンドに立ち続ける野茂。その勲章としての「200勝」まで、あと「2勝」。それは遠い……野茂が戦っているのは「歳月」の重みそのものか? 「次」は再び「帝国」ニューヨーク・ヤンキースと相対する。

大塚vs.中村紀、実現せず!(20日・サンディエゴ)

2005-05-01 13:46:46 | Pittsburgh Pirates
 20日のロスアンジェルス・ドジャースvsサンディエゴ・パドレス戦にスタメン・ファースト(1塁手)で起用された中村紀洋だったが、初回にサード、ホゼ・ヴァレンティンの送球に足が離れて、セーフ。このランナーが還って、1点を先取され、「1対0」で試合は推移。しかし【8回表】J.D.ドリューが、パドレスのセットアッパー・大塚晶則から起死回生の一発! 大塚は「縦スラ」は威力あるが、真っ直ぐが高くて、球威も足りない。今シーズンは苦労しそうだ。その大塚と対戦目前に代打を送られた中村……。

 かつての大阪近鉄バファローズの同僚同士の対決が実現寸前だったが、「非情なり」ジム・トレーシー監督は代打の切り札、リッキー・レディーを送り、見事に大塚の縦スラの前に空振り三振!! 大塚が「意地」を見せた。試合は延長【10回表】に2点を取ったドジャースが逃げ切って勝利。「好調」ドジャースはこれで「8連勝」!! それにしても、代打を告げられて、バットを2~3本抱えて、ダッグアウトの裏に消えていく中村紀は寂しそうだった……日本からやってきたのに、こんな屈辱の連続。ノリは耐えられるのか?