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2009.9.20 『札内岳』(1,895m) 《回顧録より》

 

 私は沢登りがあまり好きではない。

体や足を濡らして登ることを、性格的に好まないのだ。

体や足は乾いた状態で頂上に立ちたい。

これはあくまでも私の性格なので、致し方ない。

従って、無積雪期は必要に迫られない限り登山道を歩く。

更に、私はブログの中で何度となく触れているが、とにかく広いところが大好きで、

スキー場を登るとルンルン気分になる。

であるから、山々に囲まれた狭い沢型地形を好まないのだ。

この時も必要に迫れて沢を登った。

 

 『札内岳』を目指して登るには、通常2本のルートが考えられる。

一つはトッタベツ川に沿った林道からエサオマントッタベツ川に入り、支流のガケの沢を遡行する。

これはこのときより数年前に挑んだのだが、時期が10月中旬の上、

アクシデントでスタート時刻が遅れてしまい、結局時間切れで源頭でリタイアした。

もう一つはピリカぺタヌ沢の遡行。

この時は改めてピリカぺタヌ沢から登ることにした。

 

 6時、トッタベツ川に沿う林道から、ピリカペタヌ林道に入り、4kmほど進んだところが終点で、

広い駐車スペースに車を止めて入渓した。

ピリカペタヌ沢のスタートは広くて明るい沢歩き。

水量も多くはなく、穏やかな渓相だ。

右岸、左岸と渡渉を繰り返しながら進んで行くが、八の沢出合いから先は流木が多く、なかなかんスピードが上がらない。

そして沢筋はだんだん狭くなり、小滝が連続して現れる。

いずれも容易で、殆どが沢の直登。

結構な高度感を感じた頃、突然目の前に高さ30mほどの大滝が現れた。

水量は少ないのだが、幅が広く大変美しい。

大滝は右岸に明瞭な巻道があり、難なくクリアできる。

この大滝を過ぎると、沢筋は益々狭く小さくなり、

9時40分、やがて源頭に吸い込まれる。

ここからは花の時期には花々が咲き誇るであろうと思われるお花畑の中の踏み跡をたどって登るが、急登の連続だ。

しかし長くは続かず、突然頂上に飛び出す。

いかにも日高の山らしい、劇的な終末だ。

 

 10時10分、『札内岳』頂上着。

日頃の行いというものは、私のように常に清く正しくしておくもので、

このときそれまで覆っていた辺りのガスが急に晴れだした!

そして西隣りに『エサオマントッタベツ岳』の美しい姿が目に飛び込んできた。

うっとりする美しさ。

北に目をやると『幌尻岳』もガスの中から姿を現した。

ただ南はガスがなかなか晴れず、『ナメワッカ岳』が見えただけ。

それでも晴れてくれてよかったぁ~っ!

いつものように「マルちゃんダブルラーメン」を食べて、豊かな気持ちで下山。

紅葉が始まった沢を淡々と下って、

14時25分、駐車地着。

いい山だが、尾根筋に登山道をつけたいもんだねえ。

いや、そうすると登山人口が増すので、やはりこのままでいいのかな・・・

 

 

 

 

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