用水沿いに植えられたソメイヨシノの幹に注目しながら歩いていると、何かそれほど小さくないものが視界を横切りました。目で追いかけると、タテハチョウの仲間のようで、用水の土手の斜面にとまり、陽に向かって翅を広げています。
成虫越冬しているアカタテハかなと思い、滑らないよう尻制動で静かに下りて近寄ると、意外なことにヒメアカタテハでした。
ヒメアカタテハについては、ウェブサイト『ウィキペディア(Wikipedia)/ヒメアカタテハ』(2018/12/25)に次のように説明されています。「幼虫はキク科のハハコグサ、ヨモギ、ゴボウなどを食草とする。本州では成虫で越冬するといわれる一方、成虫は越冬能力を欠くという千葉県での実験結果も出ている。ナガサキアゲハやクロコノマチョウと同じく、温暖化により北上しつつある種のひとつであり、温暖な地域では越冬態不定である。アカタテハと同じく成虫越冬とされていた頃は、春に見られる成虫の翅が劣化していないことに疑問を感じた学者が冬に食草を探索して幼虫を見つけ出し、幼虫越冬とされたこともあった。」
1999年発行の『富山県の蝶(Ⅱ)』には、ヒメアカタテハについて、こうも書かれていました。『本県では、成虫は6月中旬~12月下旬に記録されている。県内でも、飛来個体から年2~3回の発生を繰り返した後、冬を迎えて死滅するということを毎年繰り返していると思われる。」
今回のような雪の降る12月下旬のヒメアカタテハの記録が゛意外”ではなかったことは、意外でした。
《富山市営農サポートセンターの中央を流れる用水の右岸に植えられたソメイヨシノ 2018/12/24》
《用水の斜面で翅を広げてとまるヒメアカタテハ 2018/12/25》
《用水の斜面で翅を広げてとまるヒメアカタテハ 2018/12/25》