陽朔は漓江観光船の終点、桂林市街よりも山水の風情を身近に感じられる場所です。
今はコロナで外国人は少ないですが、海外からの旅行客にも人気の観光地です。
桂林市街よりもと書きましたが、行政管轄では陽朔も桂林市に属します。
歴史は古く前漢の時代にはもうこの辺りに街があったようです。
壮族(チワン族)、瑶族(ヤオ族)、回族、苗族などの少数民族が多く暮らしています。
陽朔を流れる遇龍河は漓江の支流で、全長は43.5kmあります。
遇龍河流域の美しい景色を沿道のサイクリングや筏下りで楽しむことができます。
筏下りは、4時間ほどかけて下る距離の長いものから1時間程度のものなどのコースが選べます。
今回は遇龍河景区から工農橋までの1時間ほどの短いコース。
筏はゴール地点からトラックに乗せて運ばれてきます。
それなりの数の筏が溜まらないと上流まで戻ってこないので、
タイミングが悪いと結構待たされることになります。
準備が整ったら一斉に出発、河一面に筏が浮かびます。
筏下りといっても急流下りではないので、ずぶ濡れになるような心配はありません。
船頭さんが長い竹の棒で川底をかいて筏を操ります。
筏から眺める岩山と水は、漓江観光船で見る景色とは違って目の前に迫ってきます。
川を渡るためなのか、治水なのか観光用なのか分かりませんが所々に堰があります。
船頭さんがうまく筏をコントロールしてちょうど一艘通れるぐらいの隙間を抜けます。
筏下りのゴールは工農橋。
橋やその周辺は人気の撮影スポットで、橋から見える岩山や遇龍河の風景を写真に収める人も多いです。
カルスト地形の桂林周辺には大きな鍾乳洞がいくつもあります。
筏下りを楽しんだ後は、最大級の鍾乳洞とされる銀子岩へ。
銀子岩が発見されたのは近年のことらしく、
一般に公開されるようになったのは1999年からのようです。
なぜ鍾乳洞の入り口にお金が。。と思っていたら、
銀子岩を訪れた人は永遠にお金に困ることがないということわざがあるそうです。
鍾乳洞の主洞部分の全長は約10kmで12の峰の地下を貫通しており、
下洞、大厅、上洞の三層の構造になっています。
大きな鍾乳洞には見所がたくさんあります。
中でも”三絶”と”三宝”と呼ばれる鍾乳石は必ず観光案内でも紹介されています。
三絶は音楽石屏、広寒深宮、雪山飛瀑の3つの絶景。
三宝は佛祖論経、混元真珠傘、独柱擎天の3つの宝です。
現在公開されている部分は全長2kmほどの遊歩道になっています。
洞内の気温と外気温はさほど変わらない感じでした。
頭の上から足の下まで全てが鍾乳石の芸術。
三層になっているので、上から見下ろしたり下から見上げたり。
中国らしい?原色のライトアップもあったりしますが、
実物は写真よりもずっと綺麗で迫力があります。
遇龍河の水は清らかで緑も多く、筏下りではのんびりと景色を楽しむことができました。
日差しが強い日でも筏には日よけの傘があるので大丈夫。
銀子岩の鍾乳洞を流れる川の水もとても綺麗で魚もいるようです。
岩山から洞窟までカルスト地形を十二分に味わった1日でした。