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2016.9.4 「ポンピ渓谷」~『平ヶ岳』(2,008m)~『十勝岳』(2,077m)

 

 土曜の夜は、『十勝岳』麓の標高約1,000m付近で車中泊。

運転席と助手席のウィンドウを下げ、網戸状態にして寝たのだが、暑くて夜中にシュラフから抜け出て寝た。

そんな標高でも結構な気温なのだから、平地は暑い夜だったと思う。

 

 日曜の朝5時に起床すると心配していた雲は高曇りで、十勝連峰がすっきり姿を現している。

天気予報では「曇り」。

確かに地上は曇りだ。

大雲海が広がっている。

この「曇り」だが、登山愛好家として勝手なことを言わせてもらうと、

「地上から○○mまでが雲の中で、その上は○○mまで雲がかかりません」などと予報をしてもらえると、

山選びが大変楽になるのだが。

いやいや、誠に勝手なことを言っている。

 

 5時50分、望岳台をスタートした。

この望岳台だが、現在センターハウスの建て替え工事が実施されている。

そのため二段に設けられた駐車場のうち、下のハウス側が車両進入禁止となっている。

駐車場が狭くなっているので、前泊か早朝の早い到着をお勧めする。

我々が駐車場に入ったのが5時40分。

その時点で既に3~4台の駐車スペースしか空いていなかった。

100名山はこれだから好きではない。

  我々の服装は、9月に入っても暑いなら半袖、短パン。

そしてこの日はそれでもちょうど良い気温。

いや、暑くて汗も大量に流した。

高曇りで直射日光があまり射して来ないのが助かる。

 

 「雲の平」の長いトラバースを終え、ポンピ沢に下ってゆく途中に一箇所、深い沢形を越える場面がある。

ここは年々火山灰を多く含んだ土砂が流され、どんどん深くなって行く。

以前はそんなに深さがなく、簡単に越えていた。

それが今では10m以上の深さがあり、大変怖い。

誰がいつ備え付けて下さったのかわからないロープは、不安なので使わずに一旦沢床まで下るが、

そこからの登り返しを、またどなたがいつ備え付けて下さったのか不明なはしごを登る。

これも頼りなくて怖い。

そんな危険箇所を越えると、下りきったところがポンピ沢だ。

7時30分、ポンピ沢出合。

このポンピ沢を渡渉して登山道を進むと『美瑛岳』だ。

しかし我々はここからポンピ沢を遡行する。

遡行とは言っても登山靴のまま、濡れないように登るのだ。

しかし、ポンピ沢もやはり増水していた。

それに深く掘られ、沢床が下がっている。

大量の流水に土石が流されたのだ。

以前は楽に渡渉できた『美瑛岳』へのルートも、今はその渡渉が大変だ。

 

 さて、このポンピ沢出合いから遡行してポンピ渓谷に入るのだが、増水でHiromiがちょっとピンチ。

渡渉個所がなかなか見つからない場面が多々。

しかしなんとかかんとか水量の少ない地点まで登ると、荒々しい風景が広がるポンピ渓谷だ。

私はこのグランドキャニオン(行ったことないけどねえ…)のような風景が好きで、しばしばこの渓谷に入る。

そして沢は小沢となり、二股が現れる。

これをまっすぐに進むと、やがて『美瑛岳』の核心部に吸い込まれる。

我々はここを右の枝沢に入る。

水量が少ないときならば、ほとんど水を目にすることのない枝沢だが、

今回は水量が少ないながらも音を立てて流れていた。

高度をグイグイ上げて、水が涸れると火山灰地となり、火山灰に深く足をとられながらもがき続けて、

9時15分、『十勝岳』~『美瑛岳』間の登山道のほぼ中間地点に合流。

ここからは遮るもののない広い山風景の中を『十勝岳』へ向かう。

ただ、広々とした風景は素晴らしいのだが、火山灰で歩きにくい。

 

 9時40分、『平ヶ岳』。

この『平ヶ岳』だが、その存在を知る人は少ない。

地形図にも「2,008m」としか記されていない。

『美瑛岳』から『十勝岳』に向かって進むと、右手に『鋸岳』の頂を見、次に現れるピークが通称『平ヶ岳』だ。

その存在は知られなくとも、れっきとした2,000m級の山だ。

この『平ヶ岳』の辺りでガスが出てきた。

ここから『十勝岳』までは、濃いガスに見舞われると進行方向を失う危険性がある。

そこで訓練のため、Hiromiを前に立たせた。

しかしガスは薄く、やがて晴れてしまった。

いや、晴れてよかったっていう話しなんですけどねえ…

  10時10分、『十勝岳』。

日本100名山のその頂上には、積雪期でない限り人がいる。

それも大勢。

ただ、この日は人の数も少ないよう。

それでもそこにとどまる気にはなれず、そのままスルー。

下り出すと一旦ガスがすっかり晴れた。

いつもは下山途中で背後の景色を振り返ることなぞほとんどないHiromiがしきりに振り返り、頂上に目をやっている。

いったいどうしたんだろうね?

 

 その後、下るほどにガスが濃くなり、ほんの目先しか見えないくらいになってしまった。

下りになると膝に痛みを訴えるHiromiはなかなか下りてこない。

先に進んではHiromiの到着を待ち、また先に進んでは到着を待つことを繰り返しているうちに、

ふと目の前を登ってくる一人の女性が現れた。

そして立ち止まったので顔を見ると、見覚えのある顔だ。

しかし頭の中は「???」。

「マヤです」、「マヤぁっ!!」。

ブログ、「エーデルワイス日記」の主宰者「マヤ」だった。

マヤとは2年前の『オプタテシケ山』下山で出会い、声をかけられた。

先週の『三頭山』での「Keishi」との出会いに続き、二週連続だ。

不思議だねえ。

山なんかそこらじゅうに存在するのに、再び三度、いやそれ以上出会いを繰り返す山友がいることに、

ある種のロマンを感ずるのは私だけだろうか…

マヤとは記念撮影をし、またどこかの山で出会うであろうことを約して別れた。

 

 11時50分、望岳台。

う~ん、登りなれたルートではあるが、なかなかいい山旅であった。

Hiromiも「楽しかった!」を連発。

まあ、Hiromiの場合は毎週その繰り返しだけどねえ。

二日間の楽しい山行を終え、豊かな気持ちで帰途に着いた。

 

 この日の山行が、私にとって今年100回目の山登り。

これで16年連続で、年間100回以上の山登りを継続したことになる。

山はいいぜえ・・・

 

 

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