活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

友だちの絵 ヴェロニカ

2014-07-06 10:16:11 | 活版印刷のふるさと紀行

 銀座教会の『キリスト教美術展』を観て来ました。聖画ともいうべきテーマの同一性、限られた作品点数を静謐な雰囲気で鑑賞できる私の好きな展覧会の一つです。高校時代の友人太田久君が毎回出品し、それを機会に何人かの同級生が集まる楽しみもあってここ数年、欠かさずに顏を出しているのです。

 彼の作品のタイトルは「聖人マンダラ」、仏画の曼荼羅のキリスト版といったらいいのでしょうか。1体というか1点というか聖人像を1コマずつ、マンダラふうに配列して意欲的でした。私自身はキリスト者ではありませんが、カトリックとは縁があります。卒論がフランソワ・モーリャックでしたから人間と神との相剋を追い求めたモーリャック作品はかなり読み込んだつもりです。

 そして次が日本に活版印刷を持ち込んだコンスタンチノ・ドラードの歩みの追っかけでザビエルからはじまる日本のキリシタン史を調べなくてはなりませんでした。ポルトガル・スペイン・イタリア、マカオ、ゴアと天正使節絡みの土地やヴァチカンやエルサレムも歩き回りました。国内も長崎を筆頭にキリシタンゆかりの地を訪ねまわりました。そんなことは何の自慢にもなりませんが、こんなことから「縁があった」といってもいい気はするのです。

 その友人から習作の「ヴェロニカ」をもらいました。ヴェロニカという女性信者がキリストが重い十字架を背負いゴルゴダの丘めざして向かう途中で、キリストの汗の多さに思わず自分のヴェールを汗拭き用に差し出します。そのヴェールでキリストが汗をぬぐい彼女に返すと、奇跡が起こります。なんとヴェールにキリストの顔が鮮明に浮かび上がっていたという「聖顏布」のあのヴェロニカです。『キリスト教美術展』は7月13日まででした。

 

 

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