活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

ひつまぶしは名古屋

2013-03-28 11:33:08 | 活版印刷のふるさと紀行

 あんかけスパの次はひつまぶし。 これにも思い出がある。

 名古屋在勤時代、私に輪をかけた「うなぎ派」がいました。着任そうそう彼に連れて行かれたのが栄の名店Iでした。それを手始めにふたりで三日あげずに通ったものです。その彼が胃潰瘍で入院したとき、「君が鰻屋ばかり行きたがるからな」と責任転嫁されたときは参りました。

  さて、今回はIではなく、通りかかったSという店に飛び込んでみました。サラリーマンの昼食タイムはとうに過ぎていましたが、おどろいたことに女性のひとり客が次々に現れ「櫃まぶし」を注文するではありませんか。安い方で2千円、高い方では4千円もするのに、いとも日常的に。

  さて、ここでひさしぶりに名古屋のひつまぶしに対面。 まず、色がいい。うなぎを蒸すのではなく、備長炭でじつくり焼いているから焦げ色の細かく刻んだうなぎが整然と並んでいるのはかき混ぜるのが勿体無い感じ。 定法通り、最初のいっぱいはそのままで味あう。タレの味が奥深い。二杯めは小鉢について来たワサビ、のり、ねぎを加えて、また、プラスアルファの味を楽しみました。 そして三杯め、私の合図でアツアツの出汁が運ばれてくるのでお茶漬けで。この辺までくると、まさにひつまぶしの醍醐味、「うな重」とは違った旨さの虜にされてしまのです。

  ひつまぶしの発祥の地は名古屋で決まりでしょうが、櫃まぶしというネーミングには諸説があるようです。私が幼い頃までは炊き上がったご飯はどこの家でも「お櫃」に移したものです。そのお櫃にうなぎのかば焼きをこまかく刻んで入れて、まぶすところというのが自然だと思うのですがいかがでしょうか。 関東ふうのうなぎを蒸した「うな重」もべつの旨さですきですが、 ひつまぶしとなると、やはり焼きうなぎの食感の方に軍配をあげたくなります。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする