活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

再度、トマシェフスキと出会う

2013-12-03 10:27:24 | 活版印刷のふるさと紀行
 
師走のギンザグラフィックギャラリー展覧会は「トマシェフスキ」です。まさに、2013年の掉尾を飾るにふさわしい充実した展覧会です。私がトマシェフスキの作品とはじめて出会ったのは1992年、まだ、スタートを切ったばかりのギンザグラフィックでした。亀倉雄策、田中一光、永井一正、勝井三雄、錚々たるグラフィックデザイナーのみなさんが、畏敬の表情を浮かべてトマシェスキ論を戦わせておられる横で小さくなっていた私は当時、このギャラリーの運営責任者でした。  それから21年、昨日、12月2日のオープニングにはポーランド大使館の要人はじめトマシェフスキのご子息のフィリップ・ポンゴフスキさんがご家族あげて出席されて盛大でした。1992年のときはご本人は体調を気遣って不参加いがでしたが、夫人とご子息は来られた記憶があります。  さて、今回の展覧会の監修は矢萩喜従郎さんですがフィリップさんの協力もあって1階から 地階まで、これぞトマシェフスキのポスターという貴重な作品を制作年代順に並べて圧巻の構成をされておりました。矢萩さんは展示のサブタイトルに「世界を震わす詩学」と打っておられますが、1点、1点のポスターのまえに立つと、何を訴えようとしているか、何を語ろうとしているかが響いてきます、囁いてきます。  第二次大戦下ではナチスドイツやソ連に痛みつけられ、その後1989年の民主化にいたるまで圧政と弾圧のポーランドにあって、どうしたら、当局の目をかいくぐってこんなに明るいポスターを制作し続けられたのでしょうか。 12月25日までです。ぜひ、ごらんください。

写真上 父を語るフィリップ・ボンゴフスキ氏、左が矢萩喜従郎氏。写真下地階の展示の一部

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