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2017.10.8 『オプタテシケ山』(2,013m)   白銀荘から往復25km

 10月に入り、もう早いもので中旬になる。

10月の三連休初日は、Hiromiが午前中出勤だったので、

私も細々としたことをかたずけ、午後十勝連峰に向けて車を走らせた。

白銀荘駐車場で車中泊。

久しぶりに車が出入りする駐車場で車中泊したが、どうにも落ち着かないものだ。

 日曜日の朝4時半に起床。

夜明けがずいぶん遅くなり、まだ真っ暗だ。

準備を整えている間に夜が明けてきて、

5時15分、白銀荘駐車場をスタート。

ここから『オプタテシケ山』を往復するのはずいぶん久しぶりだ。

『オプタテシケ山』にはこれまでに13回登っている。

この白銀荘からが1回で、望岳台からが9回、『美瑛富士』登山口からだ4回だ。

Hiromiはこの4年で、二度登っている。

そしてそのどちらもが『美瑛富士』登山口からだったので、

更に長い行程の白銀荘か望岳台から往復することを目標の一つとしてきた。

  白銀荘から東に伸びる登山道に足を踏み入れると、笹刈りがされていた。

幅広く刈られていたので、朝露に衣服を濡らさずに済んだ。

誠にありがたい。

アップダウンが続く溶岩大地の中の登山道を進み、

6時、『十勝岳』分岐。

ここから『美瑛岳』方面に向かうのだが、

それまでもその先も、全く人影が見えない。

先日標高1,200m以上では初冠雪があり、そのせいで登山者が激減したのか?

 「雲ノ平」の長いトラバースの間で、前方の山並みを越えて日が射してきた。

天気は上々だ。

トラバースの最終段階で、侵食によって垂直に深くえぐられた沢型に降りて登り返す。

これが危険でなかなか怖い。

下降にはロープが垂らされ、一旦沢床に降り立ったあとは、

鉄製の錆びた梯子登りだが、高低差が10m以上あり、転落したなら大変なことになる。

梯子もその安全性を信頼してよいのやら・・・

そんな危険箇所をなんとかクリアして、一旦下ってポンピ沢へ。

この渡渉を終えると、ほぼ垂直と思われる高低差200mの壁に刻まれた登山道を登りきって、

7時25分、『美瑛岳』分岐。

ここからは『美瑛岳』の北斜面を東に向かってトラバースして行く。

このトラバースは結構なアップダウンを繰り返すため消耗する。

8時10分、『美瑛富士』分岐。

この分岐から「美瑛富士避難小屋」分岐までの間は、Hiromiが初めて歩く部分だ。

雪が結構積もっており、歩きにくいとこがある。

そんな雪の上にはヒグマの足跡が残っていた。

この時期はもう山麓に下りているはずなのに、

どうしたことかと首を傾げながら先へ進む。

『美瑛富士』の南から東へ向かう斜面を淡々と下っていくと、

突然前方に目指す『オプタテシケ山』が美しい姿を現した。

素晴らしい眺めにうっとりする。

 

  8時30分、「美瑛富士避難小屋」分岐。

花の時期には見事なお花畑となる平坦地を越えると、『石垣山』への登りだ。

このころになると、北風が強くなりだした。

辛抱強く登り、高度を上げたところで振り返ると、

そこには『美瑛岳』と『美瑛富士』が並び、迫力ある山岳風景を見せつける。

私はこの風景を、最も好きな山風景のひとつと捉えている。

『石垣山』はピークを踏まず、その東側に登山道が刻まれている。

そしてこの辺りで突然快晴だった空に北からガスが入り込んできた。

強風にあおられてどんどん吹き込んでくるガスが、あっという間に辺りを覆い隠してしまった。

こうなるとつまらない。

9時25分、『ベベツ岳』。

全く何も見えない中を一旦大きく下り、いよいよ『オプタテシケ山』の登りだ。

この登りになると私のスタミナが切れてきて、きついきつい。

前を行くHiromiとの差が開いていく。

吹き付ける風は相変わらず強く、辺りは何も見えない。

しかし辛抱強く登っていくと、『オプタテシケ山』頂上直下で突然空が開けた!

貴重な写真をカメラに納めてHiromiの後をついて登るが、やはり間隔は空いていく。

  10時20分、『オプタテシケ山』頂上。

往路は結局5時間5を要した。

これまでは白銀荘から登っても、望岳台から登っても、4時間20分だった。

ここでもやはりこれまでの「体力測定登山」通りだった。

 頂上付近の風が来ないところで昼食。

頂上には誰もいなかった。

 

11時、下山開始。

相変わらず何も見えない中を下っていくと、

間もなく男女1名ずつのパーティーが上がってきた。

更に下っていくと、男性一名とすれ違った。

そして下りきったあと、『ベベツ岳』へのきつい登り返しで外国人を含む4名パーティーとすれ違った。

結局この日『オプタテシケ山』を目指したのはこれが全てだった。

復路はガスが濃いまま晴れ間がない。

つまらないし、暗い。

淡々と下って、

12時30分、『美瑛富士』分岐。

更に何も見えず、暗い中を黙々と歩き、

13時10分、『美瑛岳』分岐。

そしてその先のポンピ沢への急下降で、バッタリAyumiと出会った。

Ayumiは6月の『神居尻山』で出会った私の出身高校の後輩だ。

その後どこかの山に連れていってやろうと、

何度か声をかけたのだが、いずれも断ってきたのでそのままになっていた。

Ayumiとはすぐに別れて下山を急いだ。

とにかく何も見えないのでつまらない。

変わらず黙々と歩を進め、

14時15分、白銀荘駐車場。

 

終わってみれば、9時間45分の久しぶりに長い山旅となった。

私として、登りの最後は大変きつく、正直ヘロヘロになったのだが、下りは何ら問題がない。

そして“サイボーグHiromi”に身体的問題が残らなかったのはもちろんである。

 総行程25km、累積獲得標高1,909mというGPS情報を、あとでHiromiが知らせてくれた。

 

 

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