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2014.5.10 『奥徳富岳』(1,346m)~『群別岳』(1,376m)~『幌天狗』(1,220m) 《回顧録より》

  

 回顧録からアップし、文章は当時『ミニ山の会』メンバーに送った「山行報告」をそのまま掲載する。

 

 いやあ、Hiromiの体力、筋力はたいしたもんだあ・・・                                     

金曜の夜出発で浜益へ向かった。

群別川に沿う林道をゲート近くまで入って乾杯!

翌朝の早出を控え、酒は程々にして就寝。

 

土曜の朝4時45分スタートで、増毛山地の核心部を目指した。

行程は『奥徳富岳』(別名「尾白利加岳」、1,346m)~『群別岳』(1,376m)~『幌天狗』(1,220m)の縦走。

この三座は登った人間ならわかるが、どれも仰ぎ見るほどの山であり、そこへ足を踏み入れた登山者の99%が秀峰『群別岳』だけを目指す。

 この山域、つい15年ほど前までは誰もおらず、人に出会ったりその痕跡なぞほとんど見たことがなかった。

それがインターネットとGPSの普及で、たいした経験のない登山者がどんどん入り込んでくる。

そして『群別岳』に登ったという実績を人にひけらかしたくなるのだろう。

今回も金曜の夜林道に入ると、既に3台の車が前泊をしていた。

これは夜が明けると日帰りの人間が押し寄せるのだろうと、重苦しい気持ちで就寝した。

ところが意外にも、土曜日入山したのはその3台に乗ってやって来た人間だけで、当日新たに入山する登山者はなかった。

これにはホッとした次第だ。

 

 ゲートから約4kmほどの林道を歩いてアプローチが終了する。

そして直ちに渡渉だ。

もう沢も開け、ほとんど流れが露出している。

しかも雪解けで増水しているため、それを越えるのは難しい。

最も沢幅の狭い部分を私は跳んで渡った。

ところがHiromiはどうにも跳べそうにない。

そこで「走れ!」と号令をかけた。

水量の多い沢でも幅が狭ければ走って靴中を濡らさずに突破できる。

しかしこのHIromiはそれができない。

沢底の不安定な石を踏んで転倒することを恐れているのだ。

結果、膝近くまである水の中に左足をどっぷりと浸したまま突っ立っている。

これじゃあ靴の中は当然濡れてしまう。

はっきり言ってHiromiは運動神経が鈍い。

普通足がどっぷりと水没したなら、慌てて引き抜くはずだ。

だが、Hiromiは履き替えようのソックスを持参しており、すぐに取り替えて事なきを得た。

 

『奥徳富岳』への登りはきつい。

水量の多い群別川上流部に架かるスノーブリッジを利用して渡渉した後は、長く急な尾根に取り付く。

それを頂上に続く尾根まで詰め、ようやく東に『奥徳富岳』の端正な姿を捉えることができる。

この頃になって雲が多かった天候は回復し、青空の面積がどんどん広がって行った。

『奥徳富岳』の頂上部はハイマツが露出していたものの、東に残る雪庇を利用してその頂点に立つことができた。

記念撮影をした後は『群別岳』を目指す。

アップダウンの激しい稜線を行くのだが、これがまた大変だ。

雪が消えてしまっている部分が多いため、ハイマツやブッシュ漕ぎを強いられる。

そんな悪戦苦闘もHIromiは苦にせず着いてくる。遅いけどね~

 

 一旦『奥徳富岳』と『群別岳』のコルに下ってからはきつい急登の連続だ。

稜線はナイフリッジとなり、どちらに滑落しても大変という緊張感いっぱいの登りだ。

昨年敏とここを登ったときは何も感じなかったが、Hiromiを連れてとなるとやはり緊張する。

ナイフリッジを過ぎ、頂上真下の急斜面をなんとかクリアして『群別岳』の頂上に立った。

『群別岳』からはまたまた急斜面をトラバースして『幌天狗』との稜線に上がる。

このトラバースはクラストしていたならピッケル、アイゼンを持参しても怖いところだ。

『幌天狗』までの稜線は見た目より長い。

ハイマツが露出した部分を右に左にと巻いて進む。

そして『幌天狗』の「天狗」とは思えない穏やかな頂上に立ち、下山だ。

 下山は以前にも下った下降尾根を利用するつもりだった。

ところが行ってみると思いのほか雪解けが進んでおり、沢筋に向かいかけた。

しかし、傾斜は急で、Hiromiも何度となく小滑落を繰り返している。

長い歩行で脚の疲労が激しいのだ。

私一人なら強引に下山してしまうのだが、そんな状態で危ないことはさせられず、登り返して別ルートを探った。

幸いにも長く雪が残っている尾根があり、そこまで歩き下降した。

下部で少々の藪漕ぎにはなったものの、安全に下山。

何事もなくてよかった。

 林道に降りてからは、またてくてくと駐車地まで歩き、ごっくろーさーん!!

Hiromiに感想を聞くと、「これまでの山行で一番過酷でした」

そう、これまでは全行程7時間半というのが最も長かったが、今回は11時間半というロングランになった

 

そんな過酷な山行にも最後まで笑顔を絶やさないHiromi。

体力が限界を超えたなら、笑いも出ない。

裕美の体力はたいしたものだ。人間鍛えればこのようになれるという見本だな。

いやあ、ご苦労さん!

 下山後浜益温泉で汗を流し、道民の森『神居尻山』の麓へ。

すこぶる美味く冷たい「のどごし生」を流し込んだ。

 

 

 

 

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