写真師の「新カメラ日記」

JRP会員の橘が日々の事、撮影日記などを記録していきます。

写し撮れなかったもの

2006年06月16日 | 写真
[写真は走り出した「カモシカの親子」]

写真・画像として示すことのできるものはカメラが記録したものだけで、「力及ばず」や「タイミングを失したもの」など、画像では残っていないが本当は見る人たちに伝えたかったもの、そんな光景をなんらかの形で記録することも大切ではないかと思っている。
いま私は少人数ではあるが質の高い短歌の勉強会でに参加させてもらっている。
短歌と言う表現方法でカメラでは表現できなかったものをあらわしたいと思っている。

たとえば今回の写真を見るとまったくの失敗作で、かろうじてカモシカの1頭が判別できるだけの写真である。
この場面は、ゆったり子どもに乳を与えながら餌を食んでいるカモシカの母と子を偶然発見し、俯瞰写真として写し撮ろうとしたところカメラに気づいた母親が鋭い警告音を発し子どもが一瞬のうちに逃げ出した瞬間なのです。
イメージとしては、厳しい冬の季節を過ぎて餌の豊富で過ごしやすい季節を迎えたカモシカの母と子の姿を通して命と自然の豊かな営みを切り撮りたかったのですが・・・
この場面は私の拙い短歌ではこんな風になります

「内川の空気引き裂く声残しカモシカの母子は崖駆け下る」

この日の内川地区では、川の水面下を泳ぐカワガラスの素早さとか、道路を横切って目当ての樹木を駆け上っていったリスの姿などまったくカメラのファインダーで捕えることが出来なかったものがありました。
コメント
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