房総の沢を詰めていくと手つかずの花園に出会うことが多いです。
夏に探しながら行くにはマムシやヒルに気を付けながら
猛烈な藪と蒸し暑さの中を行かなければならないので、
今年も水量の少ない今の時期に探しに行ってきました。
今回は2ヵ所を選んでみましたが、沢に入るアプローチが長いので
稜線から下りて行くことにしました。
大雪で沢は倒木で埋まり荒れていそうですので、この方が
良いかもしれません。
冷え込んだ朝でしたが、陽射しの当たる斜面には
シュンランが咲いていました。
GPSで確認しながら、ここが下降地点だと思う所は崖地に
なっていたので枝尾根を回り込んでいくことにします。
アオキの藪をつかみながら下りていきますが、倒木とヤブで
見通しが効かず、ようやく降り立った所は、大きな岩がゴロゴロと
転がっている所でした。
岩の下には、わずかな水が流れていたので、どうやら源流に
たどり着いたようです。
岩の下の隙間を通り、周辺を観察
苔やシダが美しい!
まだ先日の雪が残りヒンヤリしていますが、周りの雰囲気は
亜熱帯ジャングルです。
大きな岩の裏に周り眺めていたら・・・・
ベニシュスランが着生している!
周辺の岩を近づいて良く見ると、隙間なくビッシリと岩に着生
している所もありました。
先月、渓谷に咲くシュスランを探していた時、一株だけベニシュスラン
を見つけて大喜びしていましたが、着生でこんな群落をつくるとは
知りませんでした。
ここの自然環境が適しているだけではなく、人が訪れない環境が
こんな群落を造ったのでしょうね。
この岩だけでなく、ころがっている岩の裏側には
数多く着生していました。
少し薄暗いので花が咲いてくれるかどうかわかりませんが
一割でも咲いたら素晴らしいと思います。
ベニシュスランは数えきれないほど見つかるのですが
アケボノシュスラン、シュスランなどは見つかりませんでした。
渓の法面にはナツエビネの株を見ますが、かなり無残な状態
の株が多く、この状態ですと花が咲くかどうかわからないですね。
この小さな双葉は、ヒメフタバランではないかな・・・
倒木を利用して、大きな岩の上まで登ってみます。
岩の上には立派なナツエビネの株がありました。
ここなら、倒木や落石から難を逃れることができそうです。
昨年みたいに少雨でなければ立派な花をつけるでしょう。
岩の上では多くの株を見つけることができました。
こんな岩の上なのに、食害のような跡もあります。
中には株の上に落ちてきた葉や枝で、ちょっと花を咲かせるのに
苦労しそうな株も数多くあります。
ほんとうは自然の中で咲く花ですので
そのままの状態にしていた方がいいのかもしれませんが
あまりに酷い株だけは、掃除してあげました。
古い倒木の上の株も元気そうです。
今年のナツエビネは、ここの場所に決まり!
その後、コケの上などにベニシュスランの株が点々と
あり、この花も見てみたいのですが
少し時期がズレルので2回来るのは、かなりしんどいな・・・
さらに下ると、渓は倒木が多くなり
やはり下からでは、かなり体力を使わなければ
到達できない感じです。
適当な場所で切り上げて、再び稜線にもどります。
先週の地蔵尾根より急な斜面を、捕まりながらよじ登りますが
いったい何処から降りたのか、途中からわからなくなり
藪と奮闘することに・・・・・
これですっかり体力消耗してしまい、もう一カ所行く
気力がなくなってしまいました。
まだ少し立ち寄る時間があるので
スハマソウやコセリバオウレンが咲いているか
花散策に寄ってみることにしました。
コセリバオウレンは、もう終わってしまったのか
葉ばかりしかみつかりませんでしたが
スハマソウは、少しだけ咲いていました。
3月11日