写真師の「新カメラ日記」

JRP会員の橘が日々の事、撮影日記などを記録していきます。

雪まだ深い「里山」(限界集落)

2011年03月08日 | 写真
金沢中心部から30分~50分ほど車で南部に向って走ると南部丘陵に点在する山里に着きます。この山里の多の家族は冬季は街に暮らしの基盤を移し春の雪どけを待って山里に戻ってきます。私達は「限界集落」とか「里山」とか「環境」とかの言葉をいとも簡単に、そして抽象的に使います。今日公開の写真はそういう集落の一つを本日撮影してきたものです。ここで暮らすということはこの地域の自然と折り合いをつけながら「環境」をまもり暮らし成り立たせるということです。かつてはこの雪の中で冬も暮らしていました。ところが現在は人口の減少や高齢化、そして交通環境など生活環境がそのことを許さないようになってしまっています。
2010年の国際生物多様性年としてのCOP10開催と連動して10月には国際会議も開かれ、私の住む石川の谷本知事は講演で『「能登半島は全域が里山といっても過言ではなく、県を挙げて里山里海の再生に取り組んでいる。人とのかかわりの中で維持されてきた里山里海の保全には、人がそこに住み、利用し続けることが求められている」と指摘。荒廃する森林の整備にあてる「いしかわ森林環境税」の導入や、住民が熱心に保全に取り組む県内7カ所を「先駆的里山保全地区」に選んで重点支援していることなどを挙げ、「里山の利用保全」の必要性を強調した。』(朝日新聞)そうです。
前知事からその政策を引き継いだ現知事までの30年を越える県の政策のなかで地域の人たちの努力にもかかわらず荒廃を招いたことへの責任も反省も基本の政策変更もなく口だけの「里山再生」では人の手が入ることにより多様な生物との共生を可能にしてきた山里は「再生」どころか「保全」も難しい現状です。
雪に閉ざされた山里に天候を見ながら通ってきて、自宅への通路確保と畑に向う道の除雪を続ける人たちの奮闘の跡を見ながらこんなことを考えていました。
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