写真師の「新カメラ日記」

JRP会員の橘が日々の事、撮影日記などを記録していきます。

古寺の山門移動作業 金沢市「因徳寺」

2017年03月05日 | 写真日記
    [古寺の山門移動作業]

加賀藩が一向一揆への備えとして犀川流域に70以上の寺を集めた寺町寺院群。
この中には「忍者寺」としても知られる妙立寺などがありますが、その近くの国道を車で通っていると古い建物が移動しているのが見えました。
気になったのですがなにしろ交通量が多いので車を止めることができず自宅に帰ってきてから、すぐ近くなので自転車で引き返しました。
工事場所に行ってみると寺町台9条の会の催し「平和の鐘つき」でお世話になっている因徳寺でした。
作業している方に聞いてみると国道幅の拡張に伴う山門の移動だとのこと、珍しい作業なので写真を撮らしていただきました。
本堂とともに江戸の初期の建築と言われる6本柱の山門です。
小さな建築物ですがなにしろ古いものなので作業は慎重に進められていました。

    [因徳寺の釣り鐘]

ここ寺町寺院群は70以上の寺がありますが、お寺につきものの釣り鐘のある寺は10数ヶ寺にとどまります。
加賀藩が鐘を禁止したというわけではなく、各寺に鐘はあったのですが第二次世界大戦、太平洋戦争の時の金属の供出キャンペーンで各寺とも鐘を残すことが出来ずに武器などの製造用の原料として差し出したまま敗戦。
戦後はお金の工面がつかないで鐘のないまま現在の至っているところが多いようです。
そういう寺町で様々な形で鐘が残ったり、戦後に造ったりした鐘のあるお寺の多くが毎年8月15日に「平和の鐘つき」という催しに協力してくださっています。
そして今日の写真の「因徳寺」さんもその一つでした。
金沢は空襲もない古い町なので見ただけでは落ち着いた平和な町に見えますが一つの寺のなかでも江戸から積み重なった歴史や戦争の傷跡なども残る街でもあります。
金沢へ来られたら、どうかそんなところも見ていただければ平和を願う一金沢市民として嬉しいのです。

今日は江戸初期の寺の山門と鐘楼の写真をアップしてブログ[写真師の新カメラ日記]更新です。



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