活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

白昼夢だったのかと思いたい

2014-07-02 09:02:06 | 活版印刷のふるさと紀行

 2014年7月1日。この日が忘れ難い日にならないように。

 ここ数日サッカーの陰に隠れがちではありましたが、「集団的自衛権」をめぐってかなりの情報が取沙汰されました。国を守るために憲法の解釈を変えることの閣議決定の是非が論じられたのです。「戦争」、「武力」、はては「派兵」という言葉さえ言い交されました。

 私は「ススメ ススメ ヘイタイ ススメ」の国語の教科書を手にしたくちで、戦争を知っている最後尾、尻尾の世代ですから「戦争」が気にならないといってはウソになります。

 戦争のときの、あるいは戦後の、あの苦しい時期を思い出すはイヤですが、こと「印刷」に関してもいろいろありました。まず、慣れ親しんでいた子ども向き愛読誌が姿を消し「陸軍」・「海軍」などというそのものズバリの少年雑誌を強制的に購読申込みさせられたのを覚えております。

 ノートなども罫を印刷したきちんとした体裁のものではなくてワラ半紙を切っただけのものになりました。戦後すぐのころは教科書も16ページの折本のままで手渡され、自分でくっついているページにはさみを入れなくてはなりませんでした。

 中学校でステーィブンソンの『宝島』の「戦艦」ということばが出てくる箇所に墨を塗らされたことも思い出します。とにかく戦争にかかわるものを図書館の蔵書の中からも消し去ろうというのが政府の方針だったのでしょう。

 そして、昨日です。知らないうちに集団的が個別的自衛権にならないように祈ります。

 7月2日、今朝、額アジサイがきれいに咲いてくれましたし、「きょうはウドンの日」などというアナウンサーののんびりした声を聞いていると昨日の閣議決定は白昼夢だったのかと思いたくなります。。

 

 

 

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