acc-j茨城 山岳会日記

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奥利根・柄沢~下ゴトウジ沢下降~ブサノ裏沢遡行

2012年09月22日 20時13分39秒 | 山行速報(沢)
奥利根・柄沢~下ゴトウジ沢下降~ブサノ裏沢
2012年9月15日~16日
メンバー:Nykさん、Grさん、Nak
 一週間前には怪しそうだった天気だが太平洋高気圧ががんばってくれそうなので念願の奥利根へ向かった。集合に少々手間取ったものの朝5時半に清水の柄沢橋にメンバーが揃った。今回のコースは1泊2日しっかりと歩くコースである:
1日目:柄沢遡行5.5km、標高+1218m、下ゴトウジ沢下降4.8km、標高ー800m、
2日目:ブサの裏沢遡行4.5km標高+950m、巻機山井戸尾根5.6km、標高ー1160m

コースタイム:
9月15日:
国道291号柄沢橋(6:08)~柄沢1200m支流分岐(9:00)~1809mピーク付近(11:00)~下ゴトウジ沢1310m二俣(12:30)~1180m二俣(13:25)~奈良沢川本流出合幕営(15:00)
9月16日:
幕営地(6:40)~ ブサノ裏沢ゴルジュ入口(7:30)~20m魚止め滝(7:50)~上ゴトウジ沢出合(8:50)~1400m二俣手前の20m滝(10:30)~60m大滝(13:00)~巻機山・牛ヶ岳鞍部(15:30頃)~巻機山避難小屋(16:20~40)~米子沢橋(19:00)~柄沢橋(19:55)

2012年9月15日  晴時々曇り、稜線付近やや強風、夜一時雷雨
 国道291号清水の奥の柄沢橋から歩き始める。単独の男性遡行者が先行して行った。我々と同じルートで奈良沢川まで行き上トトンボ沢を遡行するのだそうだ。上トトンボ沢をつめると牛ヶ岳までゆるやかな稜線の笹薮漕ぎは方向もわかりづらく大変だろうと思うが、どうなのだろう。
 天気はまずまずだが上空の雲の動きが早い。橋から入渓するが水の流れはまったくない。厚く岩石の堆積した河原を歩く。横には工事用の作業道路が見えていた。あとでわかったが、この作業道路を辿ればもっと楽であっただろう。
 一時間ほど歩くと建設中のダムがあり、袖の部分の岩盤を削っているところであった。そのすぐ先に、地形図に載っていると思しきスリットダムがあった。
魚道の脇を登り最後にザックを先に放り上げて石垣のようなところを2mほど攀じ登って越える。
 標高1200m付近で右岸の支流に入る。最初は、やや急なナメ滝をブッシュを掴みながらしばらく登る。柄沢コースで唯一とも言える滝であった。だんだん両岸のササが覆いかぶさり背を屈めてトンネルをくぐるようになり徐々に本格的なササのやぶこぎになる。途中から傾斜は緩くなるが、いいかげんにいやになってくる。だれだ!こんなルートを提案したのは!と、自分に文句を言いたくなる。
 1809m峰から続く湿原の南端で国境稜線に出た。池塘もあっておだやかな天気ならばゆっくりしたいところ。もし少し南に出ていたら稜線はすべてササの海だったので、まずまずのルート取りのようだ。稜線沿いにかすかな踏み後があった。稜線上は風が強く体が冷えるので、すぐに下りにかかる。

下ゴトウジ沢の原頭部は スキーだとさぞ楽しいだろうと思われる広い適度な傾斜である。 全面草付きで足元がよく滑る。尻滑りもできる。

やがて一直線のガレ場のような谷筋になる。
風もなくなり汗がほとばしる暑さの中を単調な下り。矢木沢ダムの湖岸だろうか、水位が下がって黄色い土の側面がひどく目立つ。

 ところどころに見える赤茶色い岩盤は柔らかい。

1150mあたりから緩やかな河原、広い川幅いっぱいに岩石が堆積している。炎天下の明るい谷なので熱中症になりそう。忍耐で下る。
魚はまったく見かけないし、水があまり冷たくないのが沢らしくない。

 ようやく奈良沢川本流出合に到着。出合すぐ手前、下ゴトウジ沢左岸上の砂地にターフを張る。
釣りをしてみたが、かかるのはウグイのみであった。水温が高くて渇水だからか。すぐにあきらめて飯の準備にかかる。沢泊まりを楽しむには少々コースがロング過ぎて疲れたかな。予想に反して夜9時ごろから弱い雷雨、しばらく降り続いた。

9月16日 晴時々曇、稜線上は霧と強風
 寝過ごして6:40ごろ出発した。下トトンボ沢は小さい角度で出合っていてわかりにくかった。最初のゴルジュに入ってすぐの滝を左から巻く。



その先、滝壺の中に大きな魚が一匹悠々と泳いでいた。20m魚留め滝手前で残置ハーケンにシュリンゲをかけて側壁をへつる。

20m魚留め滝は、 Nykさん空身トップで左壁を1ピッチ登る。Nak は下部でひとつ小さいスタンスを見つけられず苦戦した。

 このあと、岩の色が白っぽくなりさらに明るい渓相になる。大きくて深い淵が緑色できれいだ。

平凡な上ゴトウジ沢出合を過ぎると、チョックストーン滝。Nyk氏が空身で登り、Nakはお助け紐を出してもらった。5mナメ滝はルート図通り右から小さく巻いた。標高1400m付近で右岸から滝が合流している20m滝は左岸から草付きの踏み後を辿って巻く。






 二俣直後の2段10mの滝は流芯右のクラックを登るがあまり良くない。Nakは途中のハングしているところでブッシュを掴んでの強引な乗越しができず、ロープを垂らしてもらってザックを後で荷揚げした。上のG氏にも下のNyk氏にもサポートしてもらい多大な労力と時間をかけてしまった。このあと、懸垂下降で沢に戻る。
 標高1500m付近にある大滝に到着したのが13時、だいぶ時間が遅くなってしまったが、天候は大丈夫そうなのであせらず行こうと思う。巻機山からはヘッドライトでも下れるだろう。
 大滝はまず右に回り込んでから意外に悪い草付きと岩のミックスを左へトラバースして2段目はホールドのしっかりとある左を登った。右俣に入ってからすぐの10m滝は左から巻こうとしたが草付きが急すぎるので一旦退却して滝を直登した。その次の8m滝もシャワー浴びながらまっすぐ登った。

これ以降の滝は、どれも水量が少ないので流水沿いにルートを見つけられた。
途中、雪渓の残骸が少しあり左岸側の泥壁を20ー30mほど巻いた。このあとは草原の中のおだやかな源流の様相である。

稜線直下は霧で展望がなかった。 巻機山・牛ヶ岳のコルに出たのは15時半ごろ、ヘッデン下山を覚悟した。


 巻機山避難小屋で登攀具や沢靴をしまい、最後の登りをニセ巻機山へ向かう。風は相変わらず強いが新潟県側は天気がよい。18時すぎにヘッドライト装着し、20時前に車に到着した。みなさん、お疲れさまでした。