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2009.8.29 『エサオマントッタベツ岳』(1,920m) 《回顧録より》

 古い話しで恐縮である。

この日は数日間の夏休みの一日。

人がいないことを願って出かけたが、ウィークデーのこの日は人影なしだった。

 

 この数年前にエサオマントッタベツ川からガケの沢に入り、『札内岳』を目指したことがあった。

その時はエサオマントッタベツ川にガケの沢が流れ込むそばまで車が入れ、駐車地からそのまま入渓できた。

しかしこの時はトッタベツ林道にゲートができており、そこが駐車地となっていた。

そしてゲートから入渓地点までが歩いてみるとけっこうかかる。

 

 6時20分、林道ゲート前の駐車地をスタート。

かつては車で入ることができた作業道は、その面影をとどめるだけで、もう車での走行は不可能だった。

 

 6時50分、入渓地点。

入渓してすぐ左からガケの沢が流れ込む。

エサオマントッタベツ川は水量が豊富で、水が落ち込むところに目をやると、無数のイワナが目に映る。

イワナの数はこの沢の自然味、豊かさを象徴している。

そんな光景を楽しみながらほぼ左岸に沿って登っていく。

時折樹林の中に巻き道が見て取れ、それを利用するが、下山では気付かず通過してしまう部分が多々ある。

駐車地をスタートして3時間程で、有名な滑の連続帯に達する。

沢靴フェルトのフリクションを効かせて登って行くが、傾斜とスリップとを頭の中で計算すると、「危ないかな?」と思われるところもあり、木の枝を使う場面も。

 

 9時50分、原頭に至り、北東カールの美しさが目の前に広がった。

そして正面の急斜面に黒い点が一つ。

「ヒグマだな」と思って目を凝らしていると、動き出した。

子連れのヒグマで、子熊が母熊のあとを必死に追いかけて、急斜面をトラバースして逃げていった。

 

 カールボーデンの中をより頂上に近いルンゼを目指して登るべく進むのだが、ここの草がよく滑り、おまけにブヨブヨしていてなかなか進まない。

そこで持参した登山靴に履き替えた。

日帰りで踏破するためには時間をかけていられないので、そういう準備はして挑む。

登山靴に履き替えるとスピードアップし、稜線へ。

稜線に上がると、『エサオマントッタベツ岳』の頂上が目の前だ。

 

 10時55分、『エサオマントッタベツ岳』頂上。

ただ、この頃になるとガスが辺を覆い、『札内岳』、『ナメワッカ岳』その他の山々が見え隠れを繰り返した。

そんな頂上を後にして下山開始。

登りで少々苦戦したカールボーデンは、下りだと何の抵抗もない。

 

 滑に入るところで三脚を立て、記念撮影をしたところ、ちょつと目を離したすきに三脚が倒れ、

カメラはドボン! ガシャッ!」

以後の写真は撮れなくなった。

 

 15時20分、駐車地着。

ちょっきり9時間の楽しい行程であった。

 

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