子育てで意識しないと、
ふつう「100点とったら褒める、とれなかったら叱る。」となりがちです。
そういうご両親に、私が「褒めてあげて下さい」とお願いしても、「100点とったら、褒めていますよ。」とおっしゃいます。
しかし、これが勉強嫌いにする最大の原因です。
なぜなら、お子様が小学校受験勉強を始めたばかりの発展段階では、まだそう実力がついていません。だから、100点より100点をとれないほうが圧倒的に多くなります。
親はちゃんと褒めているつもりでも、結果、褒めるより叱るほうが多くなっています。
これでは、「勉強すると叱られる。」となり、勉強が嫌いになります。
それに日々の勉強で100点とったら褒めても、本当に心から喜び、褒めてあげられるのは、志望校に合格したときです。つまり、結果で褒めていると受験が終わるまでの当分の間、心から褒めて上げられないのです。
だから、100点とったら褒めるのではなく、お子様が「前向きに努力したら褒める」「勉強したら褒める」のです。0点とっても30点でも努力したことを褒めるのです。たとえ結果が良くないとしても、頑張ったらめっちゃ褒めるのです。そうし続けると、次第にお子様は努力するのが好きになるのです。とにかく前向きに努力すれば、目標達成する途中でも褒めてもらえるので勉強が好きになるのです。
これが私の言っている「褒めて育てる。」なのです。
いいですか。何でもかんでも褒めるのではなく、御子様が自分から努力したり、前向きになったり、勉強したら結果にかかわらず褒めるのです。これは自然な「親としての感情」からではなく意識して「作戦」で家族全員でやって下さい。そうしないと効果がありません。
ある家庭のある日のことです。
お子様:今日は全部100点とれたよ。パーフェクトだった。(嬉しそうに)
お母様:あら、そう。がんばったわね。(ニコニコしながら)
お父様:どれどれ見せてごらん。な~んだ、今日の問題はすごく簡単じゃないか。これだったら、100点とれるな。みんなも100点だっただろう?
お子様:うん、クラスのみんなもパーフェクトだった・・・・(しょんぼりして)
これでやる気が出ますか?もちろんこのお父様には悪気はないのです。事実を言っているだけです。しかし、「お子様のやる気を少しでも引き出そう、引き出そう!」と考えては話していません。そこを考えずに話しているのが×なのです。せっかくお母様がお子様のやる気を引きだそうとして褒めているのにお父様がこの対応ではぶちこわしです。そもそも子育ては母親が一人でやっているのではありません。家族全員で良い影響を与え続けながら家族全員で子育てをしているのですから。だから、お子様を褒めて勉強大好きにするには「作戦を立て、家族全員で連携プレー」をして下さい。そうすれば、しばらく続けると、「何か努力したら、家族でみんなで褒める。」が習慣となります。
すると、お子様は勉強大好きになってくるのです。
以上ご参考になれば幸いでございます。
ところで、本ブログを同業(幼児教室、お受験教室、塾)の先生方も読んでいただいていて、ご自身の経営されるお教室で指導の参考にされているとのことです。本当に有り難いことです。良いことは関東・大阪・九州にとどまらず、日本中に広めていきましょう。(但し、本ブログの著作権は私井澤と(有)ウエルストリームに帰属します。)