活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

印刷と美術のあいだ

2014-10-19 12:25:25 | 活版印刷のふるさと紀行

「印刷と美術のあいだ」ーちょっと気取ったタイトルの印刷美術館の企画展を観て来ました。

 1875年(明治8)、いわゆるお雇い外国人として横浜に降り立ったエドアルド・キョッソーネというイタリア人の名前は明治政府が日本で初めて手掛けた印刷紙幣の技術指導者としてよく知られています。

 彼は明治24年まで印刷局で16年間、紙幣はもちろんのこと,印紙や小切手、郵便切手、証券などの原版彫り上げるという大変な仕事を仕上げ、のちのち活躍する日本人の凹版彫刻技術者育成にも力を尽くしたのです。

 この展覧会ではキョッソーネともう一人、同じイタリア人のアントニオ・フォンタネージというお雇い外国人を取り上げています。彼の方はキョッソーネと違って日本に滞在していた期間は2年と短かったのですが、工部美術学校で絵画の教師としてたくさんの日本人画学生の才能を育てました。

 会場で、この二人の作品をはじめ、二人から彫刻やデザインや石版など美術を学んだ印刷技術者や画家の作品をふんだんに観られます。明治初期に印刷と美術が交流し、そこから新しい印刷技術が生まれ、歩んだことをこれほどはっきりわからせてくれるとは思ってもいなかったので、会場で出会ったお仲間とついつい飯田橋で遅くまでオダをあげてしまいました。

ちなみに会期は10月18日から来年2015年の1月12日までです。

 

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