コブシの花の咲くころは

平日の静かな山を気ままに歩いた記録です

久しぶりの房総探索

2021-12-08 18:46:39 | 登山

どんよりした曇りの天気で、午後からは降水確率も高く
青空の広がる尾根を歩くのは期待できそうにないので
久しぶりに房総の奥深い山域を探索してきました。

もうヤマビルはいないので沢沿いも気楽に歩けます。
沢沿いの法面などには赤い実を付けたセンリョウが目につきました。
森ではマンリョウをよく見ますが、センリョウは奥深い沢沿い以外に
見かけたことはありません。














見上げると周辺はバリバリの木が多く、房総特有の森です。














源頭が近くなると倒木も多く荒れてきます。








林床にはシュスラン。








ミヤマトベラ










これら深山の常連に出会うと、懐かしい・・・・・

倒木が朽ちてきて苔や羊歯に覆われてくると
ナツエビネのプランターになります。








このあたりにはサツマイナモリも常連でしたが
食害の影響なのか、見かけなくなりました。

房総の奥深い沢では、昔はツバメオモトが自生していたそうです。

房総では氷河期の遺構といわれる植物ですが、
何度も歩き回り探しましたが見つけることはできませんでした。
食害と温暖化の影響でもう居なくなってしまったようです。
同じ氷河時代の遺構といわれるヒメコマツは少ないですが
痩せ尾根の稜線に細々と残っています。


尾根へと上がります。











房総の紅葉は今が見頃か・・・・
















見晴らしが良い場所から目を引くのは、紅葉した樹々ではなく
真っ赤な実をつけたイイギリの樹です。















里ではリンドウや野菊がまだ見られますが、奥深い痩せ尾根では
ヤブツバキ、キッコウハグマの残り花くらいでした。









先週歩いた丹沢の尾根にはブナの古木が多くみられました。
照葉の森が広がる房総丘陵の痩せ尾根では、アカガシ、スダジイ、モミ、ツガ
などの樹が目立ちます。時代を感じる巨木も多いです。













シダや苔が着いている古木をよく眺めてみると
上の方にはマメヅタランやムギランが着生している樹も多く
見慣れてくると案外多くの樹々に居る事がわかります。

➡の所にはマメヅタランがいます。










マメヅタランが樹幹~枝までビッシリ覆っていた古木
見守っていたという訳ではないのですが、とうとう倒れてしまい
着生していたマメヅタランが周辺に散らばっていました。













まだ株は新鮮で良い状態です。
この樹は今までも時々剥がれて落ちることがあり
持ち帰って自宅で育ててみたり、近くの岩場の上部の割れ目にねじ込んでみたり・・・・
しかし大雨や台風の影響なのか岩場の株は消えてしまい、自宅のマメズタランは
一か所だけ細々と生き続けている感じです。

この落ちたマメヅタランは長生きはできなくて、1年後は枯れてしまいます。

もう1ヶ所、2019年の台風で倒れたモミの樹に着生していたムギラン
昨年は衰退している気配はなく、倒れた尾根の場所で育っていました。













どんな様子かと尋ねてみると
上の表面に着生していた株は衰退して消えてしまっていましたが
側面は元気にこの場所で育っている感じがします。



痩せ尾根でも苔や羊歯が多くなるとベニシュスランや他の着生ランも出てきます。













ヨウラクラン、カシノキラン
















キクラゲもいたので、これは頂いて帰ります。










珍しいリュウキュウマメガキが落ちていたので斜面を見上げると
まだ高い位置には果実が付いていました。
落ちている果実は、ほとんどが食べられています。








少し手前で小動物の糞を見かけましたが
消化していない種は、このマメガキの種のように見えます。











久しぶりの房総探索、懐かしくもあり、再び興味も湧いてきて
天気のことも気にならなくなり好きな場所を歩き回りました。
幸い降られることもなく、いつもながら誰にも会うことはなく
人が歩いた気配もない静けさがありました。


12月7日







コメント
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