活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

想説/活版印刷人あれこれ21

2009-09-26 10:45:59 | 活版印刷のふるさと紀行
 神田川大曲塾の9月勉強会は18日、印刷博物館のグーテンベルクルームが会場でした。
金子栄輔講師のレクチュアは日本人やヨーロッパ人のアジア認識から、中世にヨーロッパ人が描いた地理書や地図に及んで、やがて「大航海時代」に入って行きました。

 私としては「待っていました」です。以前にコンスタンチノ・ドラードや千々石ミゲルの著作を書くときに、私は一応、当時、どのような世界地図が日本に存在していて、彼ら天正遣欧使節はどんな地図を持って行ったのかを調べてみたことがありました。 結果はノンでした。当時、まだ、世界地図が日本に入っている確証は持てませんでした。

 フィレンッェの国立文書館1585年にローマ教皇グレゴリオ13世に使節たちが贈ったと日本地図が所蔵されています。行基図を賑やかにしたような稚拙なものですが、彼らが「地図」そのものは知っていたことはこのことからわかります。
 問題は自分たちがこれから辿るであろう行程がひとめでわかる「世界地図」を彼らが持っていたであろうか、「世界」の認識はあったであろうかでした。

 そこで金子レクチュアでも多くの時間がさかれたマテオ・リッチの『坤與万国全図』の登場となります。写真はその模写図で金子講師の著作からお借りしました。


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